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裏表一体、日々のこと。
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 「ポポロクロイスⅡ」妄想話の最終場面、まずはナルシア視点です。
 このあたりが、ちょうどゲームの一番最後の場面になります。エンドロールとか流れる前、ですね。
 「ポポロ」の曲は、最後に聞くと切ない感じです。
 「Ⅰ」のピエトロの旅立ち……って曲もいいですが、「Ⅱ」の小さな花……って曲もいいです。
 なんていうか、健気な女の子の歌ですね~。
 「Ⅰ」の曲は、ピエトロの幼い頃の歌です。平和信じてる~ってフレーズがあって、小さい頃って怖いもの知らずだよな~って、昔を振り返ってみたり。
 PSPを持っている方は、PSのインターネットストアのアーカイブで昔のゲームでダウンロードが可能です。「Ⅰ」「Ⅱ」それぞれ600円です。
 当時は、高かったけど600円なら手が届きますね(笑)。
 PSPの本体が高いので、PSPを持ってない方にはオススメできませんが(^^ゞ。

 以下、「ポポロクロイスⅡ」の最終場面、ナルシア側。
 ゲームとは、少し言い回しとか変えている……箇所があります。大きな変更ではありませんが、念のため。
 どこが違う、とかわかった方はかなりの通だと思います!




―― ポポロクロイス物語2~最終場面(前編)~ ――

 かけあしの泉。

 澄んだ泉の水面に鏡のように、覗きこんだ自分の姿が映る。
 赤い二股のとんがり帽子をかぶった、金色の髪に青い瞳のローブ姿の女の子。でも、本当の姿はもう少し違う。
 ナルシアは、森の魔女でもない。
 帽子をとれば、ピョコンと二本の触覚が頭から伸びて、服の下の背中には妖精の持つ薄い羽が生えている。
(でも、普通の妖精はわたしみたいに人ほど大きくは成長しないものよね? じゃあ、わたしは……妖精でもないんだろうか?)
 ギルダ姉さんと血が繋がっていないと気づいたのはずいぶんと前だった。けれど、だからといって何が変わるわけでもない。
 ギルダ姉さんはギルダ姉さんだ。
 人嫌いで、偏屈で、魔法の腕は一級品。
 気難しいところもあるけれど、根は優しい森の魔女。
(海水に触れれば泡になるって特性も妖精と同じ。だけど……妖精王さまに聞けば何かわかるんだろうか?)
 湖に沈んでしまった妖精王の城を思い出して、落ち込んだ。
 きっと、会ってもらえないよ。
 あんな迷惑かけちゃって……ふと、人の気配がしてナルシアは身を固く強張らせた。

 フローネルの森に続く方角を見て、息を呑む。

「あ。……えっと、僕、だけど」
 困ったように笑って現れたポポロクロイスの王子にナルシアは今まで考えていたアレコレをすっかり忘れて、「ピエトロ」と彼の名を呼んだ。



「いい天気だね」
 隣に座った彼は、黙っていたかと思うと急にそう切り出した。
「ふふ」
 ナルシアはいつも会話に困るとピエトロが天気の話をすることを思い出しておかしくなった。
 彼女が笑って指摘すると、彼は参ったなあとでも言うように頭を掻く。
「そうかな?」
「そうよ」
 なんだか、ホッとしてしまう。成長しても、本質は変わらないのね。
 ピエトロの王族なのに気取らないところ、優しいところ、とても勇気があるところ、それに時々すごく弱くなるところも。
 ホッとして、ナルシアはとんがり帽子に手をかける。
 大丈夫、だよね?
 ピエトロは嫌ったりしないよね? どうして、わたしってこんなに弱気なんだろう。出会った頃はもっと勇気(後先考えないとも言うけど)があったはずなのに!
 ナルシアの頭にある人にはない、そして森の魔女にもない触覚を見て彼は「あ」と息を呑む。
「羽も、あるのよ」
 と、ナルシアが言うと慌てて(顔が赤いように見えるのは、気のせい?)、「い、いいよ。見せなくて!」と止めた。
 見せる気はなかったけれど、こんなに嫌がるのはやっぱり気味が悪いのかな? と落ち込んできた。
 きっと、そうよね。
 と、底なしにいじけていたら泉の妖精が現れてナルシアに文句をぶつけてきた。
「ちょっとちょっとちょっと~。聞き捨てならないわねー! なによなによ、さっきから聞いてたら妖精族が気味悪いとかイヤとかーっ!」
 そうして意趣返しとばかりにナルシアの恥ずかしい妄想を暴露する。
「や、やだ。ダメ、やめて!」
 止めるが、聞く耳は まったく 持ってないらしい。
「って、コトなのよぉ? がんばってね、ぴ・え・と・ろ♪」
 最後は何故か、彼に対するエールだった。
(もう、もう……顔、合わせられないよっ! せっかく久しぶりに会えたのに……妖精さんのイジワル~)
 口に出せない悪態を心の中でついて、ナルシアは逃げるように立ち上がった。
「じゃ、じゃあピエトロ……またね」

「待って、ナルシア」

 呼び止めるピエトロの声に、ドキリとする。泉のほとりで立ち止まるナルシアに、彼は――とても大切なことを伝えてくれた。

  >>>後編に続きます。

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