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裏表一体、日々のこと。
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 魔が……じゃなかった、間が空きましたが、「魔法使いはかく語りき」の小話です。
 一番最初の「魔法使いは~」の1年後くらいを想定したものになります。
 お妃様と魔法使いは、おっかけとアイドルくらいの距離感でしかお話できない、王様の心が狭いので(笑)。

 今日、仕事が休みだったので懐かしの昔のマンガを読んで、その後の話とか誰か二次創作とかしてないかな~とネットで検索してみたけれど、あんまりなくてガッカリしました。
 誰か書いてないものですかね~まあ、自分好みの後日談なんてなかなか難しいとは思いますが……自分で書くのもちょっと違う気がするからなあ。
 二次創作、書いている方はすごいなあと思います。私もたまに、こう書きたい熱にうかされることはあるんですけど(拍手に置いてる『ポポロ』みたいな)……大々的に出すのはいろいろ勇気とか事前調べとか必要な気がして手が出ない。
 この子たちを汚しちゃダメ! とか思っちゃうので。
 なので、自分で舞台とか設定決めちゃうオリジナルばかりになっちゃうワケです。
 最近はめっきり、創作意欲が枯渇しがちなんでオリジナルも書いてないですけど。
 読むのは好きですよ~ネット小説を読み漁っております。タダで読めるって素晴らしいっ。

 以下、「魔法使いはかく語りき」2。
 ナンバリングがおかしい、と思うんですが、他に思いつきませんでした。
 ちなみに、この生まれたばかりの赤ちゃんは大きくなったら……あっ! ネタバレ!!







―― 魔法使いはかく語りき2 ――

 バタン、と扉が開けられて王様は眉間に皺を寄せた。いつもより多い。
 そして、すぐそばに立つ魔法使いを親の仇みたいな目で睨んだ。
「私のせいじゃないですよ」
 とりあえず魔法使いは自らの潔白を主張してみた。
「解っている」
 憮然と王様は呟き、それでも睨むのはやめなかった。
 開け放たれた扉の向こうに立つお妃様の表情はピッカピカの笑み。
「ずっとお会いしたかった! 魔法使い様」
 殺気すら感じる王様の視線に耐えながら魔法使いは微笑んだ。
「お初にお目にかかります。お妃様……長くご挨拶にも伺わず失礼いたしました」
 ローブを纏った腕を拱手し、頭を下げる。
「イヤだわ! 畏まって! お噂はかねがね聞いていたわ、だからとても楽しみにしていたの!!」
「……そうですか」
 ああ、だから。
 と、魔法使いは納得した。
 王様と魔法使いは今日、お妃様と面会するつもりはなかった。というか、王様はどうしてもお妃様と魔法使いを会わせたくなかったようである。理由は言わずもがな、美形の魔法使いにお妃様が目を奪われるのが嫌なのだ。たとえ一瞬だとしても。
 しかし、先日生まれた二人の初めての赤子であるお姫様には国一番の魔法使いからの祝福が欠かせない。
 こっそりこの場を設けたはずの舞台に、虎視眈々狙っていた好奇心旺盛のお妃様は勘づいて悠々と乗り込んできた。
「本当に美人! キラっキラ! お噂の通りねっ、王様……ねぇ、王様?」
 王様に向かって同意を求めたお妃様はようやく王様のしかめっ面に気付いた。怪訝に見上げる。
 首を傾げて視線を周囲に彷徨わせ、魔法使いの方に向けて納得したように「あら」と笑った。
「イヤだわ、王様。気が早いわ!」
 お妃様の言葉に、王様も魔法使いも意味がわからなかった。まあ、通常運転である。
 王様の最愛のお妃様は、天然。
「姫はまだ赤ちゃんですもの、嫁に出すには早いわよ」
「………」
 お妃様の視線の先には、キャッキャッと魔法使いのローブを掴む赤子の姿。第一王女である彼女はいたく魔法使いのそれを気に入ったらしく、離そうとしない。ついでに基本、老若男女、生き物全般に好かれる魔法使いは赤子にも好かれる。ニコニコ顔でギュッと抱きつかれたりもよくする。
 今はまだ首もすわっていない赤子だが、大きくなれば確実に魔法使いに懐きそうな気配がある。
 ギッと睨まれた。
 もちろん、魔法使いが、王様に――である。
「嫁にはやらん!」
 呆れた。
「そんなつもりありませんよ、面倒くさい」
 はぁ、と深い吐息をついて、魔法使いは手早くローブを掴む彼女に祝福を授けた。キラキラとした粉雪のような粒が舞う。
 仕事は終わったとばかりに、「失礼します」と霞のごとく彼は姿を消した。


 後日、あのあと姫が泣いて大変だったと王様から恨み節を聞かされたが、魔法使いは半眼で聞き流した。


  >>>おわり。

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