文化祭は準備中！-鳴海広之の場合1

　季節外れの文化祭ネタ、隣の委員長視点の一回目。
　志穂ちゃんが人知れず（？）落ち込んでいた頃、の彼の心境は……普通にケダモノだった模様です。
　バックグラウンドの理由は諸々あるのですが、描ききれなかった感がヒシヒシと！
　察してくださるといいのですが。
　ホラ！　見えそうで見えない方が想像力が高まっていいとか思うしっ。いやっ、決して書くのが面倒だったわけではないです。

　話とは関係のない最近の出来事。
　コバルトの文庫が発売されてて、立ち読みした中にちょっと度肝を抜かれた内容がありました。
　昨今、ＢＬとかのジャンルは浸透して、普通にコバルト文庫でも発刊されてますが……官能小説までコバルト文庫で出ていました。
　半信半疑で買って読んだら……本当に官能っぽかった。
　私の官能小説に対する認識が世間一般なのかは謎ですが……とにかく、私の知る限りで一番赤裸々でした。
　ビックリ！
　ファンタジー物だったから、コバルトで出したのかな？？　時代は変わったなあ、と思った瞬間です。
　個人的には、赤裸々にエロいのも好きですが、コバルト文庫のごく普通の恋愛モノの見せない描写も好きだったりします。
　ウズウズする感じがいいよね！

　話と関係する更新のお知らせ。
　「隠れ家」を本日更新して、背徳・番外の「恋する～。の、その後」話を追加してます。一度ブログで掲載している小話です。無編集版なので多少描写が変わってます。
　「隠れ家」知っている方は覗いてみてください。
　以下、背徳・番外「文化祭は準備中！」鳴海広之視点の前半部。
　R15程度の表現を含みます。苦手な方はご注意ください。
　教室でやっちゃイカンだろう、ともう一人の私が嘆いています。お母さん、そんな子に育てた覚えありませんよ（泣）！！

――　背徳の姫君。～文化祭は準備中！‐鳴海広之の場合1～　――

　高校最後の文化祭の準備のために、連日延長申請ギリギリまで学校に残る。
　誰もいない教室。
　明かりさえ灯さずにいれば、誰にも知られることはないのかもしれない。
　先生も、委員長である自分に鍵の返却を任せているくらいだ――と、鳴海広之〔なるみ　ひろゆき〕はほんの少し揶揄を含んだ。

　ゆるく開いた彼女の唇の中に舌を挿し込んで、絡める。

「ん……」
　なすがままの山辺志穂〔やまべ　しほ〕の体の輪郭に手のひらを滑らせ、広之は葛藤する。
　きっと、彼女は少しも危機感など抱いていないだろうと思うと凶暴な衝動にかられるのだ。
「はっ……んん！」
　志穂の制服のスカート越しに彼女のお尻を掴むように寄せれば、怯んで、それでも本当には怯えていない。
　彼女は幼馴染の彼が良識的だと、無条件に信じているのだ。
　恋人同士になる前の、二人の関係をすっかり忘れているのかもしれない。
（バカだし、鈍いし、学習能力ないし？　ありえるよな……）
　広之からすれば、この環境で志穂が受け入れるなら交わってもいいと思っている。それくらいには、欲情している。
　彼女の腰を机の上に乗せて座らせ、プリーツのないフレアスカートの裾から指を上に這わせる。
　足の付け根の下着に触れ、その薄い布の感触をもてあそぶように浮かせて、中に滑りこませると流石に息を呑んだようだった。
「志穂？」
「あ、あの。か、帰らないと先生が……」
　来るんじゃ、と薄闇の中でオドオドとした瞳で広之を見る。
　けれど。
　その言葉は、模範的な彼の欲情を抑えるどころか逆効果だった。
「来ないよ、たぶんね。俺、鍵返すの任されてるから」
　と、ズボンのポケットから教室のいくつかの鍵の束を取り出して見せる。
「……そ、うなの？」
「そう、なんだよ」
　ビックリと目をパチクリと瞬いた志穂に、広之はにっこりと笑いかけた。

　　>>>続きます。