裏表一体、日々のこと。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
先日、萌えシチュエーションで短編を書いている云々をブログで書いていたと思いますが、その中で続きが気になる(←自分で書いておいて(^^ゞ)設定を載せてみます。
続きが個人的に、かなり気になる二人の話はファンタジー世界です。
舞台設定は、思いつきなので曖昧です(笑)。でも、こういうカップルは好きだなあ……特に女の子が頑張ってる感がお気に入りです。
小さい姫、は今後侯爵に齧りついて、いや、うん、まあそういう話です。ネタバレ?
以下、「小さき姫と年の差侯爵」前編です。
侯爵の設定は、ある一つのポイント以外は自由自在に変更可能です。
なぜなら、重要な萌えシチュはその一点だけなので。
続きが個人的に、かなり気になる二人の話はファンタジー世界です。
舞台設定は、思いつきなので曖昧です(笑)。でも、こういうカップルは好きだなあ……特に女の子が頑張ってる感がお気に入りです。
小さい姫、は今後侯爵に齧りついて、いや、うん、まあそういう話です。ネタバレ?
以下、「小さき姫と年の差侯爵」前編です。
侯爵の設定は、ある一つのポイント以外は自由自在に変更可能です。
なぜなら、重要な萌えシチュはその一点だけなので。
―― 小さき姫と年の差侯爵(前編) ――
てとてとてと、と宮殿の回廊を走るのはジャカルティエ男爵の令嬢であるチサだった。
またの名を、『小さい姫』と呼ばれる彼女は社交界の案外有名人である。どうして有名か? って言うと――かなり、悲しい理由があって、彼女はあまり耳にしたくない話だった。その噂話(ある一種のイジメに似たトトカルチョ)を終わりにしたい一心で、彼女は走っている。
今日の舞踏会は、彼女の意中の侯爵が開いた千載一遇の好機だ。勇み足で舞台に踏みこんだものの、意中の彼は姿を現さない。
痺れを切らしたチサは、その侯爵を探して走り回っている、という令嬢にあるまじき行動に出たワケである。
本来、淑女たるもの男性を追いかけないように教育される(恋愛上の駆引きでは太古の昔から追うよりも逃げるのが常道らしい)が、チサとて幼い頃からよくよく言い聞かされてきた教えではあるけれど、背に腹は代えられない(逃げて良かったコトなんて一度もなかったわ!)。なんとしても、侯爵に会って恋仲にならなくては!
(キリエ侯爵さまを逃したら、もう誰もわたしを娶ってくれないかもしれないっ)
悲痛な面持ちで、チサは真剣に身の振り方を考える。
家庭教師か、修道女か。
自分の容姿を鑑みれば、修道女のほうがいいかもしれない。
家庭教師は、能力も求められるが何より説得力を求められる。間違っても、教わる側よりも教える側が子どもに見えたのでは駄目なのだ。
(ああ、父さま……母さま。どうしてっ、わたしはこんなにチビで、真っ平らの、童顔にっ! 生まれたのですか!! お恨みします……いいえ! 見ていてくださいっ。きっと……きっと! 侯爵さまを落としてみせますわ!!)
キッとあどけない緑の瞳を前に向けて、チサは握り拳をつくった。
かの侯爵さまは、社交界で有名な童女趣味の持ち主らしい。チサも噂だけでしか耳にしたことのないお方だから、真偽のほどはわからないが……賭けるしかなかった。
一番、使いたくないコンプレックスを武器にするしか方法がないというのも複雑ではあるけれど、躊躇する意地なんてもう捨てている。
あまり社交的ではない独身貴族の侯爵が、この時期に舞踏会を開いたのも運命的である。
童女趣味ならイチコロのはずだ。
フワフワの黒髪に硝子玉の緑の瞳に白い肌、唇はサクランボのように瑞々しく、スタイルは良くも悪くも少女から脱しない程度の寸足らず。アンティークの人形に似ていると、よく言われる。
すでに結婚適齢期は過ぎた二十歳なのだが、見た目はどう先入観で二十歳だと言い聞かせても十三歳に見える。
宮殿の中をウロウロしていても、小さな子どもが探検をしているようにしか映らない。コソ、と扉に耳をつけて、中から聞こえる声(男性だわっ!)に集中する。
「侯爵」
声は、ほんの少し咎めるように響いた。
「解かっている――」
答えた侯爵であろう男の声はほどよく耳に残る低音だった。感情を抑えた声音で、従者に諌められるまでもなく受け入れるつもりであるが、ほんの少しの不満が滲み出ている。
何が、彼を大人げのない不満に駆り立てているのか……チサは興味津々で盗み聞きを続行する。
「そんなに、お嫌ですか?」
「……そうは、言ってない。言ってないが」
「まだ、伴侶を選ぶのは荷が勝ちすぎる……と?」
「……私しかいないのであろう? 覚悟はしてきた。ここで決める」
意を決した男の声に、従者が息を吐いて明らかにホッとしたようだ。
グラッと扉に預けていた体が傾いて、「あっ」と思うが気づいた時には床に転がっていた。
>>>中編に続きます。
てとてとてと、と宮殿の回廊を走るのはジャカルティエ男爵の令嬢であるチサだった。
またの名を、『小さい姫』と呼ばれる彼女は社交界の案外有名人である。どうして有名か? って言うと――かなり、悲しい理由があって、彼女はあまり耳にしたくない話だった。その噂話(ある一種のイジメに似たトトカルチョ)を終わりにしたい一心で、彼女は走っている。
今日の舞踏会は、彼女の意中の侯爵が開いた千載一遇の好機だ。勇み足で舞台に踏みこんだものの、意中の彼は姿を現さない。
痺れを切らしたチサは、その侯爵を探して走り回っている、という令嬢にあるまじき行動に出たワケである。
本来、淑女たるもの男性を追いかけないように教育される(恋愛上の駆引きでは太古の昔から追うよりも逃げるのが常道らしい)が、チサとて幼い頃からよくよく言い聞かされてきた教えではあるけれど、背に腹は代えられない(逃げて良かったコトなんて一度もなかったわ!)。なんとしても、侯爵に会って恋仲にならなくては!
(キリエ侯爵さまを逃したら、もう誰もわたしを娶ってくれないかもしれないっ)
悲痛な面持ちで、チサは真剣に身の振り方を考える。
家庭教師か、修道女か。
自分の容姿を鑑みれば、修道女のほうがいいかもしれない。
家庭教師は、能力も求められるが何より説得力を求められる。間違っても、教わる側よりも教える側が子どもに見えたのでは駄目なのだ。
(ああ、父さま……母さま。どうしてっ、わたしはこんなにチビで、真っ平らの、童顔にっ! 生まれたのですか!! お恨みします……いいえ! 見ていてくださいっ。きっと……きっと! 侯爵さまを落としてみせますわ!!)
キッとあどけない緑の瞳を前に向けて、チサは握り拳をつくった。
かの侯爵さまは、社交界で有名な童女趣味の持ち主らしい。チサも噂だけでしか耳にしたことのないお方だから、真偽のほどはわからないが……賭けるしかなかった。
一番、使いたくないコンプレックスを武器にするしか方法がないというのも複雑ではあるけれど、躊躇する意地なんてもう捨てている。
あまり社交的ではない独身貴族の侯爵が、この時期に舞踏会を開いたのも運命的である。
童女趣味ならイチコロのはずだ。
フワフワの黒髪に硝子玉の緑の瞳に白い肌、唇はサクランボのように瑞々しく、スタイルは良くも悪くも少女から脱しない程度の寸足らず。アンティークの人形に似ていると、よく言われる。
すでに結婚適齢期は過ぎた二十歳なのだが、見た目はどう先入観で二十歳だと言い聞かせても十三歳に見える。
宮殿の中をウロウロしていても、小さな子どもが探検をしているようにしか映らない。コソ、と扉に耳をつけて、中から聞こえる声(男性だわっ!)に集中する。
「侯爵」
声は、ほんの少し咎めるように響いた。
「解かっている――」
答えた侯爵であろう男の声はほどよく耳に残る低音だった。感情を抑えた声音で、従者に諌められるまでもなく受け入れるつもりであるが、ほんの少しの不満が滲み出ている。
何が、彼を大人げのない不満に駆り立てているのか……チサは興味津々で盗み聞きを続行する。
「そんなに、お嫌ですか?」
「……そうは、言ってない。言ってないが」
「まだ、伴侶を選ぶのは荷が勝ちすぎる……と?」
「……私しかいないのであろう? 覚悟はしてきた。ここで決める」
意を決した男の声に、従者が息を吐いて明らかにホッとしたようだ。
グラッと扉に預けていた体が傾いて、「あっ」と思うが気づいた時には床に転がっていた。
>>>中編に続きます。
PR
この記事にコメントする
裏切りでしょうか?
コンプレックスを強みにする前向きな女性(見た目は少女)と見た目よりもグッとヘタレな侯爵の話(ネタバレ?)です。うーん、期待に添える話の流れかは……どうぞ、生温かく見守ってやってください。前中後編にしちゃったのも申し訳ないです(汗)!
新・アンケート開催中
カレンダー
どれにしますか?
こんなん生息中。
HN:
なお
HP:
性別:
女性
住所:
大阪府
職業:
たぶん、そのうち無色。
趣味:
主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
自己紹介:
恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
新しい日々
2016
/
09
/
11
(
Sun
)
22
:
39
:
09
)
2016
/
09
/
04
(
Sun
)
22
:
45
:
15
)
2016
/
09
/
03
(
Sat
)
19
:
51
:
06
)
2016
/
01
/
01
(
Fri
)
00
:
19
:
24
)
2015
/
12
/
30
(
Wed
)
21
:
26
:
50
)
こめんと
無題
(
君を、きっと、好きになる。2.6-桜
)
from:
mimana
2013
/
05
/
21
(
Tue
)
21
:
48
:
28
無題
(
恋敵がやってきた!2
)
from:
mimana
2012
/
02
/
22
(
Wed
)
00
:
16
:
32
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分3(終)
)
from:
mimana
2012
/
01
/
20
(
Fri
)
13
:
02
:
04
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分2
)
from:
mimana
2012
/
01
/
15
(
Sun
)
22
:
53
:
05
無題
(
鳴海広之の場合。天使の領分1
)
from:
mimana
2012
/
01
/
12
(
Thu
)
23
:
03
:
07
ブログ内検索