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裏表一体、日々のこと。
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 「夕焼け」本編4、第八回。
 ようやく、ひと段落……さてさて、早速ですが糖度は高めかと思います。しかし、ココではかなり抑え目に連載しますのでご安心くださいね。
 ロックで楽しみたい方は、目次にアップするまでしばしお待ちください。

 ってコトで、まずは「夕焼け」目次に本編4の前半部をアップしました。今回の話には、あまり反応がなかったので……テーマが重かったか? とちょっぴり心配になりつつ、軽くするワケにもいかなかったので仕方ないかと諦めています。
 後半は、甘く軽い二人のその後ですので、少しはマシかな……とやっぱりドキドキしています。
 そうそう、番外編の名前は「ランドセルとふゆのそら」で内定。前に悩んでいたタイトルとかなり、趣向が違うような気がしますが、内容は同じものを示しています(……深く、考えないでください。適当なんです(^^ゞ)。

 以下、「夕焼け」本編4-7。
 久々の彼登場、頑張った小槙さんにご褒美……ですかね(ビミョー)。



―― 夕焼けと机と教室と。~4-7~ ――

 小槙と泉所長が病室を出て廊下に出た時、追っかけるように祐介がやってきた。
「弁護士さん!」
 少年の言う「弁護士」が誰なのか、ボスはわかっていたから立ち止まらなかった。
 小槙は立ち止まると、首をかしげる。
「どうしたの?」
 めずらしくモジモジしている彼を不思議に思って、身を屈める。
 つい先ほどわんわんと泣いたせいで赤くはれた瞳は、しかし事務所で見た時よりも ずっと 幸せそうだった。それだけで、小槙は嬉しい。
 すると、彼は耳にコソコソと何事かを囁いた。
 そして。
「だから、自信もっていいから」
 と、今までで一番の輝くような笑顔で、絶句する小槙に手を振った。
 病室に戻っていく少年を見送って、「そんなんで自信持ってもなあ」とポツリと呟いた。

「そんなん、って何?」

 いきなり背後で響いた、いるはずのない声に小槙は固まった。
「なあ、聞いてる? 小槙」
 芸名・八縞ヒカルこと本名・馳輝晃は小槙の前に回りこみ、しゃがんだ彼女を見下ろした。
 自分も同じように足を折り、頬杖をつくと「なあ、なんで真っ赤なん? アイツに何言われたんや」と面白くなさそうに訊いた。

 そして、小槙はと言うと。

 「輝くん!」と目の前の彼に抱きついていた。


     *** ***


 連行されるように、輝晃に野田の運転する車の後部座席に乗せられた小槙は慌てた。
「輝くん、待って! わたし、まだ仕事の途中やし」
「所長には連絡済みやし、了承ももらってる。小槙、最近休んでないんやろ? 休ませてやってくれって頼まれたわ」
「……そんなこと、あらへん」
 と、反論しながら小槙は自分の方が分が悪いことを自覚していた。
 輝晃のことを考えないために、仕事に没頭していたのは、確かだ。
「忙しかっただけやもん」
「そうか。まあ、小槙が元気やったら俺はええけど……忙しかった仕事って、あの先刻〔さっき〕の男の子のこと?」
「うん。証人も現れたし、あの子のお父さん重い罪にはならんと思う」
 心から嬉しそうに言って、小槙は隣の輝晃をうかがう。
「輝くんは? 仕事、忙しいんやないの?」
 前の運転席でステアリングを操るマネージャー・野田を心配そうに見つめた。
 野田はフロントミラーで笑いかけ、小槙を安心させようと答えた。
「今日は、ひとつ撮影の予定がキャンセルになったんで時間が空いたんですよ」
「そういうこと。だから、安心してよ」
「……じゃあ、まだ忙しいんやね」
 しゅん、とうなだれる小槙を輝晃は抱きしめたいと思った。
 しかし、ここには野田がいるし……もちろん、野田がいても抱きしめたい時は抱きしめるが……今日はたぶん、きっと自分の歯止めがきかない。
 マネージャーの目がある中、小槙を押し倒すワケにはいかなかった。
( 野田さん、邪魔やな )
 と、輝晃が思っているのを気づいているのか、野田は輝晃のマンションまで送ると「明日の朝、六時半に迎えに来ますから」と言い置いて、帰っていった。

  >>>続きます。

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