裏表一体、日々のこと。
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十七の年になった頃のこと。
高伊奏江〔たかい かなえ〕は父から伝えられた儀式の話に怖気がたった。もともと、仕事気質の父親とは衝突してばかりなのだが……それにしても、そんなことがあっていいのかと思った。
昔の皇族ならまだしも、現代では時代錯誤もいいところじゃないか?
『そろそろ和宮〔かずみや〕家の緋里〔ひさと〕嬢との婚約披露もせねばならんだろうな?』
という、父親の言葉は奏江からすれば、まだ許容範囲だった。幼い頃から和宮緋里〔かずみや ひさと〕とは「いいなずけ」として育てられてきたし、奏江の護衛役である三春真広〔みはる まさひろ〕とも彼女は仲良しだ。
性格は悪くない。
好きか嫌いか、と問われれば好きの部類に入るとは思うが、恋愛かどうかはよく分からない。
友人、に近い。奏江からすれば、護衛役の真広よりも緋里の方がそれに近いように思えた。
(……そんな性癖がある、つもりではなかったのに)
最近の奏江はそんなことばかり、考える。
欲求不満か?!
「馬鹿親父っ!」
乱暴に言葉を吐き捨て、自らの寝所に入った。
父親は婚約後のことを考えて、息子に女をあてがったのだ。そういうシチュエーションになった場合、どちらも初心者では色々と悲惨なのだから男がリードしなければ、という話らしい。
どういう理屈だ、と奏江は憤った。
「奏江さま、言葉遣いは丁寧にされないと……もう子供ではないのですから」
「わかっている!」
いつものように答えて、(え?)と我に返った。
「真広?」
「はい、奏江さま。お待ちしておりました」
寝具の傍らに白い内着姿で座した真広は平伏して、愕然とする主をまっすぐに見上げた。
父上は言った。
初めて同士は悲惨だと。
だから、「初めて」の女性を 先に 一度経験しておけば対処法もわかるようになるだろう、と。
>>>晴天の霹靂1。終了。
「みちつくの庭」のかなり先に進んだ続きです。
いや、こうシチュエーションが浮かんだからね、忘れないように……と思って。
緋里嬢とのエピソードも考えています。
身分違いの恋は心トキメク要素がいっぱいでとても楽しいのですが、時代考証とか難しくてなかなか書き込めません。
なので、「みちつくの庭」の時代考証も厳密には決めてないのです。なんちゃって大正時代かな? とか思ってます。
天皇様はおりますが、フィクションです。石を投げないで(泣)。
思い立って書いたので、続きはまた気分に任せて書きます。「1」ってなってるから「2」もあるよ、きっと!
高伊奏江〔たかい かなえ〕は父から伝えられた儀式の話に怖気がたった。もともと、仕事気質の父親とは衝突してばかりなのだが……それにしても、そんなことがあっていいのかと思った。
昔の皇族ならまだしも、現代では時代錯誤もいいところじゃないか?
『そろそろ和宮〔かずみや〕家の緋里〔ひさと〕嬢との婚約披露もせねばならんだろうな?』
という、父親の言葉は奏江からすれば、まだ許容範囲だった。幼い頃から和宮緋里〔かずみや ひさと〕とは「いいなずけ」として育てられてきたし、奏江の護衛役である三春真広〔みはる まさひろ〕とも彼女は仲良しだ。
性格は悪くない。
好きか嫌いか、と問われれば好きの部類に入るとは思うが、恋愛かどうかはよく分からない。
友人、に近い。奏江からすれば、護衛役の真広よりも緋里の方がそれに近いように思えた。
(……そんな性癖がある、つもりではなかったのに)
最近の奏江はそんなことばかり、考える。
欲求不満か?!
「馬鹿親父っ!」
乱暴に言葉を吐き捨て、自らの寝所に入った。
父親は婚約後のことを考えて、息子に女をあてがったのだ。そういうシチュエーションになった場合、どちらも初心者では色々と悲惨なのだから男がリードしなければ、という話らしい。
どういう理屈だ、と奏江は憤った。
「奏江さま、言葉遣いは丁寧にされないと……もう子供ではないのですから」
「わかっている!」
いつものように答えて、(え?)と我に返った。
「真広?」
「はい、奏江さま。お待ちしておりました」
寝具の傍らに白い内着姿で座した真広は平伏して、愕然とする主をまっすぐに見上げた。
父上は言った。
初めて同士は悲惨だと。
だから、「初めて」の女性を 先に 一度経験しておけば対処法もわかるようになるだろう、と。
>>>晴天の霹靂1。終了。
「みちつくの庭」のかなり先に進んだ続きです。
いや、こうシチュエーションが浮かんだからね、忘れないように……と思って。
緋里嬢とのエピソードも考えています。
身分違いの恋は心トキメク要素がいっぱいでとても楽しいのですが、時代考証とか難しくてなかなか書き込めません。
なので、「みちつくの庭」の時代考証も厳密には決めてないのです。なんちゃって大正時代かな? とか思ってます。
天皇様はおりますが、フィクションです。石を投げないで(泣)。
思い立って書いたので、続きはまた気分に任せて書きます。「1」ってなってるから「2」もあるよ、きっと!
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そうなんです。
mimanaさん、正確なご判断ありがとうございます。説明がなにもない段階で読んでいると、BLみたいかな? と思いつつ、黙ってました。
「2」もちょっと気分はBL要素が高めです(←え?)。
この話はヒロインの女の子度が低めなので、ずーっとこんな感じかもしれません。楽しんでいただけたら、よいのですが(^^ゞ。
「2」もちょっと気分はBL要素が高めです(←え?)。
この話はヒロインの女の子度が低めなので、ずーっとこんな感じかもしれません。楽しんでいただけたら、よいのですが(^^ゞ。
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