夕焼けと机と教室と。Darkness eye3(完)

　「夕焼け」輝晃視点の、「ダークネス　アイ」最終話。
　えーっと、フォローしてくださる寛容なお客さまがいらっしゃってむせび泣いております。
　こんな男でも、ついてきてくださると？！
　なかなかみなさま、出来た方々とお見受けいたします(平伏)。
　男の子だから、男の子だからね！
　と、呪文をかけつつ書いたコレも今回で最終話ですよ。

　台風が近づいていますね。
　と、思ったら紀伊半島をかすめるように東に行かれてる模様。
　どうりで雨が降らないワケだ(←気づくの遅い)。

　以下、「夕焼け」……Darkness eye、第三話の最終話。
　今回は大人表現ナシです。ホッ。
　次は、小槙視点の卒業式ネタでいこうかと思いつつ、まずは拍手コメントへの返事とバトンをやろうかと思っています(^^ゞ。

――　夕焼けと机と教室と。～～Darkness eye3　――

　結局、やり遂げてしまったのはいつのことだったか覚えていない。
　実際の行為を知った後だったのかもしれないし、前だったかもしれない。それくらい、あやふやな記憶だ。
　妄想の中で痛がる彼女を犯したことよりも、実際に教室で押し倒した時のことの方が鮮明で……当たり前だが、妄想なんか目ではないほどの感覚だった。
　実際の、彼女の身体の方が万倍も興奮したし、心地よかった。
「　アホ！　」
　輝晃が、ベッドの中でそんなことを告白したら小槙が真っ赤になって抗議した。
　もちろん、裸で心地よい汗をかいたあとのことだ。
「な、なんの話やねん！　それ……」
「せやから、小槙をどれくらい好きかつー話や。この 俺 が」
「……そんなこと言われたかて」
　困惑して、小槙は輝晃を仰いだ。

「だから、早く見せてほしいんやけど？」

　さて、結婚をしぶる小槙への指輪作戦を決行した輝晃の攻勢は強い。押しに弱い彼女はタジタジだったが……頑固なところもある。
「あかん。大体、そんなこと言うて輝くん……わたしと目、合わせへんかったことってある？」
「あるで」
　アッサリ、と肯定されて、小槙は逆にその事実に驚いた。
　そんなことをされた記憶は、とんとない。
「ホラな。気づいてへんと思ったけどやっぱりやったな、小槙。……俺が下凪先輩と付き合ってた頃や」
「………」
　ムゥ、と小槙は頬をふくらませた。
　彼女からすれば、それは気づくとか気づかないとかの問題ではない。小槙自身、彼を極力見ないようにしていた時期だった。

「彼女持ちやねんから、当たり前やん」

　小槙の不機嫌を敏感に察知して、輝晃はくすくすと笑った。
「なに？　まだ拗ねとるん？　先輩とのこと」
「知らん知らん！　とにかく、まだ輝くんと結婚はでけへんねんっアホっ」
　プーイッ、と顔を背ける彼女の首にかかったプラチナのリングに目を細めて、掬〔すく〕う。
「ま。ええよ？　しばらくは、我慢したるさかい」

　にっこりと笑うと、彼は怖いほど優しく指輪に所有の印〔キス〕をつけた。

　　>>>おわり。