幕間・それぞれの寝室事情。(後)

　幕間「それぞれの寝室事情」の後編です。
　いつものごとく間が空きすぎたせいで、前回の話がどんなだったか忘れられていそうですが……まあ、適当に読んでいただいて大丈夫だと思います。

　最近、新しいセキュリティソフトの体験版を使用中です。
　それとは直接関係ないと思うのですが、何故かマウスの電池切れを示す画面がよく出ます。実際は電池切れしてないみたい？　なんかマウスのスイッチを切って再度入れたら普通に動いたりします（困惑）。
　それでもって、「電池十分」とか表示してくる……はて？　じゃあ、さっきのはなんじゃい！
　と、いう遣り取りを数回しました。それ以外は気持ちよく動いているからいいんですけど、このコードレスマウスめ！　と思わなくもない。メーカー的にこれは不具合ではないんでしょうか？
　ちょっと、精度悪いと思う（電池の残量を教えてくれるのはいいけど、これじゃあねえ^^;）
　で、新しいセキュリティソフトです。
　以前のやつとどう違うのか、イマイチよくわかりませんが……なんとなく、設定が前のやつより細かそうです。
　自分で好きに調整してもええんやで～という気配がムンムンします。
　が、私はそういう知識があまりないのでほぼ放置です。
　うん、大丈夫。たぶん、初期設定が一番いいはずだから！

　以下、、「幕間・それぞれの寝室事情」後編。
　のたうち回る令嬢が可愛いと思う。そして、そこはかとなくきな臭い話がここに（笑）。
　このきな臭い話のために彼ら二人は仲の良いフリをしている？　んだったらいいなあ！　と思って、こういう展開にしました。←ぶっちゃけ過ぎ？

――　幕間・それぞれの寝室事情。(後)　――

　自室に戻ったリリカは扉を静かに閉じて、扉を開けた瞬間から抑えていた感情を爆発させた。
（なんで、アンタがここにいるの？！　しかも、寝台〔ベッド〕の上って……ありえないっ）

「ここで一体何をされているんでしょうか？　レイモンド様アンタ馬鹿？」

　婚約者とは言え、婚前に同衾するなどふしだらなことを許すつもりは毛頭ない。いや、夜中に逢瀬をすること自体、ふしだらだ。絶対に、放り出してやるっ！　このエロ王子！！
「酷いな、仮にも婚約者じゃないか？　私達は」
　そう告げると、寝台に寝そべっていた彼は起き上がると寝台から下りて傍までやってきた。
　嘘くさい微笑みを浮かべた彼は、はっきりいって好きじゃない。
　けれど。
「まあ、婚約中と言えど貞節は大切でしてよ？　不埒な噂が流れて色々厄介になるのは貴方にだってお分かりでしょう？　おととい来やがれ」
「まあね」
　リリカの顎を捉え、上向かせた彼は別人のような鋭い眼差しで頷いた。
（まあ……素敵。って、違う。ちがうっ。好きじゃないから、ちょっとこの 顔 に弱いだけだから！！）
　もともと彼のいる隣国とリリカの国は小競り合いが多く、特にリリカの父親が治めるジャハルート領は国境の主要な関所にある地域のため仲が悪い。しかも、彼は隣国の国軍を統べる指揮官の地位にある王子である。
　基本、穏やかではあるものの本来はリアリストで花よりも剣を握るほうが好きな人物だ。
　ニコリと笑って、リリカは平静を装った。
「エロ王子は撤回して差し上げるわ、レイ」
「なんだよ、そんなこと考えてたの？　失礼だな」
「貴方の、嘘くさい笑顔がいけないんだわ（おねえさまにまで色目を使うタラシだもの、信じません）」
「それを言うなら君のしおらしい令嬢役も、どうかと思うよ（まあ、嫌いじゃないけど。しかし、意地っ張りなところは時々面倒だな）。リリカ」
　目を合わせて、互いに眉根を寄せた。ちなみに（）内はお互いの目での会話。
「キスでもしようかと思ったけど」
「自重なさって」
「そうする」
　そう、顎を捉えていた男の指が離れて、リリカは少しだけガッカリした。だって、本当は少しだけ触れてみたかったの。その彼の――温度を持たないみたいな、冷静な唇に。

　ちゅっ。

　と、頬に 何か が触れて振り返る。
　通り過ぎた長身の彼は扉を開ける前に顔だけをこちらに向けてふっと微笑んでみせる。

「紳士は淑女の期待に応えるものです。特に大切な愛しのスウィートには、全身全霊でね」


　ばふっ、と寝台に寝転びリリカは平常心を保てずにバタバタと足を動かした。
　嘘くさいっ！
　嘘くさい微笑みは好きじゃない。なのに、不意打ちでくらうとまるで一途に愛されていると信じてしまうほどに彼に翻弄される。
　いや、婚約者なのだからある程度は好かれている……伴侶として認められているとは思う。限りなく政略寄りの縁談ではあるけれど。
（わ、わたしだって、政略〔そう〕と納得して決めたクチですもの。こ、こここんなことで動揺なんていたしません！）
　ああ、もう！　頬が熱いわ。これを恋の病というのですか、あの馬鹿エロ王子っ！！　手、はやいっっ。

（やっぱり納得できません！！　おねえさまっ）

　　>>>「続・番いの帰郷についていく。」につづきます。