夕焼けと机と教室と。純・親・涙3(完)

　「夕焼け」卒業式ネタ、小槙視点最終話です。
　次の話の前フリ、と考えていただいたら分かりやすい？
　次の「ふたり時々猫日和」は、現在の拍手おまけで載せている「猫★日和」シリーズと繋がっている……ようで、あまり関係ありません(^^ゞ。
　本編4のつなぎになればいいなあと思いながら、書いた話です。
　「ふたり～」を読んだら、本編4の流れが大体バレそうですけどねえ。まあ、「夕焼け」はそれほど凝った仕掛けはない単純明快な話なので、問題はナッシングです。

　それはそうと。
　そろそろ「うらキロ」も30万HITが迫っていてですね。
　何か、考えた方がいいのかな～と思いつつ、思いついたらにしようと優柔不断なことを考えています。
　需要が高いのは、確実に「ピアノ」か「夕焼け」だと思うのでそのあたりでいいエピソードを考えたいと思います。
　おお！　そうだ。
　「夕焼け」の小学生編を使えばいいのですね(←気づくの遅いよ)。
　「ピアノ」も何か、思いついたら書いてみようと思います。
　……と、その前に「Ｏパーツ」連載に向けて努力します。書くスピードで言うと、コレが一番遅くなるのでねえ(遠い目)。

　日がな一日、高校野球を観てました。
　奈良の天理が負けて、少々悔しい気持ちです。熊本が嫌いなワケではなく……何故か、小学校の頃から天理のユニフォームが好きなんです。
　ついでに応援のメロディも天理のヤツが一番好きだったりします。
　紫のユニフォームなんて、高貴だわー(←え？)。

　以下、「夕焼け」小槙視点の卒業式ネタ……純・親・涙3です。
　今回は一般向けオンリーな話なのでご安心♪

――　夕焼けと机と教室と。～純・親・涙3～　――

　輝晃が小槙と同じ高校を受験すると知ったのは、次の日の公立受験の当日だった。
　また、同じ学校に通えるかもしれない……そう気づくと、感傷的だった気持ちがストンと落ち着いた。
　その時は、自分の気持ちさえ理解してなかった。
　欲しかったのは、甘い約束。
　淡く切れそうだった関係は、また続く。小槙のところに残った金ボタンが、その継続の唯一確かな証〔あかし〕のようだった。


　自分の部屋でテレビを見ていた小槙は足を抱えて、ソファにこてんと転がった。
　テレビでは八縞ヒカルと西加賀葵が出ていて、よくある行き違いから言い争いになっていた。けれど、互いの気持ちはハッキリしていて……そのうち、仲直りをしている。
　キスをする二人を見て、目をそらした。
（あかん。わたしって、欲求不満なんやろか？）
　思い出してしまう、彼のキス。
　もちろん、テレビに出ている八縞ヒカルが小槙の彼、輝晃本人だというのも大いに関係があるとは思う。
　ここ、最近はドラマの視聴率も好調で、ほかの撮影も多くなっているからなかなか会うような時間がない。小槙の体と仕事の関係もあって、一ヶ月ほどご無沙汰だった。
　唇に彼の感触が蘇ると、甘い味が広がった。
「　キス、したいなあ　」
　口走って、赤くなる。時計を見ると、そろそろいつもの電話〔＝定期コール〕の時間だった。

　――キス、したい。

　なんて、本当の本当はいつだって彼を欲しがってる。
　なのに素直に口にできないのは、度を過ぎてしまう 彼 のせいだ。

　　>>>おわり。
　「ふたり時々猫日和」に続きます～。