鳴海広之の場合。天使の領分1

　「背徳の姫君・番外」下向き少女と隣の委員長の受験風味の年越し彼視点の第一回です。
　彼視点は短いです。というか、ほとんど年越し以降の話なので（笑）アレです。R部分が多いというかデスネ！
　比率の話ですけど。何気に彼女視点のR部分も多いデスヨ！！
　さすが、純情エロチカカップルですね。
　Rシーンは場所を選ぶので端折りますが、近々「隠れ家」にアップ予定です。
　近々って、いつやねん！　ってツッコミがありそうやけど……二月までにはアップしたいです、という程度です。すみませんm(__)m


　以下、「背徳の姫君」番外、天使の領分1。彼視点。
　委員長の心の内は結構切実なんですよ～。
　と同時に彼女視点よりも従妹のあの娘のことはスルーしてます。そんなモンですよねー？

――　背徳の姫君。～鳴海広之の場合・天使の領分1～　――

　隣の家に住む彼女、山辺志穂〔やまべ　しほ〕の従妹だという北見茉緒〔きたみ　まお〕という少女は志穂を美人にして頭を良くしたみたいな――志穂にパーツはどことなく似ているのに別人、そんな女の子だった。

　「わたしも一緒に勉強しちゃ……お邪魔ですか？」という茉緒の申し出を断らなかったのは、その方が自制がきくだろうという判断からだった。
　なにしろ、志穂は無意識に彼を誘うことがある。普段であれば、据え膳と思っていただくところではあるけれど流石に受験も間近に迫ってきたこの季節に誘われるままにいたすのはどうだろうか？
　彼女は特に器用な性質〔タチ〕ではないし（むしろ感心するほどの不器用。ある意味才能だな、と思う）、二つのことを同時にできる人間ではないのだ。
（ここは、彼氏として我慢するしかないよな）
　と、かなり苦しい決断を下した。
　クリスマスもバレンタインも、彼女との受験勉強に費やす。
　志穂にはそう伝えたけれど、この 男 としての苦渋の決断は黙っていた。
（――あえて言うような内容でも、ないしな）
　それに。
　それを伝えた時の彼女の反応を想像すれば……きっと、決意が揺らぐだろうと思えた。

　それなら、言わずに我慢するほうが楽じゃないか？　と。

　　>>>続きます。