魔王子とメイド、のエトセトラ。(後編)

　魔王子とメイドの続編。魔王子とメイド、のエトセトラ。彼女視点の後編です。
　前編の時にも書きましたが、少し描写が際どいので……続きを覗かれる方は、どうぞご注意ください。
　まだまだ甘いわ、と思う描写だと私は勝手に思ってます（苦笑）。
　いや、魔族同士ならもっと、こう……奔放にしてもいいような気が……ごにょごにょ。
　そういう程度なので、過剰な期待は無用ですヨ！

　近況……というか、使ってらっしゃる方はもう使ってらっしゃると思うのですが。
　メインブラウザ（←うちで入っているのは一つだけ！）がIE10になりました。
　で、改めてうちのサイトは、面倒くさいことになっていることを確認しました。何気に外部読み込みのスタイルシートを使っているため、何もしないとページのレイアウトが微妙に崩れています。
　IEの互換表示ボタンを押したらちゃんと修正してくれますが……グーグルのクロームとかファイアーフォックスを使って見ている方は、たぶん崩れたままです。あはは！
　少し醜いだけではあるんですが（←私が見て回った感じ）、崩れない崩れても醜くならないシンプルなデザインのページを目標に、サイトデザインを変えようかと思っています。
　地道な作業になるので、まずはトップと各作品の目次ページあたりから考えます。

　以下、「魔王子とメイド、のエトセトラ」後編。
　彼女が気を失った直後のことは、魔王子視点で……ってコトで、今回は前の場面から少し時間が流れています。イチャイチャしてます、ご注意くださいm(_ _)m

――　魔王子とメイド、のエトセトラ。後編　――

　目を覚ました時、ルルゥの体はズクン！　と派手に軋んだ。主に背中、そして後頭部と額にも痛みを感じる。ズキズキするそれに「あう、いたい……」と呻いて、寝返りをうてば背後から背中をさする手のひらが訊いてきた。
「大丈夫か？」
「ひう！？　き、キラさま？」
　どうして？　と慌てて振り返り、激痛に悶える。痛みがある、という現実にここが死後の世界でないことは明白だが……キラがそばにいる事実は夢のようだ。
　そうして、自分が横になっている寝台が簡素なメイド部屋のものではなく、豪奢で上等の部類に入る代物であることにようやく気付く。どうりで、フカフカなはずだ。
「夢、かあ……」
「おまえの脳内には 夢オチ〔それ〕 しかないのか？　呆れたな」
「うーん？　夢なのに 全然 甘くないなんて。さっすが、キラさま」
　うっとり、とその凜々しくも苦々しく歪められた顔を眺めれば、「まあ、いい」とじつに凶暴な笑顔で眼前に迫る。
「キラさま、近いです。死んでしまいますっ！」
　真っ赤になって、ルルゥは離れようとする。夢とは言え、憧れの王子に息がかかるほど迫られれば心臓が止まる。いつも彼にキスされているとは言っても、関係ないんだってばっっ！
　痛い体を動かすのは、難しい。魔力の少ない彼女は治癒力も低く、本来人間よりもずっと回復力があるはずなのに、魔族のくせに人間並みに遅かった。
　抵抗する動きも不自然にしか動かず、すぐに寝台に押しつけられる。
「痛いか？」
　訊かれ、コクコクと頷くと口づけが降りてくる。
「き、ら……さま」
「夢なら夢と思っておけ。死なさず、可愛がってやる」
「………？」
　慣らされたキスにぼぅとなり霞んだ視界には熱を孕んだ紅の眼差しが意地悪く細められ、背中を這う腕が優しく動いた。
　魔力を分け与えながらの治癒行為に（あれ？）と思いながらも、裸になって（されて？）、違う痛みを伴った下肢の感触に夢じゃナイ！　と混乱する。そう目を見開いたところで、体の動きを止めることは叶わなかった。

（いたい、痛いっ！）

　「痛いか？」と先に訊かれたのと同じことを別の意味で尋ねられ、同じようにコクコクと涙目で頷くしかなくルルゥは痛みと快楽にハァハァと喘いだ。

（初めて、なんだもん。すごく、痛いよ……でも）

　寝台の上で耐えながら、（よかったぁ）とも思う。
　キラに彼女たちを紹介しなくて……これも専属メイドの 仕事 なら、他人に譲りたくは（絶対に！）ないもの。

　　>>>おわり。