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裏表一体、日々のこと。
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 拍手で、嬉しいとのお言葉をいただいたので、「ルーヴェの恋」連載決定です。
 一度、表の「アキキロ」の方で書いた話なので、全年齢向けとなっています。個人的には、姉妃×護衛騎士……の出会いの場面が一番書きたくて。
 そして、それ以降の彼ら二人の関係を想像するのが、とっても楽しい。いいよー、この関係。
 私、ダイスキー。
 誰か、こういうの書かないかしらー?←自分で書こうとは思わないらしい。

 来年年明けには、「帝国恋愛秘話」のどこかに「離れページ」へのリンクを作ろうと考えています。
 もともと、表の「王宮小説」の関係でアドレス請求制にしていた部屋で……現在、本編の最終章手前で止まってるんですが。
 年内には、その最終章をアップ……する予定。というか、出来たらこの一週間以内にアップしたいと思っています。
 内容は、全年齢向けで……「帝国恋愛秘話」の本筋・大元のネタとなる話です。
 双子妃と俺様皇帝の子どもと孫が中心(特に孫)です。
 隠しページっぽくする予定なんで、興味のある方だけ覚えていただけたら……と思います(^^ゞ。

 以下、「ルーヴェの恋」。前回のが、序章。
 今日から、「夕焼け」の番外とローテーションで回していきます。まずは、第一話。
 「しなやかに強く1」を参考文献にどうぞ(笑)♪




―― ルーヴェの恋。1 ――

 玉座に座る彼を、なんと表現したらいいだろう。
 イフリア帝国、皇帝・レイドイーグはわたしの外見には関心がないらしく片眉を心持あげて形式的な社交辞令を述べると、試すように笑った。
 緩慢にいながら、隙のないその動き。
「ほう、噂ね――それは、どのような噂か。戦場の悪魔か政情のペテン師か?」
 透き通った氷のようでいてひどく心をかみ乱す青の、強い眼差しが、神々しい金の髪の間からのぞいた。
 品定めされるのには慣れているけれど、こんなにも緊張したのは……自分でも理解できなかった。ただ、分かる。
「 欲しい! 」
 思わず口に出た言葉に、そばに仕えていたツゥエミールがビクリと震えた。
 本人は隠しているつもりでも、わたしにはすぐに分かる。
 彼女が玉座に座る皇帝を、気にしていることくらいは――。
 それは、単に憧れかもしれないし……もっとささやかな畏敬の念だったのかもしれないけれど、わたしにはどっちでも構わないことだった。

 屈辱に慣れたツゥエミールがそれでも、傷つく姿はわたしには甘いお菓子のようなモノ。
 だから――。
 ツゥエミールが皇帝との謁見の席になかなか出席をしなかったのには、苛立った。
「あなたには絶対ついてきてと言っておいたハズよ、どうして客室〔ここ〕に?」

「――いえ、わたしなどお邪魔になるだけですもの。そんな無粋なことはできません」

 馬鹿なこと!
 レイドイーグの反応が思うように転ばないのは、きっと比べる対象がいないから……あの妹〔こ〕がいれば、もっとわたしを見てくれる。
 今までの、男たちと同じように。
 そう思っていたのに―――ようやく、ツゥエミールが同席した謁見で暴漢が乱入してきた時に思わぬ言葉を聞く。
「 ツゥエミール! 」
 暴漢に捕らえられた妹に投げた、皇帝のまるで別人のような切迫した声。
 そして、それに応える妹の……誘うような眼差し。
 屈辱だった。
 その瞬間、わたしにはすべてが解かったような気がした。
 どうして、ツェムが謁見の同席を拒んだか。
 皇帝が、なぜ自分になびいてこないのか。
「 ……… 」
 笑みが浮かんだ。くすくすと低く、喉をふるわせる。
 強固な自分のプライドが、思いつきを否定する。

(――ううん、そんな馬鹿なハズがないわ。わたしよりも ツェム を選ぶなんて、きっと 何かの 間違い よ)

 この時、わたしは気づかなかった。
 自分の強すぎるプライドが何を護っていたのか―――なんて。

  >>>続きます。

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