夕焼けと机と教室と。約束の夏4(完)

　「夕焼け」夏企画っぽい話、「約束の夏」最終話です。
　私の中で何が書きたかったかと言うと、浴衣プレイ……ではなく！　露店での場面です。
　甘い、甘すぎるよ！　バカップルは君たちだけで十分だと切に思う。
　書いてて言うのもなんですが、砂を吐くというのはこういうヤツらじゃないかと……ええ、ホントに(遠い目)。
　読んでて食傷症状がでたら、すぐに「夕焼け」服用をやめることをオススメします。
　今後の展開もテキトーに考えておりますが、今回の「約束の夏」に伏線張ってみておりますが……甘いの甘くないのって。
　ついて来れる方だけ、ついてきてください。

　それはそうと、今日は『ワンピース』を観てました。
　最近の私が観るアニメは『コナン』とコレだけとなっております。「だけ」と言っていいのかはかーなーりー年齢的にどうなのよ？　という自主ツッコミがあるのですが(^^ゞ。
　まあ、いいのです。
　ふとルフィの声をされている田中さん(声優)、宮崎駿監督作品『～ラピュタ』のパズー役もされていたんですよね。
　私の中の永遠の少年像です、パズー(笑)。
　『ドラゴンボール』のクリリン役されていたことも懐かしい思い出――ということを、今日思いました。
　……あまり深く考えると、落ち込みそう(←年を食ったな、という意味で)なので強制終了。

　以下、「夕焼け」夏企画っぽい、輝晃視点「約束の夏」最終話。
　夏企画っぽい、と言いながらどうしようか、いまだに悩んでいたりします。
　単に企画のページに一旦置くか、普通に目次ページにアップするかの差なんですが……。
　指輪ネタ、しばらく引っ張ります。
　輝晃くんの性格上、この展開は必然というか……本編3の続きですね。
　思うに、「異国の空の下で」の頃、虎視眈々と準備していたに違いないです(ズビシ)！

――　夕焼けと机と教室と。～約束の夏4～　――

　「どれにする？」という輝晃の問いに、小槙は躊躇うように考えて「じゃあ、これ……」と露店の指輪のひとつを選んだ。
　並ぶチープな感じがいなめないガラス玉のそれらだから、彼女も買ってもらうことに抵抗を感じなかったようだ。
　受け取ると、嬉しそうに微笑んで「ありがとう」と礼を言う。
　小槙の選んだ指輪は、シルバーに小さなガラス玉が三つ並んだごくシンプルな形のもの。
　つけていても、たぶん目立たないだろう。

「約束しただろ」
「うん」

　しかし、本当の意味での約束はこれからだった。
　人ごみの中心から少し外れた花火を見るには二等席の土手の上に立って、桜の木の木陰から空を仰ぐと鮮やかな夜の華が咲いた。
　ドーン、と低い地響きが辺りを歓声に包む。
　後ろから小槙を抱いて、輝晃はそれを彼女に渡した。
「なんやの、これ」
　ベルベットの小さなケースに入っているモノと言えば、決まっているだろうに。
「　婚約指輪　」
　平然と言ってのけた輝晃に、ドーンという花火の音とともに小槙は顔だけふり返らせる。
　困ったように、帽子を目深にかぶりサングラスは外した彼を見つめた。
　キラキラ、と照らし出されるその像に首を振る。
「輝晃くん。それは……受け取られへんて、言うてる」
「受け取らんでええから、かけといて」
　輝晃は手にしていたプラチナのチェーンに指輪を通すと小槙の首にかけて、その項にキスをした。
　そうして、左手で彼女の手を取るとその薬指にある安物の指輪に唇を寄せる。
「虫除けは コレ で我慢しといたるから、いつか心が決まったら――」
　小槙の浴衣の襟元から手を入れて、輝晃は薄い肌襦袢〔はだじゅばん〕の上から彼女の胸を責めあげた。
「……ん、やぁっ！　あっ」
　と、真っ赤になって抵抗し、しかし彼の腕からは逃れられず、そのまままさぐる腕にすがりつく。
　打ち上げられる花火の音と歓声で、たぶん彼女の声は彼以外の誰の耳にも届かない。
「輝くん、やだ……」
　弱くふるえる小槙の耳の後ろに唇を添えて、輝晃は低く囁いた。

「　いつか、心が決まったら指にはめて……見せてよ。分かった？　」


　彼女が頷くまで、彼は責めを止めなかった。

　　>>>おわり。