背徳の姫君。山辺志穂-さらにその後。2

　ずいぶんと間が空いた感のある、「背徳」番外の下向き彼女視点の「さらにその後」第二回です。
　彼女視点は次で終わりです。
　しかし、この「さらにその後」には前半と後半があってですね（笑）。
　今回のは前半です。
　数字の打ち方をどうしようかと思案しておりますが……今回は、通し番号でいくかと思っております。
　つまりは、「4」から後半ということで。
　改めて、読み返すとこの二人は設定がいつも王道であります。
　一度、この二人で風邪ネタをしたいと思っているのですが（もちろん、寝込むのは彼の方です←何かしたいらしい）、その野望はまだ果たせていません。無念なり(T_T)。

　さて。
　数日前からひっそりとブログのアンケートに新しいテーマでご意見を求めていたりします。
　今回は話のことではなく、純粋に数を知りたいというアンケートです。
　最近、練習用のお絵かきBbsで広告投稿が増えたのは書いたと思いますが……それが一向に止まないので……もしやURLを登録されてしまったのか、と見守っているのですがリンクを外すことも視野に入れていたりします。
　その中で、覗いている方の数を把握しておきたいと思いまして。
　一旦外すにしても、復活させるかどうかコレで判断できるし……ねえ？
　って、コトでご協力のほどよろしくお願いします。m(__)m

　以下、「背徳の姫君」番外、「山辺志穂-さらにその後」2。
　それは、オオカミのしっぽですよーという話です。

――　背徳の姫君。～山辺志穂-さらにその後2～　――

　それ以来、本当にキス以上のことはされなくなった。
　彼らしい誠実さが嬉しくもあり、寂しくもある。祥子の提言がすべて正しいとは言わないが、それでも男の子なら普通は……。
「どうしたの？」
　と、一緒に下校していた広之が思いつめて考えこんでいる志穂を覗きこんだ。
　じーっと、その顔を眺めて、首を振る。
「……なんでも、ないもん」
「志穂」
　責めるように名前を呼ばれて、ビクリとすくむ。
「ちゃんと口にしないと伝わらないって、俺、言わなかった？」
「……うん」
「じゃあ、言って」
「……あの。それ、は」
　この不安をどうやって伝えればいいか、分からなかった。けれど、ひとつ、言いたいことはみつかった。

「な、鳴海くんの部屋に行きたい」

　とてもじゃないが、道端でできる話ではない。と、志穂が顔を上げると広之の表情は強張っていた。
「俺の？」
「うん……ダメ、なの？」
「ダメ、じゃないけど……」
　困る。
　そう言いたげな表情に、志穂の気持ちは軽く落ちこんだ。


　　　　　***　***


　案内された部屋は、殺風景な部屋だった。基調はモノトーンでまとめられ、勉強用の机と本棚、それにベッドが整然と納められている。
「どうぞ」
　と促されて、小さく志穂は「お邪魔します」と頭を下げた。
　そして、「ごめんなさい」と謝るから、広之が眉根を寄せた。
「何が？」
「だって、迷惑だったんでしょ？　さっき、困った顔してたもん」
「あー。まあ、仕方ないだろ？」
　広之は肯定して、志穂を見る。志穂は深く落ちこんで、（だったら、無理しなくてもよかったのに）と心の中で呟いた。
　口にはできないところが、彼女らしいトコロというか。
「俺だって、男だし」
「ふえ？」
「おまえ、男の部屋に行くってどういうことか、分かってる？」
　いや、分かってないだろうけど……と、立ち尽くしたままの志穂に笑いかける。後ろ手に扉を閉めて、頬に触れた。
「どうなっても知らないよ」
「え？　ひゃっ！　っや……！」
　仰け反り、思わず広之の胸を押してしまった志穂は、バランスを崩して尻餅をついた。

　　>>>続きます。