夕焼けと机と教室と。約束の夏2

　「夕焼け」、夏企画っぽいゾ「約束の夏」第二話です。
　えーっと、いつものごとく輝晃視点があれば、小槙視点があるって感じになりそうです。
　……いつも、一話読みきりのつもりで書きはじめるのに、勝手に分割されちゃうのよね～。
　って、コトで今回も勿論あります。
　今回は、輝晃視点の方が大人しいですよ？
　小槙視点は今から……ですが、浴衣プレイ(←おいおい)を狙っているので、規制が強くなりそうです。
　それはそうと、すごい雨ですよ。
　明日も雨らしいですよ。
　山やら川やらの近くは大変そうですね。

　以下、「夕焼け」の夏企画モノ？　「約束の夏」第二話。
　中学時代、修学旅行のあと……文化祭の前って感じで二人の距離感はこんなモノかと思います。
　一番、近づいていた頃ですかね。

――　夕焼けと机と教室と。～約束の夏2～　――

　中学三年の夏休み、登校日の放課後。

　輝晃たち男子を呼び止めたクラスの女子たちが、明日近くの川原であるという花火大会に行かないかと誘ってきた。
「女子みんなで行かへんかって話になってんけど……一緒に行かへん？」
「ふーん」
　と、輝晃は相槌をうって、彼の周りにいた友人は「ええんちゃう？」「ヒマやし」「楽しそうやん」と乗り気になって集まってきた。
　もう帰ってしまった連中もいるから、「みんな」というには語弊があるかもしれなかったが。
「……委員長は？」
　ふと、輝晃はちょうど窓際の一番前の席で帰り支度をしていた小槙にふり返って訊いた。
「え？」
　黒ブチの眼鏡をかけたおさげの少女は、突然声をかけられて戸惑ったように手を止める。
「委員長も行くの？」
「え、え？　なんの話なん？」

「あー！」

　と、大きな声を張り上げて女子のみなさんがまくし立てた。

「そうや。委員長にはまだ、話してなかったわ！」
「わ、わざとやないよ？　いややわーウッカリしとった」
「あんな、明日川原である花火大会にみんなで行こかって話になって……仁道さんは行けるかなあ？　行けるよね！」

「……う、うん。大丈夫やと思うけど」
　彼女たちの畳みこむような剣幕に半ば押されて、こくこくと小槙が頷いた。
「やって！」
「輝くんも行く？」
「行くやろっ？」
　ふり返った彼女たちの必死の形相に輝晃は微笑〔わら〕って、「いいよ」と答えた。

　　>>>続きます。