夕焼けと机と教室と。リング・ロビー。2（完）

　「夕焼け」本編5、番外でちょい遊びの入った「リング・ロビー」の第二回。
　コレの続きも、考えてはいるんですが……なんか、式場の場面がほとんど出てこなさそうな感じが、個人的にはビミョー（笑）。
　まあ、誤魔化せていいんですがね。私としては。
　このまま、結婚式になだれ込みカモしれません（その前に、お遊び関係の短いのが入るとは思いますが(^^ゞ）。
　この頃、まだ「夕焼け」の二人はあの 約束 があるので、ホテルに泊まっても我慢しております。←何を？　とは追及しないように。
　おさわり（←こらこら）はアリかもしれませんが^^;

　安倍内閣の内閣改造が発表されましたね。
　数日前から、ちょっと気になってたんですが……なんか、ものごっつー重くなった感じ？←いい加減。
　失言とかスキャンダルは少なくなりそうだけど（ベテランだから、対処も早そう……）、「新」内閣って気がしませんな。
　安倍首相の保護者みたいなイメージかしら（確か、野党の誰かが「ＰＴＡ」とか言ってた）？　「おともだち」よりはそれくらいが、安心かもしれませんね。

　以下、「夕焼け」本編5、番外「リング・ロビー」2。最終話。
　この次の週の週刊誌ゴシップが楽しみです（笑）。

――　夕焼けと机と教室と。～リング・ロビー2～　――

「誤解されているようだね。誤解を解くのは簡単だけど……僕が解くよりも、貴女に解いてもらったほうがいいでしょう？」
「あ、あの。すみません」
　ぺこり、とやけに丁寧に頭を下げる小槙に、輝晃は「なんや、エラソーに」とごちる。
　スラリとした華奢な長身の男は、その醜く爛れた顔を苦笑に近くかたどって「申し訳ない」と困ったように謝る。そうして、「ああ、そうだ」と腕の時計を見て小槙へと別れを告げる。
「そろそろ行かなくては。飛行機の時間なんです……よろしければ、コンサート聴きに来てください」
「は、はい！　今度はどちらで？」
「今は、ヨーロッパの方ですが。年末には、日本でも」
　そう言うと、背中を向けて去っていく。
　ふん、と輝晃は面白くないと鼻を鳴らした。
「なんや、アレ。コンサートって、芸能人か？」
　ご同業者なら顔くらい知っているハズだ……あれほどの特異な容姿ならなおさら。見たこともないのは、よほどのマイナーなジャンルか人気がないか、だが？
　小槙は頬を膨らませて輝晃を見上げた。
「輝くんのアホ！　あの人は めっちゃ 有名なピアニストやでっ」
「ピアニスト？」
「そうやっ！　ＣＤとかて出してるし……そりゃ、日本でやるより外国で活躍しているような人やけど」
　ブツブツと恨めしそうに呟いて、
「せっかく会えたのに、サイン貰い損ねてしもたやんかー」
「……ミーハーやなあ」
　半分呆れて、半分はホッと安堵して輝晃は、握り拳で悔しがる小槙の頭をくしゃりと撫でる。
「ほっといてよ……どうせ、ミーハーやもん」
　へそを曲げた彼女はプイ、とそっぽを向いて横目で調子のいい彼を睨む。
「悪かったって。せやけど、小槙が知らん男といたらしゃーないやろ？」
「……そんなん心配しすぎや。わたしはそんなにモテへんで？　それに、千住さんかて結婚してるし」
　頬を染めて、小槙は訴えたが……輝晃はモテない云々の話は気にせずに、最後のくだりを反復した。
「千住さん？」
「ピアニストの千住貴水〔せんじゅ　たかみ〕さん。奥さんのなつきさんはすっごい美人って 噂 やねん」
「へぇー」
　輝晃の胸の底に燻っていた最後の嫉妬も霧散して、小槙の肩に手を廻して歩きはじめる。
（まあ、妻帯者やゆうて油断するワケやないけど……）

「そうや。予定が狂ってもうてさ……今日の夜には、東京に戻らなアカンようになってしもうたんや。式場、ゆっくり回れんかもしれんけど」

　輝晃を見上げる小槙は、「そうなん？」と呟くとしゅんとほんの少しの間、黙りこんだ。
「ええよ。しゃーないもん……仕事なん？」
「んー。映画かなんかの話とちゃうかな……詳しくは聞いてへんねんけど。顔合わせするとか、なんとか」
　で。
　その説明を兼ねるから今日の夜には一度事務所に来い、と言うのだ。
　サングラスをかけた目を隙なく周囲に巡らせて、輝晃はクスリと笑みを浮かべた。
　「ふーん」と相槌を打つ小槙の唇をかすめるキスをすると、彼は帽子を目深にかぶって固まる彼女の手を楽しげに、引いた。

　　>>>おわり。