背徳の姫君。山辺志穂-さらにその後。3

　「背徳」番外、下向き彼女視点の「さらにその後」第三回です。
　グズグズしていたら、またもや間が空きそうだったので……連日連載を心がけます。
　つーことで、明日からは彼視点です。
（余談、アンケートにご協力ありがとうございます。声かけてみてよかったですー(>▽<)！！）

　そろそろ年の瀬も迫ってまいりました。
　みなさまは、きっとシッカリ年賀状の準備とかサクサクこなしていらっしゃると思いますが……わたくし、まったく手付かずです。
　せ、せめて年賀状の準備だけでもしないと！　と毎年のように焦っていますが（しかも、ここ最近プリンターの体調はひっそりと静まり返っていて悪いのかどうか、まったく判断がつきません）、焦るだけで何もしてないという。
　比較的、自由な時間はあるのだけど……うぬー。
　図柄だけでも考えよー、来年は子年ですね。チュー！
　ラブリーかつ、落ち着いた（←会社関係にも併用できることが望ましい）図案なんて、ないものですかね？

　以下、「背徳の姫君」番外、「山辺志穂-さらにその後」3。
　明日は「隠れ家」の更新でも頑張ってみようかと思っています。

――　背徳の姫君。～山辺志穂-さらにその後3～　――

（び、ビックリした……）

　現在の状況を正確に理解していない彼女は「いたた」と手をお尻にやって……顔を上げる。
　ちょっと、困ったような表情で見下ろした広之がジッと彼女を映している。
「おまえさ、それ、ワザと？」
「え？」
「俺を誘ってるとしか、思えないんだけど」
　そう言われて、志穂はハッとした。尻餅をついた反動で彼の目からは志穂がＭ字に脚を開いているように見えるだろう。と、いうことはだ。下着も丸見え、ということだ。
「今日も、シロ？」
「キャッ！」
　バッと脚を閉じて、志穂はスカートを手で押さえた。
　真っ赤になって、目を閉じる。
　すぐ、そこに彼が膝をついて、彼女の頬にかかった髪を指先で取りのぞいた。
「………」
　息遣いがすぐそこまで近づいて、スカートの裾をめくった彼の手が太腿を遡る。
　スカートを押さえる手が震えた。
（どうしよう、どうしよう、どうしよう……）
　今日、そうなってしまうんだろうか？
　先に進んじゃう？
「志穂」
　と、熱っぽいような彼の声に目を開いて、間近に迫る広之の顔を確認する。
（イイ、かも……）

　とんとんとん。

　と、階段を上がる足音を聞いて、慌てて離れる。
「はい。志穂ちゃん、ゆっくりしていってね。広之が悪さをしそうになったら、一発平手をくらわせてやればいいわ」
　お茶を持って上がってきた広之の母は、そう床に座った志穂を微笑ましそうに見つめるとにこりと笑った。
「なに、言ってるんだよ」
「はいはい。信用してるわ、一応ね」
　くすくすと笑って、彼女は仏頂面の息子を牽制すると、部屋から出ていった。
「悪、かったな……さっき」
「う、ううん」
　二人きりになると、どちらともなく気恥ずかしさに頬を染めて照れた。
「でも。おまえも……母さんじゃないけど、引っ叩けよ。ホントに」
「……そんなこと、できないもん」
　ふわり、と安心したように笑う。
「できないもん、じゃねぇ……よ」
　顔を背け、広之は（なんだよ、カワイイじゃねーか）と複雑な面持ちで頭を掻いた。



　その夜のこと。
「あれ？　あれ……あれ？」
　制服のスカートに入れていたハズの生徒手帳がないことに気づいて、志穂は真っ青になっていた。

　　>>>後半に続く。
　けど、その前に委員長視点に移ります。