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裏表一体、日々のこと。
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 「たとえばこんな日常とか」バレンタインネタの彼視点です。
 もう少し早く載せるつもりが……睡魔に負け、3時間ほど爆睡しました。日付が変わっちゃった? ようで申し訳ないです。
 この話には(も?)、おまけの後日談がありますが蛇足感が拭えずとりあえずバレンタインネタとしては、彼視点でおわりです。
 おまけは、なくても大勢に影響はない程度のエピソードなので(^^ゞ

 以下、「たとえばこんな日常とか」彼の場合4。
 微妙な距離の理由はこんなトコロにありました、ってコトでしばらくは彼は欲求不満でしょうか。
 きっと、彼女大好きの彼のことなので楽しみを見出すとは思いますが。




―― たとえばこんな日常とか・彼の場合4 ――

 悩む小槇もいいけれど、怒る小槇も可愛いと馳輝晃〔はせ てるあき〕は思っている。


 夜景の見えるホテルの部屋の窓ガラスの前。
「もう、もうっ! なに言ってんの!! 今年は無理やって言ぅてるのにっ」
 プリプリと怒る彼女を眺めていると、「聞いてる?」と眉をひそめた彼女が顔を近づけるから条件反射で唇を寄せてしまう。
「全然、聞いてへんしっ」
 顔を真っ赤にしながら、輝晃の手の甲をつねる。
「聞いてるって」
「嘘ばっかりー、ホンマにでけへんから。知ってるやろ!」
「うん、知ってる知ってる。俺が仕込んだんやし……我慢するって言うたやん」
「………」
 頬を染めて小槇は俯くと、「その言い方、やめてよ」と耳まで赤くなる。
「なんで? だって、俺の子やろ?」
「そう、やけど……生々しいって言うか。もうちょっとソフトに言ってほしいって言うか」
 そのボソボソと呟く頬を指でつついて、輝晃は彼女の顎を持ち上げ微笑んだ。
「ははーん、なるほど。つまりはあの時のことを思い出すっちゅーワケやな。よかったよなあ? 南の島でのニュイヤーエッチ」
 図星なのか、どうなのか小槇は抵抗して「ちゃう、ちゃうから!」とブンブンと首を横に振った。
 そして、輝晃はと言うと彼女から(半ば投げつけられるように)送られた箱の中身を取り出して、口に入れる。
 甘く溶けるチョコレートを確かめて、彼女の後頭部を手のひらで固定した。
「ぅんんっ」
 強引に侵入した男の舌に、小槇は抗いわずかに口を開閉する。
 それが、輝晃の舌を誘導しさらに深く導いた。
「ふっ、ぅん」
 深いキスが終わった頃には口の中のチョコレートは溶けてなくなり、チョコとは違う甘い空気が漂った。
 息も絶え絶えの小槇をベッドに座らせて、ゆっくりと横たえる。
 そっと彼女の上気した頬を撫で、首筋に滑らせてさらに下へと手のひらを伸ばした。
「ここに、おるの?」
 と、そのまだ変化のない腹部に手のひらをあてて訊けば、小槇はまだ荒い呼吸の中頷いて目の下を赤くする。
 彼の手の上に重ねるように両手をのせ、輝晃を見つめた。
「うん、おるの……イヤ?」
「どうかな? 正直、小槇と出来んのは かなり 辛いけど……でも、俺はずっと欲しかったし」
 答えると、さも意外そうに小槇が目を見開いてみせる。
「嘘や。ずっと、つくらんようにしてたくせに」
「まあな、それは認める。けど、欲しかったんや。嘘やない」
 真剣な輝晃の言葉にウン、と頷いて小槇は嬉しそうに笑った。
 左肘をついた彼の肩に頭を向け、頬を擦り寄せてくる。

(くっそ。可愛ええ!)

 これがもし「安定期」ならお願いしてでも最後までいたしたいトコロだが、今は 一番 大事にしなくてはいけない時期だ。
「なあ、小槇?」
「ん?」
「もう一つ食べてええ?」
 そう言って輝晃はチョコレートの箱を持ち上げ、その中から一つを摘み上げる。残りはあと三つだ。
 身を持ち上げ、ベッド横のサイドテーブルに箱を置く彼を彼女は不思議そうに見た。
「……え、ええけど?」
 よく分からないと首を傾げ、小槇はあどけなく答えた。
 そして。
 アッと思う間もなく組み敷かれ、あの深いキスを受ける。
 口腔内を侵すような、塗りかえるような執拗な舌の動きにドン、ドンと男の胸を叩いた。
「んっ! んっ!!」
 彼女の、その抵抗すらも可愛くて輝晃は最後までできないことを また 悔やんだ。

  >>>おわり。

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無題
おまけが気になる人その一です(笑)一人占めしたい彼も成長したのか?生まれるのが男の子だと取り合いですね。
mimana 2011/02/15(Tue)00:40:16 編集
ありがとうございます!
おまけが気になる、と言っていただけて嬉しいです。「たとえば~」の掲載場所がまだ未定のため(「隠れ家」にするかどうか?)はっきりとは言えませんが、近いうちに載せれるように考えますね!
子どもが男の子だったら取り合い、女の子だったら溺愛ですかね(←王道?)! 次のエピソードがあるとすれば、マスコミ関連かな? とか思っています。やっぱり芸能人らしいエピソードも入れたいし!
【2011/02/16 23:50】
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