ルーヴェの恋。

　昨日、「ハロウィン企画」を始めました。
　明日、残りのふたつめをアップ予定です。「夕焼け」のハロウィン・ネタ……目次に再録するかは、ビミョー。
　たぶん、「猫日和」のアレと一緒に私のフロッピーの中で、ひっそりと保存されるにとどまると思われます。

　で、「帝国恋愛秘話」のルーヴェ視点があるのですが……本宅の日誌で書いていたモノです。
　「しなやかに強く」の姉姫視点なので、ちょい痛い。そして、プラトニック系です。「しなやか～2」のあの場面があるので、際どいと言えば際どいですが。
　「うらキロ」では載せてないので、目新しいかな？　と思いつつ。
　冒頭だけ、載せてみます。
　反応があったら、ココで連載しようかと考えています。


――　ルーヴェの恋　――

　べつに、欲しかったワケじゃないけれど――誰だって、簡単だったんだもの。
　すべてを妹から奪うことなんて、容易〔たやす〕かった。
　父の信頼も母の愛情も友人の関心も、好きな人の心だってすぐにわたしに向けられる。
　最初、誰もが彼女を好きでもね。
　本当に簡単なのよ、分かる？
　だから、全部を奪ってもわたしが悪いワケじゃない。
　だって、それが普通なのよ。当然じゃない？



　十五歳の頃。
　ツゥエミールが従兄弟〔いとこ〕のサミューに憧れていることなんて、すぐに分かった。
　素直すぎる、というか。無防備というか、赤くなったり、どもったりしていたらすぐに分かるわよね。
　たぶん、サミューの方も結構好きだったんじゃないかしら……わたしがちょっと気のあるフリをしてみせたら、アッサリそんな気持ちは消えたみたいだけど。
　わたしとサミューがそういう仲になったと知ったツゥエミールは、ショックを受けたみたいだった。
　だけど、こういうコトにはあの妹〔こ〕――慣れているのよね。
　父や母や友人が、そうだったから。
　だから、諦めがいいの。かいがいしくわたしに仕えたりしてね――笑っちゃうわ。
　わたしがほんの少し、サミューとの話をすると唇を噛んで耐えるし、泣きそうな顔になる。
　それが、たまらなくわたしの心を高揚させるなんて、思わずに。
　本当は、そんなにサミューのこと好きじゃないんだけど。……でも、ツェムのこの顔を見れるならもう少し続けてみてもいいかしら？
　なんて、思っていた矢先だった。

　イフリア帝国の使者から、皇帝の「花嫁」として公式な形で招かれたのは―――。

　大陸の北。
　北方山国のストリミアから、イフリア帝国と言えば豊かな強国だった。
　特に現皇帝は戦場で「青い悪魔」とも呼ばれるほどの有名な若き冷酷王。
　縁組としては悪くない……むしろ、「良縁」であるとは言え、父も母もそれは心配そうにわたしを送り出した。
　でも、わたしは――ときめいていた。
　ツゥエミールを連れ立ってるから退屈はしないと思うし、何より、皇帝の噂に逢う前から深い恋に落ちていたから。

　　>>>続きます。

　以下、拍手＆メールへの返事です。
　一言が心に沁みる、今日この頃……拍手ありがとうございます。コメント、いつも創作の糧にしております。m(__)m

10/2
>0:03　拍手コメントさま。
　そうなんです。小槙さん、ついほだされちゃって……ヤツに甘い顔をしたらダメなんですけど。どうなっても、私は知りません。←ん？

10/3
>小鳥さん
　お久しぶりです～。「夕焼け」、ついにゴールも間近ですが……これから、ひと悶着ありそうです。輝晃のニヤケ顔なんて、そらもう垂れ流し状態に違いないです。
　今後の彼は、暴走列車です(笑)。さあ、ついて来れますか(^_^;)。
　こんなトコロでなんですが、小鳥さん連載お疲れさまでした！

>「ピアノ」のアンケートにて「ラ･カンパネルラ」に投票いただいた匿名さま。
　アンケートにご協力ありがとうございます。難曲と言われる「ラ･カンパネルラ」……この前、はじめてヴァイオリンのこの曲を耳にしました。
　ピアノとはまた違う、よい音色でした。
　アンケート終了しておりますが、私の中でシッカリと集計しております。ボタンを押してくださって、「ピアノ」を読んでくださって、本当にありがとうございます（*^▽^*）。