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裏表一体、日々のこと。
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 いいタイトルが思いつかなかったですよ。

 「背徳」番外、二人の場合の「さらにその後」第一回です。
 いいタイトルが出来なかったので、使いまわしですが……どうも、しっくりきませんね。大体、カーテンがもうほとんど関わってこないですし(^^ゞ。
 事後報告ですが、「クリスマス企画」始動しました。
 ここの話よりも、一ヶ月程度あとの二人の話です。
 で、その「クリスマス企画」のおまけをちまちまっと現在、書いていたりします。
 志穂さんは、限りなく等身大の女の子(というか、私の性格に近い^^;)で、憎めません。むしろ、シッカリしろ! 負けんなーと思います。
 障害は多そうですが、広之くんと仲良くしていただけると私もちょっとだけ幸せです(笑)。

 今日は、毎年恒例で「M-1」を観てました。
 今年もまた「○い飯」は優勝デキナカッタワ……とファーストラウンドで燃え尽きました。←ほかのお笑い芸人も応援しろよ!
 密かに、「○ータルテンボス」の「○わんよ」という決まり文句が好きです。と、どうでもいいことを主張してみる。
 あとは、「あぁ~、つらいのう」という某お坊ちゃまと「往生しまっせ」というチッチキチーな決まり文句も好きです。←すでに新人の話ではない?

 以下、「背徳の姫君」番外、「カーテンを隔てれば-さらにその後」1。
 伏線の話がようやく、表舞台に出てきましたねえ。じーん。




―― 背徳の姫君。~カーテンを隔てれば-さらにその後1~ ――

 生徒手帳を返してくれた鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕の表情は、嘘をついているようなものではなかった。
 本当に、何も知らないと心配さえ浮かべた眼差しに山辺志穂〔やまべ しほ〕はホッとしながら、なくなってしまった おまじない に焦燥する。
 手元にあった時は、そわそわして早く手離したかったハズなのに……離れてしまうと、なんだか心許ないというか。
(――生徒手帳はここにあるんだから。気にしなければ、大丈夫なのに)
 たとえ、誰かに拾われたとしても……誰も志穂の落としたものだとは思わないだろう。

「……でも。やっぱり探した方がいいよね」

「何が?」
 と、机の上に鞄を置いて無意識に口にした言葉に、やってきた澤嶺祥子〔さわみね しょうこ〕がひょっこりと覗きこんで訊く。
「な、なんでもないもん。おはよう、祥子ちゃん」
 狼狽〔うろた〕えて、頬を熱くしながら几帳面に朝の挨拶を欠かさない。
「ん。おはよ……なによ。探しモノ? だったら、手伝うよ?」
「いい。一人で探してみるから……」
 俯いて、志穂は恥ずかしさに小さく首を振った。


     *** ***


 名前を呼ばれてその方向に顔を向けたら、澤嶺祥子が彼を手招きしていた。

「 ? 」

 訝しく眉根を寄せて、それでも表情はおだやかなままに広之は彼女へと近づいた。辺りを何気なく見渡して、首を傾げる。
 いつも、一緒に行動しているハズの彼女の 姿 がないのが気にかかる。
「何か用?」
 と、とりあえず訊くと、祥子はくすくすと笑って見上げてきた。
「ちょっと、鳴海くんにお願いしたいことがあって」
「お願い?」
「そう。志穂のことで……あの子、いま 大変 なのよね」
 大変、と口にしながら、あまり切迫感がない祥子の様子に広之は「ふーん」としか答えようがなかった。
「大変、ねえ? 確かに、今朝は様子がおかしかったけど」
「やっぱり? わたしもね、あの子が おまじない に執着しないんだったら返すつもりはなかったんだけど……だいたい、いらないって強情に言い張ったのはあの子なんだから」
 チロリ、と広之を見て、「まあ、彼ができたんだし いらない ワケはないわよね」と一人納得した。
「……全然、話が見えないんだけど」
 広之は困惑して呟き、祥子を見下ろす。
「どういうこと?」
「んー。黙って、コレ、受け取って」
 少し思案ののち、彼女はそう広之に言うと、彼の手に何かを握らせた。
 カサリ、と手のひらの中で鳴る薄っぺらい銀色のビニール包装。悪いが、広之にとって初めて見るものではなかった。
 しかし、女のクラスメートから手渡されるのは抵抗がある。
「……澤嶺」
 少しかたくなった広之の声に、ペロリと舌を出す。
「もう! あんまり深く考えないでよ、委員長。それ、志穂に返しておいて欲しいのね」
「は? ……えっ!」
(いま、「返す」って言ったか?)
 お願いの内容と、それ以上に驚かされたのはその 言い回し だ。
 つまりは、もともとは志穂が持っていたということになりはしないか? それを、どういう経緯かはわからないが祥子が預かっていたと?
 今朝の。
 隣の家に住む引っ込み思案な、大人しい少女のとぼしい表情を脳裏に蘇らせて、ウンザリと呟いた。
「……おまえなあ」
 笑って誤魔化そうという祥子を、軽く睨む。
「志穂をあんまりからかうなよ」
 自分のことは棚に上げて、たしなめる。
「ごめーん。だって、可愛くてさあ? ついつい、ね」
「ついつい、じゃねーよ」
 祥子の気持ちが解からなくはない、と広之は思いながら、それをズボンのポケットに仕舞った。
 そして。
「志穂は?」
「今は、きっと渡り廊下の植え込みあたりで 必死に 探してると思うわ。お願いね、鳴海くん」
 ヒラヒラ、と手を振る祥子を(他人事かよ?)と見遣り、広之は諦めて踵を返した。



 名前を呼ばれて、渡り廊下の植え込みをしゃがみこんで覗いていた志穂はふり返る。数人の足が見えて、視線を上に滑らせると――。
「探し物?」
 と、彼女たちは腕を組んで志穂を見下ろした。

  >>>続きます。

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