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裏表一体、日々のこと。
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 「夕焼け」むすんでひらいて、最終場面。
 なんつーか、この頃が一番ラブラブしてて幸せそうですね……あー、なんか無用にアテられる感じなので、すっ飛ばしてもいいかなーとか(←現在、五月病っぽい精神状態^^;)。
 人の言うことをなんでもマイナスに考えちゃイカンですが、考え出したら切り捨てられないのです。しくしく。
 人間関係は、厄介だなあとこういう時に思うワケで……うん、気にしない方向で軌道修正しつつ、こうポジティブな方向に動ける何かを企画したいなあ、と自分の中で企画キャンペーン中です。←なんだ、それは。

 って、コトで。
 現在、脳内では「~越し」というシチュエーションでイロイロ設定を模索しています。教室のイメージとオフィスのイメージの二つがあるので、短編か中編で設定萌え(笑)しそうなヤツを二種類作れたらなあと思っています。脳内劇場で終わりそうな企画ですが。
 いいの、私のネガティブな思考をポジティブに変えるためだけの企画だから! 脳内発酵で終わっても全然オッケーなの!!
 ちなみに、「~越し」の候補としては、「窓(あるいは、ガラス)越し」「壁越し」「鏡越し」「背中越し」「カーテン越し」「眼鏡越し」などなどです。「~越し」って結構、シチュエーションとしてはモエモエしますな(←私だけ?)。
 で、その「~越し」の後ろに単語をつけて、「窓越しの出会い」とか「鏡越しのキス」とかで、さらに度数を高くするのです(笑)。
 こう、ぼんやりとした理想のカップルイメージはあるのですが……まだ、曇りガラス越しで輪郭がハッキリしません。
 早く、このイメージを固めてしまいたいのにーっ! そして、脳内で発酵させてやるーっ!!

 以下、「夕焼け」本編5、番外「むすんでひらいて」4。
 年齢制限部分は編集しました。
 この二人はやっぱり、関西で●を挙げるのかなあ? と思いつつ……ストックがなくなったので、しばらく動きはないと思われます(^^ゞ



―― 夕焼けと机と教室と。~むすんでひらいて4~ ――

 夜の道場の真ん中に二人は立って、礼の型をとる。

「輝くん……」
 彼の背中に呼びかけて、小槙は泣きそうになった。今生の別れでもないのに、後悔が渦巻く。
(ちゃんと、目を合わせて「待ってた」って、「勝ってな」って言えばよかった)
 負けたって、本当は構わないけれど……小槙が選ぶのは 結局 同じ人なのだから。
「輝晃くん!」
 旭に左の襟を掴まれた輝晃は、苦戦を強いられていた。もともと輝晃には柔道の経験はなかったし、二十年のキャリアを持つ旭に勝つのは至難の技だ。
 それでも、この一ヶ月で技を凌ぐだけの勉強はしてきたらしい。防御に関してはほぼ互角、しかし攻撃を仕掛けるのは旭の方が遥かに上手い。
 攻撃を仕掛ける瞬間にわずかに生じる隙が、命とりになる。
 道場に響いた一本背負いの音に、小槙が駆け寄った。
「輝晃くん!」
 彼は荒く息をしていた。
「あー、悪い。負けて、しもうた」
 大の字に転んだ輝晃の上半身に抱きつき、小槙は首を振る。なんとか体を持ち上げて顔をしかめた輝晃は、同様に彼女の背中に立って息をつく旭に目をやった。
「ええ。お兄ちゃんの許しは貰わんでも……ええねん。わたしは、輝晃くんと、結婚する」
 ギュッ、と輝晃の腕が力をこめて彼女を抱きしめた。
「ホンマに?」
「ホンマに」
「ウソやない?」
「ウソやないっ」
 目を見つめ合って確認し合う二人に、背後の旭が「おいこら」と声を荒げた。
「誰も認めんとは、言うてへんやろ!」
「え?」
 小槙がビックリしたように顔を上げる。
 ふん、と鼻息をついて旭は腕を組んだ。
「まあ、素人のクセに強かったし……小槙に対しても真剣らしいからな。しゃーないやろ」
 小槙がいい、と言っているものを無理から反対しても仕方がない。
「今更やけど、祝ったるわ」
「お兄ちゃん……」
 うるうる、となった小槙の肩を輝晃が押さえ、「そら、どうも」と微笑んだ。
「お義兄〔にい〕さん」
「まだ、義兄〔あに〕ちゃうわ! ……おまえ、俺の袖を取りにくるなんざ、百年早いねん」
「次は、取りますから覚悟してください」
 相変わらずの挑戦的な眼差しに、旭は片眉を吊り上げて「いつでもかかってこいや」と背中を向けた。そうして、道場の出入り口に手をかけると忠告するように「今日は 家に 帰せよ」と言った。


     *** ***


 結納の日。と言っても、格式ばったものではなかった。
 形程度の結納品と日取り決めで双方の親が揃い、結婚までの準備を話し合っていくのだが……仲人も頼む気がないらしい輝晃は勝手に式場まで決めていた。
「なっ、なんで?!」
 その式場のパンフレットを示されて、小槙は愕然とした。
 いま流行りの式場は彼女も憧れていたカトリック系の教会で、オシャレなガーデン・ウェディングができると有名なところだった。が、もちろんそれだけ人気があるワケで通常一年程度は予約でいっぱいという「超」がつくレアプレイスなのだ。
「予約したって……どうやって?」
 その場所を 今年 の 十月大安 に予約した、というのだから小槙が抱く疑問当然 だった。
「どうやって、って電話で普通に取ったで? そうや、今度一緒に見に行こか?」
 俺も一度行ったきりやし、と輝晃は平然と誘う。
「見に行くのはええけど……つーか、行きたいし。それより、電話でってココ、むっちゃ取れにくいって聞いたで? 嘘やろ」
「嘘やないって。ちゃんと、電話で、去年のうちに取ったから」
 ニッコリ、とこれまた見事な爆弾発言を投下して、輝晃は小槙を驚かせた。


 傍から見ると、微笑ましい(?)ばかりの二人の会話に双方の母親は「まあまあ」と顔を見合わせ、小槙の父親と兄は寡黙に徹し熱いお茶をすすった。
 奥手な彼女には、これくらい積極的な彼でちょうどいい……のかも、しれない。

 外は、もう梅雨だというのによく晴れていた。

   >>>おわり。

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