裏表一体、日々のこと。
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「魔王子とメイド、な関係」の魔王子視点の前編です。
場面は、メイドな彼女と同じ……と見せかけて、まったく違う場面です(笑)。
魔族の主な外観的特徴として、紅髪に紅瞳としているのですが。
何故か、魔王子の彼は金髪なイメージが強く(遠い目)時々、忘れそうになります。というか、きっと魔王子の彼の髪は、紅の中でも火炎に近い色をしているんだと納得させています。
金色に煌めく紅髪、って派手だな……とは思うんですが、まあ魔族だし気にしないってコトで(^^ゞ
以下、「魔王子とメイド、な関係?」前編。
飄々とした彼なので、こうなりました。
特段、魔王子なのでコレという種族の指定はありません。なので、なんにでも結構なれるんじゃないですかね……性別も偽れる人だと、思います。
場面は、メイドな彼女と同じ……と見せかけて、まったく違う場面です(笑)。
魔族の主な外観的特徴として、紅髪に紅瞳としているのですが。
何故か、魔王子の彼は金髪なイメージが強く(遠い目)時々、忘れそうになります。というか、きっと魔王子の彼の髪は、紅の中でも火炎に近い色をしているんだと納得させています。
金色に煌めく紅髪、って派手だな……とは思うんですが、まあ魔族だし気にしないってコトで(^^ゞ
以下、「魔王子とメイド、な関係?」前編。
飄々とした彼なので、こうなりました。
特段、魔王子なのでコレという種族の指定はありません。なので、なんにでも結構なれるんじゃないですかね……性別も偽れる人だと、思います。
―― 魔王子とメイド、な関係? 前編 ――
ルルゥと初めて言葉を交わしたのは、王宮の片隅だった。
けれど。
キラが彼女と出会ったのはそれよりもう少し時を遡り、そして多分彼は知っているけれどルルゥは知らない、という 特殊な 状況下にあったのだ。
その夜は。――そう、二人の最初の出会いは月明かりがほとんど遮られた曇天の「夜」だった。
「ひあっ!」
夜、目が合った人影がビクリと飛び上がり、次の瞬間にはそこから消え渡りの回廊から内庭に転がり落ちていた。
うーん、と呻く声は 若い女のもので目でも回してしまったのか動かない。
(捨て置くか……いや)
本当は放っておくつもりだったが、あとで騒がれても面倒だなと思い直した。
倒れた植え込みから人目につきにくい芝生まで彼女の襟首を銜え引っ張って運び、仰向けに寝かせる。
身につけているお仕着せの真新しいメイド服から、最近入った新入りなのだろうとあたりをつけて……(コイツ、大丈夫なのか?)と他人事ではあるものの心配になる。
先ほどの間抜けすぎる足の踏み外し方は、よほど仕込んだ演技でもなければホンモノだろう。
間諜とか刺客とか、たまに出没する王宮内だから警備は厳しい。内部〔ここ〕まで入るのは至難の業だ。
彼女が手練れの ソレ とは到底思えない。
今だって、緊張感のない顔で眉をハの字にしたり、ギュッと目を閉じたりしている。
(タヌキ寝入りかよ、下手過ぎだろ)
尻尾で頬をなぞってやる。
身を竦ませ、ブルブル震える小柄な彼女は「あわわわわ」と瞼を開けるべきか真剣に悩んでいるようだ。
ペロリ、とその美味しそうな頬を舐める。
「 ! 」
瞳を開けた彼女と赤色の視線が合い、もう一度頬を舐める。
「………」
固まった彼女は、お世辞にも有能なメイドには見えなかった。きっと、入ったばかりの王宮で遅くまで仕事が残り、終わった頃には暗くなっていて帰る通路を間違えウロウロしているうちに迷子になったに違いない。
王宮には、そういう魔族の中でも極めて魔力が少なく、一族の落ちこぼれとなる哀れな同胞を引き受ける特別枠があるのだ。
(なるほど。実際に目の当たりにすると必要性を感じるな……こういう輩は同族の群れにいれば 標的 になりえる)
痛々しい最期が想像しえて、古くからある制度に納得をする。
動きの鈍い彼女の目を眺め、そろそろ思考が落ち着いてきたと見てとったキラは座っていた足を立たせて、背を向けた。
>>>続きます。
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