裏表一体、日々のこと。
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「魔喰いの森のお人好し」その後、小話。魔王子来訪編です。
この二人の会話は、書いているとテンションの上がる感じです。真っ向から反発しあっている、似たもの同士ですね。同類嫌悪とも言う。
いい加減、サイトの更新をしたい所存です。
年も明けきっているのに、いまだに12月とか日付あるんですけど! ……うん、まあ、何も目新しいことしてないから更新できない、が正解。ここは、何をネタに更新したフリをするかです(悪い人風笑顔)。
サイトのデザインを変える労力はないですが、そろそろ変えたいとも思っています。コチラはたぶん思ってるだけで行動はしないでしょう。
以下、「魔喰いの森のお人好し」魔王子の来訪。
次回はその後、です。魔王子の彼は、このあとメイドさんを可愛がるんでしょうね!
この二人の会話は、書いているとテンションの上がる感じです。真っ向から反発しあっている、似たもの同士ですね。同類嫌悪とも言う。
いい加減、サイトの更新をしたい所存です。
年も明けきっているのに、いまだに12月とか日付あるんですけど! ……うん、まあ、何も目新しいことしてないから更新できない、が正解。ここは、何をネタに更新したフリをするかです(悪い人風笑顔)。
サイトのデザインを変える労力はないですが、そろそろ変えたいとも思っています。コチラはたぶん思ってるだけで行動はしないでしょう。
以下、「魔喰いの森のお人好し」魔王子の来訪。
次回はその後、です。魔王子の彼は、このあとメイドさんを可愛がるんでしょうね!
―― 魔喰いの森のお人好し。魔王子の来訪 ――
その日、森全体がザワザワと騒がしかった。
もともと、あまり来る者のない場所なだけに相手の気配を感ずる能力は高い。その者が、不機嫌か否かもなんとなくわかる。野生の勘、というヤツだ。
植物も獣も、妖精や精霊もその者の存在に気づいて、息を殺して見守る。
彼が目指したのは、森の奥深くにある屋敷だ。
ドォン!
と、屋敷に入ってすぐ、苛立ちを孕んだ気が激しく震えた。
近くの木々にとまっていた鳥たちが一斉に怯えて、バサバサと飛び立つ。
『ナンダ、ナンダ?』
『キラ様ヲ、怒ラセタ……』
一体、ダレガ?
と、互いに顔を見合わせてゾッとする。
『アノ、忌マワシキ蛇ガ?』
『アリエナイ! アノ蛇ニ触レテハ、ナラナイ。キラ様ト言エドモ』
『ソウダ、ソウダ。一大事ダ!』
一大事、一大事と騒いで、魔鳥たちは飛んで去って行く。
残された屋敷からは、いまだに不穏な気が乱れて漏れ出してくる。息を潜め、森はザワザワと騒いだ。
屋敷の中、魔王子キラを苛立たせたのは 蛇 ではなく、その「番い」となった人間の雌〔おんな〕だった。
「妾は此処〔ここ〕を気に入っておる。其方〔そなた〕の言葉に応じるには、相応の見返りを願いたいのう」
いかがかの? と目を細め、唇を扇で隠した彼女――エリルは微笑んだ。
対面した魔王子ことキラの機嫌があまりよくないことは察しているが、彼女にとってそれは大したことではない。何しろ二人の仲は以前から険悪なもので、ご機嫌に会話をしたことなど……皆無に等しい。
つまりは、いつものことなのだ。
やわらかな火炎の紅髪にトロリとした血の色の目をしたキラは、不機嫌を隠さず、だけれども用件を終わらせるには妥協が必要だ。
「見返り? 何を望む気だ?」
「簡単なことじゃ。妾はこれでも強欲ではない……手に入れたいものは手に入れた。ゆえに、手放したくないだけのこと。シエンを供にしていいのなら、一度里帰りしても構わぬぞ」
ホホ、と笑ったエリルに忌々しげに魔王子は「厄介なことを言いやがって」と低く唸る。出来ないことはないが、ひどく面倒なことになるのは必至だ。
「おまえは……いいのか? この女と一緒に人間界〔あちら〕に出ることになるが」
フードを深く被った屋敷の主であるハズの彼――シエンは、矛先を向けられハッとなる。椅子に座って堂々たる風情のエリルとは対照的に、その後ろに控えている様子は分を弁えた従者そのものだ。
「ぼ、僕はエリル様と共にあれるなら……どこへでも、行きます」
キッ、と強く赤い目を輝かせる。番いの雌を誰にも渡さないとする雄の本能に近い。
今でも控えているだけ、の体をしているが、パシパシとそこかしこから破裂音が響いて招かれざる客であるのだろうことは、魔王子にもシッカリと伝わっていた。
(こんな禍々しい女を、よくも愛せたものだ。とても……人間とは思えないが、体は人間のハズなのに)
希少な魔種である彼〔シエン〕にも感心するが、人間の公女である彼女〔エリル〕にも少なからず驚く。彼の魔種の愛情表現は、魔族の中でも苛烈で執拗である。合わなければ、死に至る程度に――激しい。
「面倒なこと、この上ないが……仕方ないな。全面的に援助するから、王城まで来い」
「すぐにか?」
訊いたのは、公女だった。が、縋っていたのは彼女に寄り添った魔族の赤い目の方だった。
「早い方がいい」
キラは唖然としていた。目の前で、赤い目からポロポロと涙を流す童顔の男(見た目はどちらかと言うと「少年」に近い)はキラよりもずっと長い時間を生きている長寿の種である。長寿ゆえに、長い時間を生きても精神年齢はさほど老成しない……ということか。
「準備に……三日、欲しい。三日後に、向かう」
「いいだろう」
立ち上がり、彼の涙をペロリと舐めた彼女は「去れ」とばかりに魔王子を見た。
項垂れるフードの首に腕を掛け、腰を抱き寄せる二人を前に、キラとしても長居はしたくない。はっきり言って。いや、それ以外でも長居をする理由は たった今 なくなったのだ。
踵を返して、頭を過ぎったのは……不器用な淫魔族であるメイドのこと、だった。
>>>終わり。
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