ポポロクロイス物語2。の妄想、その一。

　二次小説です。
　初めてのコトなので、やってはいけないことを普通にやってるかもしれませんが、きっとそんなに需要はないのでバレないはずです。
　やってはいけないこと……例えば、世界観とかかなりうろ覚えのままなので間違っているかもしれないとか。
　気づいているけどあえてゲームのセリフ回しとか無視してる箇所があったりします。
　今回の場面は、たぶん大丈夫だけど。

　以下、PS用RPG「ポポロクロイス物語Ⅱ」の最終場面の少し前のつもりで書きました。
　ゲームの当時のCMでのキャッチコピーは「二人の恋に涙がポポロ」だったですヨ！
　って、コトで恋愛メインで妄想してます。
　ゲーム内の情報から、ピエトロ王子は１５歳でナルシアも１５歳（ピエトロよりも誕生日は早い？）。初々しい感じです。
　最後のボスを倒して、なんとかいう呪いみたいな化け物を封印したあとの一コマ。まずは、ナルシア視点から。
　どうも、私の中のナルシア像は健気で大人しいという感じなんですが、ポポロクロイスの一作目の１０歳の彼女は結構ガンガン行くタイプ？　とギャップがあります。
　根は頑なで案外強いってコトかしらね。
　ピエトロ王子像は一貫してます。が、それは次の妄想場面で！

――　ポポロクロイス物語2~最終場面の少し前~　――

　森の魔女の家。

「……トロ。ご、めんね……ぅぅん」

　目を開けると、そこは見慣れた木の天井。
　ボンヤリと眺めていると、ポカリと頭を勢いよく叩かれてつい「痛い、ギルダ姉さん」とその鉄拳の主を恨みがましく睨んでしまう。
　でも、あれ？
「ギルダ、姉さん？」
「まったく！　驚かすんじゃないよっ」
　と、いつもの怒鳴り声で年老いたギルダはベッドのナルシアを叱った。
　その目は心なしか疲労に疲れたようでもあり、涙に潤んだようでもある。
「おまえときたら、森の魔女のクセにいつになったら賢くなるんだい？　あんなところで寝ていたら……」
「あんなところって？」
　呆然と訊くと、言い聞かせるようにギルダは告げた。
「かけあしの泉だよ」
「……姉さん、わたし、海水に……泡になったはずなのに」
　ポカリ、ともう一回叩かれて、「なってたら、ここにいるはずないだろう？　夢でも見たんじゃないのかい？」とため息まじりに嘆かれた。
「で、でも……レムリア大陸は」
　アレが夢だというのだろうか？
　いや、最後の方はナルシアの願望だとも言えなくはないが。
「ああ、ピエトロ王子がちゃんと沈めたみたいだね？　今は、お城で静養しているって聞いてるよ。海岸で倒れていたって話だししょうがないね」
「……そう。よかった」
　無事に、生きて戻れたのだ。
　自分が、どうして助かったのかはわからないけれど……今は、感謝しよう。
　生きてる。
　それだけで、いいんだ。彼をあんなふうに悲しませるのはもうイヤだもの。

「ギルダ姉さん、ごめんなさい」

　心配かけて。
　怒っても、厳しいことを言っても、ギルダはきっとつきっきりで看病をしてくれていたに違いない。
「ふん、殊勝になっても甘やかすギルダ様じゃないよ。働かざる者食うべからず、ってね。明日からはしっかり働いてもらうから覚悟おし！」
「……うん」
　遠まわしに今日はゆっくり休んでいいと言っているのかな？　と思うと、少し可笑しかった。
「笑うんじゃないよ！」
　また、ポカリと叩かれてナルシアは「痛い！」と悲鳴を上げた。どうやら動揺したギルダが力加減を間違えたらしい。

　ギルダが下に下りていくと、ナルシアはベッドに横になって目を閉じた。
「……どうしよう」
　横になってよくよく考えてみると、最後にピエトロと交わした言葉が次第に恥ずかしくなってきた。
　あの時は最期だと思って必死だったけれど……次に会うとき、どういう顔をすればいいのかと嬉しいような困ったような？
「やっ、やだ！　……もうっ」
　ベッドの中で身悶えるナルシアを見て、「なんだ、もう元気じゃないか」とギルダが呆れたように首を振った。

　　>>>ポポロクロイス城に続く。