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裏表一体、日々のこと。
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 「世界はこうして廻っていく」これにて一連のエピソードは終了です。
 昨日、先立って「龍」の目次に「世界は~」の連載を始めてみましたが……ややこしい事実判明しました。
 「龍」の登場人物紹介で、菫さんの勤め先の部署名が企画営業課ってなってるのに、コチラの主人公が営業企画部とか連発してるんですけど……まあ、いいか。営業企画部の企画営業課ってコトで(←いい加減な^^;)。
 一応、考えていたエピソードは一通り消化したんですが、最後の最後で端折ってしまったネタをどうしようかと考えています。
 最後の場面から少し、視点を茅野繭子さんで書いても面白いかな~と思いつつ、反応が微妙そうなのでねえ(笑)。

 それと、衝動的に「アルファポリス」さまに市民登録したので、ついでにサイトとかブログとかも登録してみました。
 ランキングバナーも設置しております……適当に、踏み踏みしてやってください。
 「アルファポリス」さまでは、現在「恋愛小説大賞」なる企画をされているようです。エントリーされている方々を覗いてみると(というか、この投票のために私は市民登録したんだけど(^^ゞ)、錚々たる方々です。
 みなさまも、もし読んでいる作品がエントリーされていたら投票してみてはいかがでしょ?
 案外、市民登録簡単だったわー。
 ちなみに「うらキロ」の作品はエントリーしてませんので、お気遣いはいりませんよー(←誰もしないってば!)
 一人、三作品に投票できるみたいです。

 以下、「世界はこうして廻っていく」act3-2。
 これにて、完結。茅野さん視点と同じくらい、実は鴇田視点も書きたいです(主張)!



―― 世界はこうして廻っていく。act3-2 ――

 秋人には 何が 起こったのか、分からなかった。
 彼女が何に、あんなにも悲しい顔をしたのかも――気づかなかったほど。


「秋人、なんだ留守番か? いま、繭子ちゃんが泣いて走っていったけど……おまえ、何か悪さでもしたんじゃないか?」

 ニヤニヤ笑う、昔馴染みの友人に睨みをきかせる。
「………」
 こいつとは、二度と口をきかないと決めている。大体、「繭子ちゃん」ってナンだ? 馴れ馴れしいんだよ。俺が 悪さ なんてするワケがない。おまえとは 違う のだ。
 しかし、聞き捨てならない単語がひとつ。
「泣いて?」
「そう。可愛い女の子が泣いてると、つい手を差しのべたくなるよなー。あ、俺は我慢したよ。おまえの大事な 相手 にまで手を出さないって」
 ニヤニヤ笑いで何を言う。
 本気かどうかも怪しいことを鴇田聡史〔ときた さとし〕は並べて、突っ立っている秋人に肩をすくめてみせる。

「ごめん、って、おまえ…… アレ じゃあ 誤解 されても仕方ない」

 こいつ、どこから聞いてやがった? と、秋人は忌々しく思った。が、どうやら それ どころではないらしい。
(そうか、誤解したのか……茅野さんは)
 って、ちょっと待て。

「うわー! そういう こと かっ」

「――遅いんだよ」
 少々、呆れ顔で聡史は笑って、ポンとうずくまる情けない秋人の肩を叩いた。
「追っかけて、早く 好き って言って来い」
 しかし、ことはそう簡単ではない。と、秋人の目が恨めしそうに訴える。
「教えてくれ、聡史……俺は、茅野さんが 好き なのか?」
 ダメだ、こりゃ……と聡史が心の中で呟いたのかどうか、事務所から追い出されると扉の内側から鍵を閉められてしまった。
(――部外者にしめ出されるとは、なんてことだ)
 屈辱に苦悩していると、扉の向こうから聡史がおかしそうに訊いてくる。
「あんだけ嫉妬心むき出しにしといて、よく言うよ。じゃあ、一体 なんだ と思ってるんだ?」

「うーん、……病気?」

 ここ、最近の自分のことを思い返して、一番近しいと思われる 単語 だった。
「なるほど、「恋煩い」とはよく言ったものだな」
 と、聡史が感心したように告げた。



 小さな彼女を腕に閉じこめて「好きだ」と言う。
 いきなりなことに驚いた繭子は怯んで、「里宮さん?」と困ったように見上げてきた。
 何しろ、先ほどまで彼女のそばにいた男は、前方五メートルくらい先に吹っ飛ばされていたからだ。
 一応、力の加減はしたが……災難だな、と加害者のくせに秋人は考えた。
( 今度、営業企画に行ったら謝っておこう )
 企画営業課で子供服の担当主任、のはずだ。

「君が、好きなんだ。茅野さん」

 問うように上げられた濡れた眼差しに、目を伏せる。
「俺以外の男は、見ないで欲しい」
 君を縛りつける、わがままを、許して欲しい。
 君が――。
 好きだと言ってくれた男は優しくなんかない。ただ、子どもでわがままなだけの成長してない大人なんだ。
 それでも、好きだと言ってくれるのだろうか?
 優しい感触を唇に感じて、秋人は目を瞠った。彼女の唇はやわらかくて、マシュマロのようにほのかに甘く、巧みだった。
「好きです」
 ペロリ、と最後に彼の唇を舐めて繭子は 彼女らしく 無邪気に頬を染めて笑った。
「わたし、里宮さん以外見ません。約束します」
「うん」
 と、鼻先がくっつくほど近く小柄な彼女を抱き寄せ、秋人は 触れる だけのキスをする。


 一瞬。

 茅野繭子の その 背中に小悪魔の蝙蝠のような黒い羽と尖った尻尾が見えた気がしたけれど――里宮秋人は彼特有の 寛容さ で気にしないことにした。

  >>>おわり。

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