背徳・番外。山辺志穂-たとえれば「彼女」だからの考察1

　「背徳・番外」の下向き彼女視点の前編です。
　季節は秋～冬の文化祭後です。次の場面では、一気に卒業シーズンです（笑）。

　どうでもいい私事ですが、昨日衝動的に動画・音声のダウンロード用ソフトなどインストールして、早速ダウンロードしてパソコンに入れました。
　ゲーム・ポポロのエンディング曲とか……昔のアニソンとかね（遠い目）。
　振り返ると、ちょっと情けないな。他に聴きたいのないのかと(^^ゞ
　でも、歌詞がすっごくいいんだよねー。
　ポポロなんて、泣けるよ！
　よしよし、さっそく妄想のネタにします。
　ピエトロはマザコンだなあ！　と再確認しつつ、ナルシアにベタ惚れなのね。
　微笑ましい（←１０歳の子どもの頃の歌詞だから許容範囲内）。

　以下、「背徳の姫君・番外」たとえれば「彼女」だからの考察（前編）。
　そういう展開もアリかと思います。

――　背徳の姫君。番外～山辺志穂の場合‐たとえれば「彼女」だからの考察1～　――

　その人からは、あからさまな嫌悪を感じた。

　――隣の家に住む鳴海広之〔なるみ　ひろゆき〕と付き合い始めてからは、女の子からそんな目で見られるのは むしろ よくあるコトだったから、山辺志穂〔やまべ　しほ〕は落ちこみはしたけれど仕方ないなと受け入れるしかなかった。
　それだけ、広之と自分が見合っていないのは確かだし、時々自分でも不思議に思うことがある。
　どうして、彼に好きになってもらえたのかな？
　と。
　よくよく考えても、思い当たるフシは見当たらない。体の相性がいい、というのは……否定できないけれど、だからと言って肯定も不可能だ。
　比べようがない。志穂は 彼 しか知らないから……。
　もしも広之が知ったら、烈火の如く怒りそうなことを真剣に悩む。
　しかし、その彼自身が明確な答えを持っていないらしい、ということが（一応）彼女である志穂からすると まったく 自信を持てない一因なのだ。
　大事にされているし、好かれているのだろうとは感じるけれど……それは、彼の、面倒見のいい性格から生じた庇護欲の延長のような気もして不安になる。
『志穂のそういうところ、嫌い』
　広之が志穂のウジウジとした性格を嫌っているのはよく知っている。
　ショックではあるが、好かれていると考えるよりずっと納得できるあたり彼女としてどうかと思う。

　キビキビとした動きで去っていく後ろ姿を見送りながら、（佐々宮さんも鳴海くんが好きなのかなあ？）とぼんやりと考えた。
　ちょっと、悲しい。
　だって、憧れてたんだもん。
　女子バスケ部の元部長で才女と誉れ高い佐々宮菜摘〔ささみや　なつみ〕は、男子からの評価よりもどちらかと言うと女子からの人気の方が高い。
　演劇部の男役で取り巻きのいる二年の安藤絵里〔あんどう　えり〕と校内の女子人気を二分する「カッコいい」女の子で有名だった。
（嫌われるなんて……慣れてるけど、慣れてないのに。ね）
　はぁ、と情けないため息が志穂の口からついて出る。


　彼女の、自分に対する嫌悪はなんとなく「彼」の持つ雰囲気に よく 似ていたからかも……しれない。

　　>>>続きます。