裏表一体、日々のこと。
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「小さき姫と年の差侯爵」の結婚前のゴタゴタ編、プラス魔族フェスティバル! 開催中のまずは冒頭です。
本当は肉食公女さまの絡みをメインに考えていたのですが、ちょっと遊びたくなったのでさらに登場人物が増えました(笑)。いつかは出そうと思っていた地位の人です。
キリエ侯爵の遠縁、という一応つもりで書いているのですが……そんな裏設定はこの際どうでもいいです。今後、関係するかも謎なので。
本日はエイプリルフールなので、連載するよと大口叩いても大丈夫そうですね。なので、連載します。
よろしければ、まったりとお付き合いください。
以下、「小さき姫と年の差侯爵」小さき姫と、幼気なる友人1。
友人は、○○。というのを、使いたかっただけです。
リザはお姉さん的で、コチラは妹的ですね。アチラの主従関係はなんとなーく普通にR指定が入りそうだなあ、と思う今日この頃。
本当は肉食公女さまの絡みをメインに考えていたのですが、ちょっと遊びたくなったのでさらに登場人物が増えました(笑)。いつかは出そうと思っていた地位の人です。
キリエ侯爵の遠縁、という一応つもりで書いているのですが……そんな裏設定はこの際どうでもいいです。今後、関係するかも謎なので。
本日はエイプリルフールなので、連載するよと大口叩いても大丈夫そうですね。なので、連載します。
よろしければ、まったりとお付き合いください。
以下、「小さき姫と年の差侯爵」小さき姫と、幼気なる友人1。
友人は、○○。というのを、使いたかっただけです。
リザはお姉さん的で、コチラは妹的ですね。アチラの主従関係はなんとなーく普通にR指定が入りそうだなあ、と思う今日この頃。
―― 小さき姫と年の差侯爵。小さき姫と、幼気なる友人1 ――
結婚前の花嫁は多忙である。チサも例にもれず忙しく、花嫁衣装の採寸やデザイン、式の礼儀や段取りなど、決めたり覚えたりしなくてはならないことが山のようだった。
手ほどきや相談にのってくれるリザは根気強く付き合ってくれるけれど、容赦があるわけではなく時には厳しくチサを叱る。打ちひしがれ中庭の植えこみで項垂れることは、ほぼ日課のようなものだった。うっうっうっ。
そして、そんな時だった。
定位置であったその場所に先客があったのは。
相手はチサの視線にハッと涙を隠して、まごまごとまごついた。なんとなく親近感を覚え、「ルルゥさん、でしたよね?」と確認してみると、目の下を赤く染めたチリチリの赤毛(すっごく綺麗! 目立つけどっ)をした彼女は恐る恐る頷いて……「はい。失礼をいたしました」と深々と頭を下げて逃げようとしたことを反省するように赤い目を潤ませた。
ルルゥはキリエ侯爵の血縁でもあるという、とある王子の侍女としてやってきた少女だ。侯爵とチサの結婚式にはまだ少し日にちがあるが、積もる話もあるからと かの 王子はわざと少し早く城にやってきて、王子という身分にもかかわらずルルゥ以外の侍女や付き人は一切つけていなかった。キリエ侯爵はその様子に多少呆れてはいたけれど、納得もしていた。元来、王子は何でも卒なく一人でやってしまえる器用なタチなので、身近に世話役をあまり必要としないのだ。
チサの王子に対する第一印象も、まさにそんな感じだった。
『貴女がキースの花嫁ですか? はじめまして』
侯爵の花嫁として紹介されたチサの幼い外見に彼は何も言わなかった。どころか、態度にも出さなかったし、お世辞を口にすることもなくただ笑って受け入れてくれた。
紺色の優しい色の髪と、深い青の瞳の柔和な微笑みがキラキラ輝いている。王子様、という敬称はきっとこの人にこそ相応しい。
正確には、魔王子という地位にあるそうだが。一文字かつくだけで、印象はガラリとちがう気がするのは気のせいだろうか?
