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裏表一体、日々のこと。
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 昨日に続き、今日も「魔法使いはかく語りき」の王様とお妃様のなれそめ、王様バージョンの小話の続きです。
 魔法使い、王様、お妃様……と名前を一切つけずにやっているお話ですが、いつまでこれで文章が書けるのか不安でもあります。現段階でも結構、ゴチャとした感じが拭えないのですが。
 王太子様とお姫様、王様とお妃様、過去と現在の呼び名の違いが区別しづらいし、読んでいるとごっちゃになりそうですよね!
 で、次に出す予定の小話では、王様とお妃様の赤ちゃんが登場します。さらに、呼び名がややこしいことに(遠い目)。
 長い話ではないのが、唯一の救い。というか、これは長い話向きではないお話なんですよねー。
 ちなみに、まだ何も書いてないのですが、王様とお妃様の閨の話も考え中です。
 初夜です! 前のめりで無口な王太子様と、何も分かっちゃいない天然培養なお姫様なんてイロイロ楽しそう。文章にすると納得いかない代物になるので、出来ない可能性もあります。
 その場合は、魔法使いがちょっとオロオロする話を考えます。

 以下、「王様とお妃様のなれそめ」王様サイド、後半。
 王様は単純素直な強面美男子設定、お妃様は清純素直な天然少女設定です。
 武闘派と天然の王道!







―― 王様とお妃様のなれそめ。side.王様(後) ――

 そんなワケで意中のお姫様のお国は(兵士達の異常なまでの盛り上がりにより)すぐに判明した。
 もともとが王太子様のお相手候補として呼ばれていただけあって、宴で彼女が給仕の侍女のようにセッセッと他のお姫様相手に甲斐甲斐しくウロチョロしていて捕まえるまでに一悶着あった以外は、障害など何もない。
 王太子様が、この姫を伴侶にすると決めればいいだけだった。
 当のお姫様はビックリしていたが、王太子様が納得しているのだから問題ない。
 それに、お姫様の年齢が少し結婚するには幼かったこともあり、婚約期間を二年程度設けたのも二人の仲を深めるには良かったと言える。
 何しろ、王太子様はお姫様に対しては言葉が少ない。普段から無口な方ではあるのだが、彼女に対しては特にひどい。ひどすぎる。じつは嫌ってんじゃないの? というレベルでひどかった。
 が。
 そんな彼も婚約期間中はお姫様と文通なるものをしていたので、最悪の誤解だけは免れた。
 お姫様もどうやら嫌われてはいないらしい、まあ好かれてるみたいだわ……程度の見識で文通を交わしていたようである。手紙なら無口なのも少し緩和されるらしい。王太子様の側近の涙ぐましい助言の成果とも言える。
 ある時の文通の内容を見るとこんな感じだ。
 お姫様が暖かくなって花がたくさん咲いて兄たちとピクニックに出かけた話を書いて、王太子様もどこか行かれましたか? みたいなことを尋ねれば、王太子様のお返事は行きました、どこどこの山には山賊がいて討伐してきました、安心して下さい。みたいなことを報告する内容になる。
 ……。
 …………。
 ………………助言は?
 とりあえず、二人の仲は良好だったようである。
 文通以外にも年に数回は互いに国を行き来し、言葉を二言三言交わしていたようである。ちなみにこの二言三言の内容はみなさんのご想像通りなので割愛させていただく。ただ一言、それは会話じゃねぇっ! と王太子様に側近が叫んだとか、叫んだとか。


 そんなこんなで。
 特に大きな出来事もなく、平穏な婚約期間を経て二人は無事結婚をした――。


「表向きは、ですよね? 王様」

 にっこり笑って魔法使いは王様に言った。
 あの頃、魔法使いは大忙しだった。主に、王太子と王太子妃のために日々奔走していた。
 大きな国の王太子だった王様の結婚は、近隣の国の政略的にも恋愛的な要素においても捨て置ける事情ではなかったのだ。王様からすれば放っておいてくれ、と大っぴらに苦情を出したいところだったが、今後のお付き合いもあるため秘密裏に対処した。
 秘密裏。
 魔法使いの領分であるその対応に、国一番と誉れ高い魔法使いはてんてこ舞いしたのだ。厭味の一つだって、ため息の一つだって吐きたくなる。あの2年間は重度の過労、魔法使いの労働基準局があったなら確実に訴えていただろう。
「大体愛想の欠片もなかった貴方が、妙に社交的になられたから余計に他国の姫君が燃え上がって大変だったんですよ。ずっと無愛想でいればいいものを……」
「………」
 眉間に皺を刻み不機嫌そうな顔で王様は黙り、不服にボソリと答える。
「心象は大切だ」
「お妃様のご家族への、ですね。はた迷惑な」
「重大なことだ! 私にとっては最重要事項なのだ!」
 力一杯宣言する。
 いまだもって、王様にとってお妃様の家族への心象というのは重要な問題らしかった。
「そうですか?」
 魔法使いは真剣な面持ちで頷く王様に目を眇め、(王様が思うほどあの家族は気にしちゃいなさそうですけどね)と諦観するしかなかった。

 結局、面倒な割りを喰うのはこの魔法使いなのである。やれやれ。

  >>>おわり。

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