背徳の姫君。鳴海広之-さらにその後。1

　「背徳」番外、隣の委員長視点の「さらにその後」第一回です。
　彼女視点とシンクロさせながらも、思春期の男の子っぽいところをかもしだせたらイイですね！
　って、コトでのっけから男の子の事情です（笑）。

　連日連載を心がけてはいるのですが、今日は少しばかり危うかったです。フィギュアスケートのフリー……テレビでやってたから観てたら、結構時間がギリギリになってしまいました。
　昨日もショートプログラム観てたのですけど(^^ゞ。
　終わってみれば、女子の結果は当初の番付どおりかなー？　という順位でしたね。私は特にこの人という、贔屓の選手はないのですが……演技ではキム・ヨナ選手が一番キレイだったわー、と思います。
　もともとジャンプの高さ、回転とかを見てもキム・ヨナ選手は他を寄せ付けないシャープさがあって、いいですね。
　もちろん、浅田選手の演技も技術の高さを感じるのですが……精神的なものからなのか、脆さを感じる場面もありました。
　韓国の人は、考え方からして日本人とは違うなあと、コメントを聞いても感じます。なんか、とっても厳しい育て方されるんだろうなあ、と（←日本人が甘いだけ？）
　とは言え、やはり日本人なので（←え？）、負けちゃうと応援したくなるのね。判官贔屓という言葉が日本にはあります。
　これから、ドンドコ浅田選手には成長してもらって、キム・ヨナ選手を脅かしていただきたいと思います。
　えー、今回の演技でキム・ヨナ選手の次にキレイだなーと思ったのは、中野選手の演技でした。じんわりとこの人にも、頑張ってほしいと思う今日この頃です。
　明日はエキシビションですよー。

　以下、「背徳の姫君」番外、「鳴海広之-さらにその後」1。
　全三回程度の予定です。

――　背徳の姫君。～鳴海広之-さらにその後1～　――

　あんな約束をしたことを、本当は――時々、後悔している。


「……ッ！」

　目を開けて、鳴海広之〔なるみ　ひろゆき〕はそこが自分の部屋のベッドで、朝だということに気づく。
　カーテンの向こうからはやわらかな陽がさして、ほんの少し肌寒い。
　ぐっ、と腕に力をこめて持ち上げると、まだ少し重い瞼を手の甲で覆って息を深くついた。
「俺って、こんな我慢がきかないヤツだったんだ」
　毎朝のように訪れる自己嫌悪にも、そろそろ慣れた。
（まあ、いつかは発散できるだろうし……それまでの、辛抱だ）
　立ち上がって、寝乱れた髪を手ぐしで整えると、まずは顔を洗うために階下に下りた。


　　　　　***　***


　家の玄関を出ると、そこに山辺志穂〔なまべ　しほ〕が立っている。
　隣り合った家の様式はほぼ似たり寄ったりで、これまで特に行き来をした経験はなかったが、案内されなくてもお互いの家の中がどんなふうに使われているかはおおよそ見当がついていた。
「おはよ」
　広之が笑いかけると、少し俯き加減でちいさく「おはよう」と返してくる。
　その仕草が彼女らしくて、時々腹立たしい。
　手を繋ぎたいと言ったのは彼女なのに、人の目があるとすぐに引っこめてしまうし、不安そうに見るから理由を問えば「なんでもない」の一点張り。
　あげくの果てには、
「な、鳴海くんの部屋に行きたい」
　なんて、彼女が どういう つもりなのか サッパリ 解からなかった。
「俺の？」
「うん……ダメ、なの？」
　そんな脅えた瞳で煽るなんて、反則だろう？
「ダメ、じゃないけど……」
（まあ、たぶん自覚してないんだろうけど）
　してないだけ、タチが悪いなと広之は嘆息した。

　　>>>続きます。