いち にの さん。step.1-1

　「いち にの さん」本格連載してみたり。
　と、言ってもほんの序盤しかまだ書いてませんけどね～step.1は少し長くなったので、二つに分割してお送りします。
　サッサと出せよ、とお思いでしょうけれど……少しずつ読んでやってください。
　私がこのイチとニノの話を考えた時、一番最初に浮かんだ場面はまだ書けてません（笑）。その場面にいくまでにどんだけ時間がかかるのか、予測不可能です。
　かなり無謀だと思えてきました。
　当初、ニノはもう少しシッカリしたお嬢さんを考えていたハズ（仕事のできるキャリアウーマンみたいな？）なのですが、どうも雲行きが怪しいです。仕事は出来る予定ですが、ちょっと天然が入っている気がビシバシ……イチに関しては、人当たりのいい文学青年というつもりで書いてますが、プラスα付きます。個人的心象としては素直じゃない男の子って感じですかね(^^ゞ。
　この二人の真のやりあいは、もう少し話が進んだら書ける！　という期待をもってシリーズに踏み切りました。
　そこまで書けたら満足して終了しちゃうかもしれん……というくらい、私の中ではツボな展開なんですけど……step.5くらいでそのあたりまでもっていけるかな？　どうかな？　って感触です。

　私だけでなく、皆様にも楽しんでいただければいいのですが。

　今週末には、「背徳」番外の夏企画のおまけをこのブログにて載せる予定です。サイトの更新はしばらくないかも……隠れ家の夏企画同タイトル無修正版（←オイ！）も作業したいのですが、どうにもこうにも作業がしにくくてネット環境が整わないと無理そうです。気が萎えてしまう私を許してください。
　ネット環境が整うのは、多分９月の半ば以降です。
　早く工事の日程が決まればいいのですがねえ。

　以下、「いち にの さん」step.1-1。
　美味しいものを食べる至福の時、仕事をしてると余計にそういう時間が欲しくなります。
　夏場は食欲が落ちたりしますが、そのクセ美味しい焼肉が食べたくなります。炭火！　今、口が焼肉！
　いつか、ニノにも食べさせてやりたいと思います（断言）。

――　いち にの さん～step.1-1～　――

　一体、わたしは何をしてるんだろう。
　不毛だ。
　でも、美味しいものを目の前にしてしまうと、そんな考えはスコンと抜けて大好きな彼との時間を満喫してしまう。だって、目の前のイチは優しくて、以前と変わらない眼差しで微笑んでる。

「しあわせ～！　ここ、いいね。ありがと、イチ」

「よかった。ホラ、しっかり食べなよ……どうりでフラフラしてると思ったんだ」
「だって、仕事から帰ったら作る気力なくて。もともと家事は苦手だし、簡単なモノですましちゃうんだもん」
「ニノらしい」
「あっ！　笑ったな～できないワケじゃないよっ」
　ツンと横を向いて、まるで高校の頃に戻ったみたいなやりとりに涙が出そうになる。
　手放したくない。だから、不毛でも彼女に悪いと思ってもこの関係を壊すことができないのだ。
「あのさ、わたしばっかり世話になるのも気がひけるのよね」
　と、食事を取り終えひと心地ついた頃に提案してみた。
「ニノが？」
　意外、という表情にムッとして「そうよ！」と言い返す。
「まあ、わたしができることなんて高が知れてるのは確かだけど……なんかないの？　相談くらいなら乗るよ？」
「相談？」
「ほらぁ、彼女のこととか。わたしも昔よく聞いてもらったでしょ？」
「ああ……なくはないけど」
「なら、遠慮なくどうぞ。百戦錬磨のニノちゃんがズバッと解決しちゃうからさぁ」
　かなり疑わしい目で見られたけれど、イチも相談する気になったらしい。
　さぁ、来い。
　わたしは 好きな 男を手に入れるためなら、どんな卑怯な手段も厭わない 悪い 女なんだよ。残念だったね、イチ。

　ふふふ、と薄く笑ったわたしを、イチが少し困ったように眺めていた。

　　>>>続きます。