せいなるまほろば。1

　まずは、更新しました。
　と言っても、「春企画」だった話をアップしただけですがっ。
　この「ピアノ」の話には続きの「その後」話が小さくあったりします。そのうちに機会をみて「拍手」にでも載せようかと思っています。
　現在は、「陽だまり」が拍手スペースを占領しているので（笑）、載せる余地がありません。
　おまけページも「龍」の二人がいるしな～どちらを退かせるべきかと悩んでおります。

　で。
　そんな拍手ページから弾きだされた感じの話が「せいなるまほろば」プロローグです。
　昨日、タイトルが決まってそこからのイメージで忘れないうちに……とメモ程度に書いてみました。
　今回の舞台は、「国教会」がメインの予定ですが、出だしはココからだったりします。うーん、ホラ、一応この二人は血が繋がってるからさあ。
　時間枠としては、「小さき花」の少し前（一ヶ月か二ヶ月？）から始まっておりますが、すぐに追い越します。
　この頃、結構不穏な動きがいっぱいなのよねえ？

　以下、「せいなるまほろば」1。
　「夕焼け」更新が滞っててゴメンナサイ(>▲<)！
　明日、目次に「上京物語」をアップしてから、ここの連載分も載せますね～お待ちになっておりましたら、もうしばらく我慢してくださいっ。

――　せいなるまほろば。1　――

　馬車から降り立ったアリアナに、出迎えたイフリア皇帝が訊いた。
「久方ぶりの娑婆〔シャバ〕の空気はどうですか？　姉上」
　とても、一国の王が口にするべき言葉ではないが、周囲にいる大臣卿たちはそれをあたかも、「また始まった」とばかりに静かに眺めている。
「皇帝陛下……王宮内では不問にいたしますが、外ではいささか言葉を選ばれますように」
「解かっている」
　うるさいヤツだな、と眩い金髪と澄んだ青の瞳の刃のような引き締まった美貌が、唯一諭してきた医学卿のおだやかな微笑みを睨みつけた。
　くつくつとそのやりとりにアリアナは笑い、仰け反って喉を鳴らす。

「まったくもって、心地いい」

　輝く金の髪を聖女然と靡かせて微笑むと、澄んだ青の瞳はふわりと妖艶さを漂わせた。
「我が家とは、こうも居心地のいい場所だったか？」
　遠く昔を思い浮かべて、アリアナは長い月日が流れたのだと今更ながらに思い至った。

　　>>>続きます。