忍者ブログ
裏表一体、日々のこと。
[778]  [777]  [776]  [775]  [774]  [773]  [772]  [771]  [770]  [769]  [768
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 「背徳の姫君・番外」の下向き少女と隣の委員長の、クリスマス~年越しにかけての受験風味番外です。
 どれくらい続くか、は四回か五回くらいです。たぶん。
 そして、おそらくは彼視点も書く予定です。おまけもつくかな? 今回はメインのエピソード内にR18が入るので、おまけは後日談のタネ明かしみたいなモノですが(^^ゞ

 本日はクリスマス・イブ。もうすぐ、クリスマスになりますね?
 みなさま、メリークリスマス!
 よき夜となりますように★

 以下、「背徳の姫君」番外、天使の領分1。彼女視点。
 さて、どういう話になりますか……甘くはないのは、仕方ない。




―― 背徳の姫君。~山辺志穂の場合・天使の領分1~ ――

 二学期の終業式が終わったその日に家に戻ると、その娘〔こ〕は天使みたいに微笑んで山辺志穂〔やまべ しほ〕を出迎えた。
「お帰りなさい、志穂さん。北見茉緒〔きたみ まお〕です」
 サラサラの黒髪と、知的な瞳。
 お世話になります、と笑った人懐っこい片えくぼの笑顔に元来、人見知りの激しい志穂も思わず自然に「ただいま、です」と応えてしまったくらい。
 志穂とそんなに年は変わらないだろう、と思っていたが、聞けば中学三年生のこちらも受験生だという。
 相手の方が年下、しかも三年も! という事実に驚き、少なからず落ち込んだ。
 どう見ても、彼女の方が大人びて見えるし、可愛い。
 そして頭が良さそうだった。
 呆然となっている志穂に、後ろにいた隣の家に住む幼馴染で志穂には出来すぎたシッカリ者の彼氏である鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕が呆れたように促す。
「いつまで突っ立ってんの? 早く上がれよ、自分の家だろ」
「う、うん。ごめんなさい……」
 わたわたと靴を脱ぐ志穂をよそに、彼ら二人は「はじめまして」とじつにスムーズな自己紹介をして見せる。
「鳴海さんって、志穂さんの彼氏さんですよね? わあ! お話の通りカッコいいですっ」
 志穂さんすごいっ、と目を爛々と輝かせて称賛する彼女は、確かに中学三年生らしい興奮した表情で志穂を見る。
「どうやってこんな素敵な人捕まえたんですか?」
 と、興味津々と訊いてきた。けれど、そんなことは志穂だって知りたい。
 どうして広之が自分と付き合ってくれたのか、なんて世界七不思議にだって入るだろう難問だ。解かっていれば落ちこむこともきっと少なくなるだろう。
「えっと……さあ? 隣に住んでるから、かな?」
「ばぁか」
 ごん、と痛くはないけれど、後頭部を小突かれ振り返れば怒った目とぶつかった。
「誰が、そんな理由で付き合うかよ」
「……ですよね」
 うーん、でも、他に理由が思い浮かばないんだもん。
 なんで?
(鳴海くんは、わたしのどこを好きになってくれたのかな?)
「 うん、わかりました 」
「うえっ?!」
 あまりにあっさり彼女が納得したので、驚く。な、何がわかったの??
「志穂さん、ボケボケー」
「がーん」
 くすくす笑ったかと思うと、彼女はケラケラと声を上げて(こういうコトなんでしょ?)とばかりに広之を見た。
 それに、応えるみたいに彼も彼女を見たから、志穂は居たたまれない。
(ううっ、鳴海くんとアイコンタクト……わたしだって、したいのに)
 できないことは知っているけれど、目の前でされればしたくなる。
 ジーッと凝視していると手を引かれ、「ホラ、ぼんやりしてないで勉強するぞ」と二階に連行される。
(ち、がーうっ! いや、勉強が受験生〔わたし〕の本分ではあるんですけどね……)
 しかも、彼は自分の受験勉強もあるのに志穂の勉強にまで付き合ってくれている、じつによくできた人である。
「志穂さん」
 後ろをついてきていた彼女が意味深に目配せして、「わたしも一緒に勉強しちゃ……お邪魔ですか?」と訊いた。

  >>>続きます。

拍手[6回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
うちのダンナはクリスマスにはローストチキンを焼き、正月のおせちを「作りたい」人です、自分で(苦笑)片付けはしない人なので、台所でゴタゴタされるのは主婦の私としては勘弁してほしい。ケンタッキーのパックでお気楽なクリスマスをしたい私は贅沢なんでしょうねぇ。作る手間も片付けもなしってのが主婦の理想。ちなみにおせち料理は妻子には不評。お重に詰めて喜ぶのはダンナのみ。毎年残った料理を生ゴミとして処分するのは私。お雑煮もダンナの仕事です(笑)
勉強をみてくれる彼氏。こんな彼氏が欲しかったよ~とまたまた思った私です(笑)鳴海くんのSなところは志穂ちゃん限定で(爆)甘いとこだけが欲しい!(笑)
mimana 2011/12/27(Tue)17:06:42 編集
えー?
作りたい、性分の旦那様なんて理想っぽいのに不評なんですね。残念。
台所でゴタゴタされるのは確かに奥様には面倒この上ないかもしれません……なかなか難しいものですね。
勉強をみてくれる彼氏、私も欲しかったなあ。鳴海くんは私の理想とする彼氏(苦笑)なので当然なんですが、S部分は確かにあまり当事者になりたくない。だ、大丈夫です。志穂ちゃん以外には公正に優しい彼なので、きっと優しく教えてくれますよ(←彼氏設定はどこに?)!
【2011/12/30 21:06】
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
新・アンケート開催中
「機械戦隊スイハンジャー」メンバー募集中!
「うらキロ」発「龍の血族」にて、朱美さんが心酔している特撮モノのメンバーを募集しています。コレこそ! 「機械戦隊」だ!! という家電製品に投票ください(笑)。ちなみに、「スイハンジャー」は確定です。

いつでもあったか「電気ポット」
日本の冬と言えば「こたつ」
日本の夏と言えば「扇風機」
三種の神器のひとつ「電子レンジ」
同じく、「テレビ」
そのほか、家電はコレだ!


結果だけをみる
カレンダー
04 2024/05 06
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
こんなん生息中。
HN:
なお
性別:
女性
住所:
大阪府
職業:
たぶん、そのうち無色。
趣味:
主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
自己紹介:
恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
新しい日々
こめんと
2013 / 05 / 21 ( Tue ) 21 : 48 : 28
2012 / 02 / 22 ( Wed ) 00 : 16 : 32
2012 / 01 / 20 ( Fri ) 13 : 02 : 04
2012 / 01 / 15 ( Sun ) 22 : 53 : 05
2012 / 01 / 12 ( Thu ) 23 : 03 : 07
ブログ内検索
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI