天気予報士な恋。それから1-1

　「天気予報士な恋」のそれから、1-1です。
　「いち にの さん」の二人に会った直後から始まっている、というつもりです。
　暑いときに、こういう話を書くのはかなりツライです。暑いときは、冬の話を書くに限るですよ（悲痛なる叫び）！
　しかし。
　「天気予報士な恋」の二人の流れで、冬はかなり間があくので暑い夏の話になりました。なんか、他に冬の話になりそうなの探して書いておきたいです。
　クリスマスの時に使えるから、無駄にはなるまい。

　「天気予報士な恋」の更新と、拍手お礼の追加を八月中に行う予定です。
　その際「小説家になろう」様のページも追加する予定です。

　以下、「天気予報士な恋」それから1-1。
　サブタイトル「目論みは、夏日和」なのですが、長いし前のエピソードとの繋がりもあるので「それから」シーズンでブログの表題は統一です。
　ややこしいですが、お付き合いいただけると嬉しいです。

――　天気予報士な恋～目論みは、夏日和。1～　――

　ギュッと握ってきたかと思うと、やけに思いつめた表情〔かお〕をして湊は「和美さん……」と何かを言いかけて躊躇った。
「なに？」
「いえ。あの、遠出したくありませんか？」
　と、ニコリと微笑む。
　綺麗な顔に優しく浮かぶ憂いが、和美には目の毒だった。それだけで、何でもしてあげたくなってしまう。つまりは、欲情に近い感情が胸を占めるのだ。
「遠出？」
　平常心を心掛けて、気持ちを落ち着かせる。
「海、とか……夏だし。和美さんと行ってみたいな、と思って」
　ウミ、海かあ？
「うーん。泳ぐの？」
「それは、もちろん。だって、和美さんの水着姿が見たいから」
　彼お決まりの爽やかな直球に、真っ赤になるのを和美は自覚した。けれど、二十代では抵抗が少ないかもしれないソレに、今の彼女は少しハードルが高い。
　見せるほどの価値はない、と頭では断る理由をブツブツと考えるものの、彼のこの手の懇願に和美は滅茶苦茶に弱い。求められれば、叶えてあげたいと勝手に譲歩を示すし、見返りはほんの少しの気持ちのいい言葉で満足だった。
「和美さんって、夏休み何日かとれるんですか？」
「そうね、二・三日なら……とれるわよ」
「良かった。じゃあ、休み合わせましょうね」
　にっこりと嬉しそうに笑った湊についつられて頷いて……あとで、（うわあ！　どうすんの、わたしっ？）と猛烈に後悔をする。

　だって。

　だって！　年下の若い彼と海ってどうなの？！

　>>>続きます。