とにかく、ルルゥの主人は魔王子という存在を欠片も感じさせない完璧な正統派の王子様ということである。
対して、ルルゥはそんな完璧な主とは正反対の侍女だった。あまりに失敗が多いので放っておけないと彼に同行するよう言い含められたのだそうだ。ルルゥがそんな侍女でなければ、彼は一人でやってきたのだろう。
半人前の侍女というだけでなく、半人前の魔族。
人間に怪しまれぬよう髪や目、肌の色まで変化させるのが魔族の常套手段だが、それもルルゥは苦手らしくあまり上手くない。
主人はあんなに完璧に色を化かしているのに(チサは本当の色を知らない)。
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。チサさま」
ぐいぐいとメイドのキャップを引いて顔を隠してルルゥは謝ると、上目遣いでチサをうかがった。
どうですか? と訊かれているみたいで、チサは一通り眺めて「大丈夫じゃないかしら?」と頷いてみせた。
赤かった瞳は茶色に、鮮やかすぎるほどだった赤毛も焦げ茶色程度に目立たなくなっていた。ただ、チリチリと短く跳ね上がっている鳥の巣みたいなクセっ毛はそのままである。
チサの答えに彼女はホッと緊張を緩め、微笑む。
「あの。そういえば、チサさまも何かあったのでは……ありませんか? 涙のあとがございますれば……そのぅ、わたくしでよろしければお伺いいたします」
ぺこり、と控えめに頭を下げるルルゥにチサはなんとなく親近感を覚え(挫け友達とでも言うの? 逃げ込み場所が同じってだけかもっ)、ついつい口が軽くなり互いに身上話をするのに――それほど、時間はかからなかった。
>>>続きます。
結婚前の花嫁は多忙である。チサも例にもれず忙しく、花嫁衣装の採寸やデザイン、式の礼儀や段取りなど、決めたり覚えたりしなくてはならないことが山のようだった。
手ほどきや相談にのってくれるリザは根気強く付き合ってくれるけれど、容赦があるわけではなく時には厳しくチサを叱る。打ちひしがれ中庭の植えこみで項垂れることは、ほぼ日課のようなものだった。うっうっうっ。
そして、そんな時だった。
定位置であったその場所に先客があったのは。
相手はチサの視線にハッと涙を隠して、まごまごとまごついた。なんとなく親近感を覚え、「ルルゥさん、でしたよね?」と確認してみると、目の下を赤く染めたチリチリの赤毛(すっごく綺麗! 目立つけどっ)をした彼女は恐る恐る頷いて……「はい。失礼をいたしました」と深々と頭を下げて逃げようとしたことを反省するように赤い目を潤ませた。
ルルゥはキリエ侯爵の血縁でもあるという、とある王子の侍女としてやってきた少女だ。侯爵とチサの結婚式にはまだ少し日にちがあるが、積もる話もあるからと かの 王子はわざと少し早く城にやってきて、王子という身分にもかかわらずルルゥ以外の侍女や付き人は一切つけていなかった。キリエ侯爵はその様子に多少呆れてはいたけれど、納得もしていた。元来、王子は何でも卒なく一人でやってしまえる器用なタチなので、身近に世話役をあまり必要としないのだ。
チサの王子に対する第一印象も、まさにそんな感じだった。
『貴女がキースの花嫁ですか? はじめまして』
侯爵の花嫁として紹介されたチサの幼い外見に彼は何も言わなかった。どころか、態度にも出さなかったし、お世辞を口にすることもなくただ笑って受け入れてくれた。
紺色の優しい色の髪と、深い青の瞳の柔和な微笑みがキラキラ輝いている。王子様、という敬称はきっとこの人にこそ相応しい。
正確には、魔王子という地位にあるそうだが。一文字かつくだけで、印象はガラリとちがう気がするのは気のせいだろうか?
とにかく、ルルゥの主人は魔王子という存在を欠片も感じさせない完璧な正統派の王子様ということである。
対して、ルルゥはそんな完璧な主とは正反対の侍女だった。あまりに失敗が多いので放っておけないと彼に同行するよう言い含められたのだそうだ。ルルゥがそんな侍女でなければ、彼は一人でやってきたのだろう。
半人前の侍女というだけでなく、半人前の魔族。
人間に怪しまれぬよう髪や目、肌の色まで変化させるのが魔族の常套手段だが、それもルルゥは苦手らしくあまり上手くない。
主人はあんなに完璧に色を化かしているのに(チサは本当の色を知らない)。
「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。チサさま」
ぐいぐいとメイドのキャップを引いて顔を隠してルルゥは謝ると、上目遣いでチサをうかがった。
どうですか? と訊かれているみたいで、チサは一通り眺めて「大丈夫じゃないかしら?」と頷いてみせた。
赤かった瞳は茶色に、鮮やかすぎるほどだった赤毛も焦げ茶色程度に目立たなくなっていた。ただ、チリチリと短く跳ね上がっている鳥の巣みたいなクセっ毛はそのままである。
チサの答えに彼女はホッと緊張を緩め、微笑む。
「あの。そういえば、チサさまも何かあったのでは……ありませんか? 涙のあとがございますれば……そのぅ、わたくしでよろしければお伺いいたします」
ぺこり、と控えめに頭を下げるルルゥにチサはなんとなく親近感を覚え(挫け友達とでも言うの? 逃げ込み場所が同じってだけかもっ)、ついつい口が軽くなり互いに身上話をするのに――それほど、時間はかからなかった。
>>>続きます。
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主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
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恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
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