裏表一体、日々のこと。
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まったくの草稿です。どれくらい草稿かと言うと、「1」とか書いてますが、続きがあるのか? というくらい草稿(←え?)。
いま、ちょっとメモ程度に書いてみたくなっただけなのです。
続きがあるとか、思っちゃバカをみるかも……なので、流せる方だけ覗いてね(^_^;)。
いま、ちょっとメモ程度に書いてみたくなっただけなのです。
続きがあるとか、思っちゃバカをみるかも……なので、流せる方だけ覗いてね(^_^;)。
―― 背徳の姫君。山辺志穂-その後1 ――
気持ちがいいほどの晴天。
その空を見上げている余裕もなく、彼女は俯きがちに頭を垂れてノロノロと歩いた。
前を歩く彼がそんな彼女を鬱陶しそうに見遣って、(早く歩け)とばかりに彼女の名を呼んだ。
「 志穂 」
山辺志穂〔やまべ しほ〕、十七歳。帝都浦川高校の二年生で……一昨日、お隣に住む憧れだった男の子と付き合うことになりました。
そんな幸せ絶頂の はず の、朝だというのに彼女の表情は晴れない。
曇天、真っ只中だった。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう……)
どうしたらいいんだろう……と何もかもが人並で、どちらかと言うと地味で暗い印象の彼女は、当然ながら 他人 から注目されるという生活に慣れていない。
というか、できれば人知れず生きていくこと――が、彼女の密やかな願いだった。なのに、そのささやかな願いは彼と付き合う以上は手離さねばならない望み……だとも、解かっている。
ぐいっ、と彼の手に引かれて、怖気づく心を叱咤する。けれど、すぐに怖気づいた。その繰り返し。
「鳴海くん」
「なに?」
「あの……手、繋いで登校するなんて……早くない? ま、まだ……そんな付き合ってるワケでもないのに。それに、仁木さんも見ちゃうかも……」
昨日まで、彼が付き合っていた 彼女 の名前を挙げて、声を小さくする。
「喋られちゃったら、どうするの?」
「喋る、って保健室でのこと?」
前を向いたまま、彼は素っ気無く訊いた。コクコクと頷く志穂をチラリと確認して、可笑しそうに喉を鳴らした。
「保健室であんなことまで許しといて、人前で手を繋ぐのはダメなんだ?」
「だっ!」
だって、と真っ赤になる。
彼の言いたいことは、解かる。けれど、志穂にだって言い分はある。ただ上手く言葉にすることができないだけだ。
手を繋ぐことだって、本当は嬉しい。
彼と噂になることも……恥ずかしいけれど、志穂にとっては 夢 のような出来事だ。
(ほ、本当にわたしでいいのかなあ?)
シッカリ者で優しく、誰にでも好かれるクラスの委員長・鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕にとって、志穂は自分が相応しいとは到底思えなかった。
口にすれば、絶対、怒られると思うから黙ってしまうけれど……人付き合いが上手いとは言えない志穂と噂になることで、彼にいらぬ不評を与えるのは心苦しい。
(せめて、もうちょっと 可愛い とか 頭がいい とか 足が速い とかあればいいのに……)
ないものねだり、ばかりだ。
と、そんな後ろ向きな思考にズーンと深く落ちこんだ。
>>>って、コトでメモ終了。
気持ちがいいほどの晴天。
その空を見上げている余裕もなく、彼女は俯きがちに頭を垂れてノロノロと歩いた。
前を歩く彼がそんな彼女を鬱陶しそうに見遣って、(早く歩け)とばかりに彼女の名を呼んだ。
「 志穂 」
山辺志穂〔やまべ しほ〕、十七歳。帝都浦川高校の二年生で……一昨日、お隣に住む憧れだった男の子と付き合うことになりました。
そんな幸せ絶頂の はず の、朝だというのに彼女の表情は晴れない。
曇天、真っ只中だった。
(どうしよう、どうしよう、どうしよう……)
どうしたらいいんだろう……と何もかもが人並で、どちらかと言うと地味で暗い印象の彼女は、当然ながら 他人 から注目されるという生活に慣れていない。
というか、できれば人知れず生きていくこと――が、彼女の密やかな願いだった。なのに、そのささやかな願いは彼と付き合う以上は手離さねばならない望み……だとも、解かっている。
ぐいっ、と彼の手に引かれて、怖気づく心を叱咤する。けれど、すぐに怖気づいた。その繰り返し。
「鳴海くん」
「なに?」
「あの……手、繋いで登校するなんて……早くない? ま、まだ……そんな付き合ってるワケでもないのに。それに、仁木さんも見ちゃうかも……」
昨日まで、彼が付き合っていた 彼女 の名前を挙げて、声を小さくする。
「喋られちゃったら、どうするの?」
「喋る、って保健室でのこと?」
前を向いたまま、彼は素っ気無く訊いた。コクコクと頷く志穂をチラリと確認して、可笑しそうに喉を鳴らした。
「保健室であんなことまで許しといて、人前で手を繋ぐのはダメなんだ?」
「だっ!」
だって、と真っ赤になる。
彼の言いたいことは、解かる。けれど、志穂にだって言い分はある。ただ上手く言葉にすることができないだけだ。
手を繋ぐことだって、本当は嬉しい。
彼と噂になることも……恥ずかしいけれど、志穂にとっては 夢 のような出来事だ。
(ほ、本当にわたしでいいのかなあ?)
シッカリ者で優しく、誰にでも好かれるクラスの委員長・鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕にとって、志穂は自分が相応しいとは到底思えなかった。
口にすれば、絶対、怒られると思うから黙ってしまうけれど……人付き合いが上手いとは言えない志穂と噂になることで、彼にいらぬ不評を与えるのは心苦しい。
(せめて、もうちょっと 可愛い とか 頭がいい とか 足が速い とかあればいいのに……)
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>>>って、コトでメモ終了。
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たぶん、そのうち無色。
趣味:
主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
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恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
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