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裏表一体、日々のこと。
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 お久しぶりです。年始の挨拶からですから……前回のブログをある意味、有言実行した感じです。かなりの遅刻ではありますが!
 今年の夏は暑いですね。去年も暑かったでしたっけ?
 忘れましたっ!!
 そんな感じで、むっちゃ熱いわーと思いながら、思い立ってパソコンの中で健やかな寝息をたてていた「魔法使いはかく語りき」の王様とお妃様のなれそめ、の王様バージョンを叩き起こすことにしました。
 書いたのは今年の初めです。最近、コレの小話をもう一つ書いたのでブログに載せようと思って、あれ? そういや王様サイドは載せたっけ? と気がついた次第です。

 書いた頃の私は、載せるには中途半端だと思ってやめたんだと思うのですが……発酵させるとそのあたりの羞恥心は薄れるのです。なので、厚顔無恥な所業も平気です。
 半年以上の音信不通ブログなので、覗きに来られている方も厳選された心の広い方だと信じています。どうぞ、生温かく見守ってください。

 以下、「王様とお妃様のなれそめ」王様サイド、前半。
 前半なので、明日くらいには後半を載せますよ~そのあと、もうひとつ小話載せます!







―― 王様とお妃様のなれそめ。side.王様(前) ――

 その日、王様こと王太子様は関所の兵士達に「なんで、こんなとこに来てんすか?」「お嫁さん選びするんでしょ?」「選び放題、うらやま!」などとからかわれながら、生温かい目で見られていた。
 王太子様としても、お妃選びは重要な役目だと思っているし、今後の国の運営にも関わってくる話なのでいくつかの希望は持っている。
 まず、我が儘ではないこと。贅沢ではないこと。できれば頭は悪くない方がいいし、顔もブサイクでない方が好もしい。スタイルは……まあ、見栄えもあるので太すぎず細すぎずがいいだろう。
 はっきり言って、好みという好みは王太子様にはなかった。
 あると言えば、父と母のような関係が築ければいいな、程度の観測くらいである。

「殿下、王太子殿下っ!」

 関所の兵士の一人が、やけに鼻息を荒くしてやってきた。
「なんだ?」
「めっちゃ可愛い子見つけました! お嫁さん、あの子にしてくださいっ」
「………」
 王太子様は呆れた。ぴょんぴょん跳ねてガショガショと鎧を鳴らした兵士は、森の方角からやってくる馬車のひとつを指さす。
 可愛い子だからと言って選べるワケでもないのに……と思いながら、王太子様はその馬車をジッと観察した。他の馬車よりも少しだけ小さな車体に、どこか木訥とした雰囲気の全体的に丸い造りになっている。
 馬もポニーに近い種類なのか、小柄だ。
 窓のカーテンは開いており、そこから小さな女の子が顔を覗かせている。
 好奇心にキラキラと目を輝かせた、妖精みたいな子だった。
 ガショガショと無骨な鎧姿の関所の兵士や、馬、建物を物珍しげに見ている。
 目が合った。否、そう思ったのは王太子様だけである。
 他の兵士と同じように全身鎧姿の彼では、彼女からどこに目があるかなど分かるはずもない。
 小窓から顔を覗かせた彼女は手を振り、「ご苦労様です、頑張ってくださいね」と笑って王太子様に声をかけてくれた。否、王太子様だけではない。その場にいた兵士全員に言ったのだ。
 彼女は馬車の奥にいる誰かに窘められたのか、そのあとは大人しく席に座っていた。
「はー、めっちゃ可愛い子だったでしょー? 殿下」
「………」
「癒しだなー、癒し。俺があの子の兄なら嫁には出さねぇ」
「………」
「確かに。殿下、あのチマチマしたお姫様もらってくださいよ。俺らの士気が上がるんで」
 アハハ! と彼らは笑ったが、王太子様はピクリとも笑わなかった。
 一文字に口を引き結び、こくりと頷いた。
「え?」
 その場にいた兵士全員が目を瞬いた。
「……殿下、いま、頷きました?」
 こくり、とまた彼は無言で頷いた。
「お、俺たちの要望は冗談ですよ? まあ、ちょっと本音も入ってはいますが」
 なぜかそれを言った兵士は王太子様にギッと睨まれ、舌打ちされた。
「気に入ったんですね?」
「気に入った」
「お嫁さんにするんですか?」
「する」
 段々と王太子様の変化を理解した兵士達はニヤニヤし始めた。

「はっはぁ! では、我らもご協力しましょう。
 まずはどこの姫かを、そこの関所で!」

   >>>続きます。

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