夕焼けと机と教室と。4-4

　「夕焼け」本編4、第五回。

　昨日、書こうと思っていて忘れていた業務連絡がありました。
　「Treasure」にフリー配布だった作品をお二方から持ち帰り、アップしました。その際に、ずーっと考えていた「Treasure」メインページの構成を変更。バナーリンクをメインページに移して、引っ越しをされても処置がすぐにできるように変えてみました。
　決して、私が横着だとかいうワケではなく！
　素早い対応を心がけているためです。数が多くなると、忘れがちなので……バナー直リンクの場合は、それでも気をつけないとダメだけど。
　もし、リンクミスとかデッドリンクとか発見されましたら、コソリとご報告ください。
　よろしくお願いします。m(__)m

　以下、「夕焼け」本編4-4。
　このあたりは、サクサクと連載しないとな～と思い立ちまして、昨日の今日で載せています。
　私ってヤツは、悪役を作るのがすこぶる苦手なんですよね。
　とことん悪役にするなら、そいつを主人公にして書きたいくらいです（←常日頃そんなことを考えています）！

――　夕焼けと机と教室と。～4-4～　――

　彼がここにいる理由は、小槙には痛いほど解かった。
「祐介くん」
　ビクッ、と肩をふるわせた彼は小槙の方を見ずに一呼吸を置いた。
「なんだ、役立たずの弁護士さんか――なんか用？」
　顔を上げる生意気な表情は、小槙には小さな獣の子どものような印象だった。何かを必死に守ろうとしている。
「祐介くん、わたしが頼りないからだね……ごめんね」
「！　うぬぼれんなっ」
　少し動揺した祐介は、困ったように睨むと慌てたように電信柱に隠れる。
「？　どうしたの？」
「わっ！　バカ。声を出すなっ」
　と、自分の方がよほど大きな声で小槙を叱咤した。
　祐介の目が交差点を向いているのを確認して、小槙はそこに手を合わせる中年の女性の姿を見つけた。
「あの人がどうかしたの？」
　ニブイ女だな、と祐介は憮然と小槙を仰いだ。
「あのオンナ、毎日ここに来てるんだ。アヤシイ、と思ってさ……よく言うだろ？　犯人は現場にもどるって」
「……犯人って」
　小槙は至極、真面目な少年の言い分に（それはないと思う）と心中で呟いた。
「きっと、アイツと共犯なんだ！」
「……祐介くん」
　アイツ、というのは祐介の父親が信号無視をしたと証言している被害者の彼・榊真人である。
　共犯、というのは荒唐無稽だが……小槙は頷いて祐介に言った。

「　わかったわ。祐介くん、一緒においで　」



　すみません、と小槙が声をかけると、手を合わせいた彼女はハッと顔を上げた。
　名刺を差し出して、「弁護士をしています」と頭を下げる。
「ここで遭った事故について、二三お訊きしたいのですが……よろしいでしょうか？」
「え……あの。いえ、わたしは何も――」
　と、彼女は首を振る。
「何でもいいんです、何か……見てはいませんか？」

　　>>>続きます。