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裏表一体、日々のこと。
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 「夕焼けと机と教室と。」の続きです。
 少し前に書いていた輝晃視点が……「2-1」という数え方です。
 間があいたので、前のヤツがどんなんやったか覚えてないかもなーと思いつつ、まあいいか(←おい)。

 えー、この話とはまったく関係ないですが!
 感想メールありがとうございます。返事をどこですべきかちょっと迷っています。
 アドレス記入されていると……メールで返信しているのですが、送る時はいつもドキドキしています。
 うっとうしかったら、ゴメンナサイ。
 でも、書きます。少し遅くなるかもしれませんが、忘れた頃に届くと思いますので驚かないでくださいね(^^ゞ。

 以下、「夕焼けと机と教室と。」の本編です。
 あの冒頭の場面の、際どいトコロ……この二人は、まだだった?!

―― 夕焼けと机と教室と。~2-2~ ――

 腕の中で言った頑なな小槙の言葉に、輝晃は「なんでだよ」と一人ごちた。
 が、耳元で口にしたものだから、アッサリと彼女の耳にも届く。
「わたしは、弁護士。馳くんは、クライアント! けじめはシッカリせんとね!」
 輝晃の胸を躊躇いもなく押す、融通のきかないお堅い彼女が憎らしくもあり、変わらないその生真面目さが嬉しくもあって、ホッとする。
「分かったよ、「仁道」。じゃ、この件は保留ってコトで異論は?」
「ないわ」
 くしゃり、と前髪をかきあげて輝晃は天井を仰いだ。
 そして、彼女から離れるとソファへ座ることをすすめる。
「そこでちょっと待ってて、持ってくるから」
「持ってくる?」
 って、何を?
 と。すぐに繋がらなかった小槙は、明らかにニヤニヤとした輝晃の表情に顔をしかめた。
「手紙。確か、取りに来たんだよね? 弁護士サン」

「……イジワルやねんから」

 ぽそり、と上目遣いで呟いた。
「仁道」
「え?」
 差し出された手紙を受け取って、小槙は真っ赤になった。
 故意に重ねられた手をそのままに、テーブルの向こう側にあるソファに座った輝晃に抗議する。
「は、馳くん!」
 くすくすと笑った彼は、やっぱりカッコよくて悔しいけど一枚の絵のように小槙の目を奪った。
 そらせない。
 輝晃の逃げのないまっすぐな眼差しが向けられて、さらに顔の熱が上がったのがわかった。
「安心した。まだ、免疫がないんやな」
 よく意味が分からなくて首をかしげると、腰を上げた彼にアッと思う間もなくキスをされた。
 唇と唇が触れ合うだけの、軽いキス。
 けれど、小槙にはそれだけで十分だった。
「な、な……なにするん??」
 チカチカと、目の前が光のプリズムで点滅する。
「あの時、邪魔が入ったから……心配してたんや。なあ、俺に予約させろよ」
「よ、予約って、なんの?」
「だから、あの日の続き。仁道のハジメテを全部、俺に頂戴」

「は、なっ……やぁっ!」

 小槙はこれ以上ないくらい動揺して、真っ赤になり、やらしく絡みつく彼の手を振り払うと立ち上がった。
 にっこり、笑う輝晃に恥ずかしくて目を合わせることもできない。
「ホンマに、「男」に免疫ないなあ? 仁道」
 可笑しがる彼の口調に、悲鳴のように叫んで応戦した。
「もう、もう! 知らないっ。こんなんセクハラやっ!」

「なに? 訴えるの? ええよ、弁護士サン」

 勝ち誇ったような彼の態度に、小槙はググッと唇を噛む。
「でも。セクハラで 俺を 訴えたところで、顰蹙〔ひんしゅく〕を買うんは仁道やからねえ。そう思わん?」
 八縞ヒカルのファンが、黙っているとは思えないと彼は言う。
 確かに、反論はできなかった。
「……なんで、そんなにイジワルなん? 馳くん」
 昔はそんなことなかったよね?
 言うほど接点はなかったけど……と思いつつ、小槙が泣きそうな気持ちで力なく訊くと、輝晃はそ知らぬ顔で答えた。
「そりゃあ、イジワルもしたくなるわ。好きな女に「おあずけ」くらわされたらなあ」

 その目が、誘うように色っぽくて小槙は目をそらすと、逃げるように部屋を出る。
 輝晃の呼んだタクシーに乗って、後部座席に落ち着くと、ドッとイロイロなことが思い出された。
「 あかん、胸がドキドキする 」
 本気になったら、あかん相手やのに。
 手にした手紙の内容を確認して、小槙は調査する事項を頭の中で整理するため、ひとつ頭を振ってため息をついた。

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