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裏表一体、日々のこと。
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 「背徳」番外、のその後繋がり(笑)。
 少し前に、こういうシチュエーションでひとつ……と思って考えたネタです。
 が、続くどうかは、微妙なのです。たぶん、シチュエーションは背徳的なんだけど(^^ゞ。関係はどの二人よりもストイックだと思います。
 つーか、ストイック希望(熱く握り拳)!
 まあ、お暇ならお付き合いください。「陽だまり」のページに入るかは、まだ未定の二人です。m(__)m

 さて。
 甲子園の球児たちに熱い声援を送るほど、高校野球に興味がある人間ではありませんが……サッカーよりは、野球だよなあ(爛々)と思う程度には、野球スキーな人間です。
 明日は、佐賀北高校と広陵高校との決勝です。
 仕事中なので、試合は見れないんだけど……気になるなあ。

 以下、「背徳の姫君」番外、「澤嶺祥子」1。
 番外のジレジレカップルのその後も、ほんの少し友人視点から覗けたり?



―― 背徳の姫君。~澤嶺祥子1~ ――

 三学期になって、彼女は変わったと 澤嶺祥子〔さわみね しょうこ〕 は思う。


 もちろん、変わらないものなんてない。
 三学期の始業式での、かの生徒会の寡黙な書記である真鍋耀が、会長の彼女である汐宮清乃の髪を切った女生徒と騒ぎを起こしたのは記憶に新しいトコロだ。つい三ヶ月前までは志穂と付き合っていたのに……と思うと、なんて人の心は目まぐるしいのだろう。
(……騒ぎになったとは言え、どうも汐宮さんは会長の彼女として続いているようだけど)
 なんとも、解せない関係だ。
 祥子の見立てでは、清乃は耀に好意を持っていると踏んでいるのだが――。
「まあ。真鍋くんは正攻法の人じゃないしねえ?」
「祥子ちゃん?」
 なにやら物思いに耽っている彼女に、親友である山辺志穂〔やまべ しほ〕が心配そうに覗きこんだ。
「平気? しんどいの?」
 我が親友ながら、とことんズレている……と祥子は笑った。
「ちがうちがう、人の世のはかなさを 少し 憂いて見てました。ホント、目まぐるしいよね?」
「え?」
 親友のよく分からない問いかけに、志穂は戸惑う。
 オロオロとする彼女をニヤニヤと眺めて、祥子はふふんと鼻を鳴らした。
「数ヶ月前は真鍋くんにフラれて、そりゃあ痛々しかったのにな~って話。ホラ、彼氏を待たせてるんでしょ? 一人身のわたしに気をつかわずにサッサと一緒に帰りなさいよっ。薄情モノ!!」
 祥子のあからさまな厭味とも冗談ともとれるそれに、頬を染めて、志穂は困ったように眉を下げた。
「べ、べつに気をつかってなんか……ないもん」
「ほー、そうですか。幸せボケした、その しまりのない 顔を見るだけで憎らしいわっ」
 ぐにぐにとふっくらとした両の頬を挟み、ケラケラと笑う。
「ほらほらっ、ホントに彼、お待ちだから早く行きな! 委員長は時間に超厳しいんだからっ」
「ふ、ふん」
 流石に、幼馴染の隣人である鳴海広之〔なるみ ひろゆき〕の性格はよく知っているだけあって、志穂は祥子に頬を挟まれたまま後ろをふり返り、そろそろ優しい王子様の仮面を外しにかかっている彼に睨みをきかされたようだ。
 頬をさすりさすり、
「じゃあ、祥子ちゃん。また、明日」
「はいはい。じゃあね」
 手を振ると、フレアスカートを翻して彼女は彼へと駆け寄っていった。
「あーあ、数ヶ月で変わるかね? 前は、学校で一緒に帰るのも恥ずかしそうだったのに……」
 袖を掴む彼女の手を、強引に彼の手が捕らえる。
 頬を染める志穂を眺め、恥ずかしがりながらもその指をシッカリと絡めている彼女に目を眇める。

「んー。やっぱ、エッチをしたら度胸が据わるのかしら?」

 と、下世話なことを考える。かの二人が昨年の年末に 一線を越えた のは確かだから……あながち、外れてもいないと思うのだが?



 一人、校舎を歩いていると向かい側から一年生らしい女の子たちと長身の先生とに出くわした。
 一年生の古文と二年生の一部の古文を担当している、川村雅史〔かわむら まさふみ〕先生……まっちゃん先生と生徒には呼ばれている、校内でも一番若い新任の先生だった。
 授業態度に対しては厳しくて、決して甘い先生ではないが、質問に行けば丁寧に対処してくれるし笑えば雰囲気が途端に柔らかくなるから一部の女生徒の中では案外に人気がある。
 特に、副顧問を担当している茶道部のみなさんには彼の固定ファンが多い。
「先生、さようなら」
「さようなら、澤嶺さん……」
 祥子のクラスの古文も担当しているから、苗字を知ってても不思議じゃない。
 ふっ、と彼は薄い伊達眼鏡の奥から彼女を映して、「一人で帰らないように」と誰にも分からない鋭い 目配せ で釘をさした。

  >>>続きます。

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