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裏表一体、日々のこと。
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 「世界は~」の彼女、茅野繭子視点の第二回にして、最終場面。
 茅野さんは、私の中で「繭子」ではなく「茅野さん」でした(←どんな話だ?)。
 なので、彼らの続きを書くにしろ、彼には絶対「茅野さん」で押し通していただきます(力説)!
 時々、こういうどうでもいい「こだわり」をもって、話を書いています。こういう「こだわり」は、結構大切です。
 話に愛着がわく、第一歩ですから。
 ちなみに、野望として里宮氏には心の中で彼女のことを「まゆまゆ」と呼んで欲しい願望があります(←マニアックな彼だなあ^^;)
 思うに、里宮氏の性格は一般受けしないに違いないと……結構真剣に考えているのですが、実際どうなんだろう?
 一般受けしない、と思っていても、「ピアノ」の前歴があるのでちょっと微妙です。まあ、書いてる本人が楽しいからいいんですけど(←こらこら)。

 続き、は書くかまだ不明。あー、でも、鴇田視点は書きたいと思ってます。

 以下、「世界はこうして廻っていく」side Chino2。
 最後の一部分(五行程度です)、端折りました。他意はありません。目次にアップする際に追加します。




―― 世界はこうして廻っていく。side Chino2 ――

 ――「友達から」って、体のいい断り文句よね。
 昨日の夜、相談に乗ってもらった羽月の言葉を思い出して、(やっぱり、そうかな)と繭子は息をついた。

『そりゃあ、そうよ! あの 顔 で今まで 彼女 がいなかったなんて、ありえない。あんた、それ、絶対! 騙されてるわ。いーい? 繭子は可愛いんだから、顔じゃなくて もっと ちゃんとした男を選ばないとダメよ』

 力いっぱい説教されて、繭子も 確かに 見た目だけで選ぶことにはリスクがあると学習している。
(でも、里宮さんはそんな人じゃない……と思ったんだけどな)
 そう、考えると胸がキュゥンと引き絞るように痛んだ。
 と。
 受付のカウンターに居た繭子の目の前に人影がさす。
「茅野さん」
 え? とその聞いたことのある、落ち着いた低音に顔を上げると彼女の大好きな精悍な顔がそこにあった。
 少し緊張したように、差し出されたのは「交換日記」だった。
 しかも、昔、小学生の頃に買ったようなシッカリと鍵のかかるタイプ。
(もしかしたら、本当に付き合ったことがないのかも)
 信じてもいいような気がした。けれど、本当には信じられなかった。
 男の人は、誠実な フリ をして簡単に をつく――彼は 違う と心の中で願いながら、過去のトラウマが完全には拭いきれずにあたりさわりのない付き合いを続けた。
 そんな時、急に無視をされるようになって最初、やっぱりと思った。
 裏切られても、まだ、引き返せると思っていた。

 でも――。

 ごめん、という言葉に傷ついた。
(バカ……全然、引き返せてないじゃない。わたし、ホントに バカ みたい)
 すでに、深みはまっていたのだ。
 泣いて、廊下を歩いていたら、心配した優しい人が声をかけてくれた。ティッシュまで差し出してくれて、いい人だ。
 次に恋するときは、こういう人を好きになろう。
「すみません、ありがとうございます」
「はは、いいって。根がおせっかいなもので……うわっ」

(……うわっ?)

「好きだ」
 と、耳元で囁かれ、その相手に抱きしめられる。
「さ、里宮さん?」
「君が、好きなんだ。茅野さん」
 男っぽい逞しい体にギュッと強く、包まれて(嘘だ)と反射的に思う。
 問うように視線を上げれば、彼は鋭い眼光を気弱げに伏せた。

「俺以外の男は、見ないで欲しい」

( ……この人は、違う )
 今までに付き合った男の人とは――それは、勿論、当たり前のことだけど。
 願望、かもしれないけれど。
 信じたいと思うのは、引き返すことができないくらい 好き になってるから……。
 その唇に唇を重ねて、怯む彼に繭子は強引に舌を絡めた。
 そのたどたどしい反応に、無性に 手に入れたい という強い想いが生まれる。
(ううん。絶対、手に入れるから……ねえ? 里宮さん)
 こんなにも、「外見」と同じくらい「中身」を 欲しい と思った人は初めてだった。


 あなた、みたいな人は きっと いない。
 この世に、たった一人の特別なヒトだよ――。


「 好きです 」

 ペロリ、と最後に彼の唇を舐めて繭子は笑った。

  >>>おわり。

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好きですっ!
なおさん、こんばんはvv
密かに「世界は~」を楽しみにしていた私です。
里宮さん、好きですっ!
こういったギャップがある人いいですよね。
もう可愛いです。
茅野ちゃんじゃなくても惚れます。
ちなみに里宮さんって童○なんですか?
ずっと気になっている、純情とは程遠い私です。
初Hを想像するとなんだかドキドキしてしまいます。
ぜひ、続編を♪
東湖 2008/02/17(Sun)22:55:48 編集
ありがとうございます。
東湖さん、いらっしゃいませ~。
「世界は~」読んでくださっていたのですね、ありがとうございます。
里宮さん、す、好いて(感涙)?! いただけたですかっ。←動揺で言葉遣いがおかしい。
そうです、ギャップです。私もギャップのある人って好きなんですよね。
可愛いって、言っていただけて大層ホッとしています。
転び方によっては、変な人だからなあ(遠い目)。
純情とはほど遠い話ですが、里宮氏童○疑惑……続きを書く場合、避けては通れない話題だなあと密かに考えているトコロです。
答えとしては、勿論、童○なんですよ。ええ。

男性側の初、というのもシチュエーションが大事なので(笑)、書くとなればコレしかない……というモノを考えています。
続編、書きたい(しかし、まだ未定)です!
書けるかどうかは、運次第。
わざわざのコメント、ありがとうございます。勇気づけられました!
【2008/02/18 22:07】
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