裏表一体、日々のこと。
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「不安定近隣系図」十四話目。の後編。
引き続き、年越し中です。
いい加減、七草がゆの時期なのに……と思わなくもないですが、そこはスルーしていただければ! と願いします。
えっと、何しろこの後の他視点も年越しネタなので(^^ゞ
ここは、時間が止まった世界観でお届けしますっ!
以下、「不安定近隣系図」決め事。後編。
義兄視点、の年越し道中です。
天の邪鬼な妹は、飼い慣らせば可愛いんですよね。わかります。
引き続き、年越し中です。
いい加減、七草がゆの時期なのに……と思わなくもないですが、そこはスルーしていただければ! と願いします。
えっと、何しろこの後の他視点も年越しネタなので(^^ゞ
ここは、時間が止まった世界観でお届けしますっ!
以下、「不安定近隣系図」決め事。後編。
義兄視点、の年越し道中です。
天の邪鬼な妹は、飼い慣らせば可愛いんですよね。わかります。
―― 不安定近隣系図 ~決め事(後編)~ ――
ぷりぷりと先を歩き出した美晴を、「あっ! 美晴ちゃんだぁ」とさらに火に油を注ぐような脳天気な声が呼ぶ。
年明け早々、「ちゃん付けはヤメロ!」と鋭く凄まれた志野原愛美〔しのはら いつみ〕が恨みがましく要を見つめた。
『栗石くんのせいでしょ?』
暗に機嫌をとれ、と訴えるような潤んだ眼差しに首を竦める。
そうして、ある一点を認めて(ああ、もう……本当に目に毒だよ)と苦笑いする。羨ましいと感じるのは、決して美晴への嘘なんかでなく限りなく本音に近い要の素直な気持ちだった。
見えるところにシルシをつける。
(春日って案外――独占欲が強いんだな)
「やるね、春日も」
「え?」
気づいていないらしい(首筋のマフラーに埋もれる境目だしね)愛美は、目を瞬くと不思議そうに要を見つめた。
トントンと自分の首筋を叩いて、「志野原さんのココに、ついてるよ?」と親切心で教えてあげる。
「ココ?」
マフラーに隠れたソコを撫で、彼女は「何がついてるの?」と訊いてくる。
「キスマークでしょ? 春日のつけた」
「うえっ?! 嘘っ!!」
自分では見れない場所にあるらしいソレに、俄然彼女は食いついた。
「真ちゃん、真ちゃん! つけたの? ついてる? ホントに??」
「げっ」という顔をして、春日真〔かすが しん〕が余計なことを教えるなと目で訴えてくるが気にしない。
嬉しそうに跳ね回る愛美に、真の鬱陶しそうな声が返事を渋る。
「べ、べつにどっちでもいいだろっ!」
「全然よくない! 真ちゃんからのキスマークなんて、ちゃんと鏡で確認しとかなきゃ……家に戻るまでに消えちゃわないかなぁ?」
「……消えねぇだろ、フツー」
心底、心配という彼女に彼はつい素直に答えている。
「ほ、ホントに? 絶対? じゃあ消えてたら、真ちゃんもっかいつけてくれる?」
「 ! 」
至極真面目に要求するとんでもない内容に真は絶句したようだ。要からすれば、ここまで積極的な「彼女」なんて「彼氏」としては幸運だと思うが――彼らの様子からはそう単純な話でもないらしい。
一人、浮き足たった彼女がルンルンと上機嫌で、前を行く美晴を追いかけ腕にしがみついている。
天の邪鬼の不機嫌と天然の上機嫌が争えば、勝敗は自ずと知れてくる。
「見て見てっ美晴ちゃん! ココ」
「はぁっ!?」
「真ちゃんがつけてくれたんだって、キスマーク! 見える?」
真っ赤になった天の邪鬼こと美晴が不機嫌に怒りを露わにして、「見せんな! 恥じらえ!」と吠えた。が、エヘヘとにやけた天然の愛美にはほとんど効力が得られず、というか逆ににやけが増幅したのだから唸るしかない。
そのまま、四人で神社に赴き、初詣を堪能した。
それぞれに願い事を神に熱心に祈って、おみくじをひいた。
『 難多し。耐えれば来る。 』
悲壮な顔をして美晴が要を見上げた。
大丈夫。そんな顔をしないで僕を信用しなよ。
ちゃんと君を大事にするし、安全日にしかしてないの……気づいてないのかな?
気づいてないんだろうな、と微笑んで、彼女の「小吉」と自分の「中吉」を交換する。内容にそれほどの大差はないものの恋愛運においては要がひいたものの方がいくらかマシのように思う。
『 信じよ。さすれば必ず来る。 』
待ち人の欄に記された言葉に俯いて、美晴はほんの少し頭を動かしてコクリと小さく頷いた。
>>>おわり。
ちなみに、天然陰気少女と隠れ世話好き少年の幼馴染カップルは共に「大吉」だった模様。
よかったね。
ぷりぷりと先を歩き出した美晴を、「あっ! 美晴ちゃんだぁ」とさらに火に油を注ぐような脳天気な声が呼ぶ。
年明け早々、「ちゃん付けはヤメロ!」と鋭く凄まれた志野原愛美〔しのはら いつみ〕が恨みがましく要を見つめた。
『栗石くんのせいでしょ?』
暗に機嫌をとれ、と訴えるような潤んだ眼差しに首を竦める。
そうして、ある一点を認めて(ああ、もう……本当に目に毒だよ)と苦笑いする。羨ましいと感じるのは、決して美晴への嘘なんかでなく限りなく本音に近い要の素直な気持ちだった。
見えるところにシルシをつける。
(春日って案外――独占欲が強いんだな)
「やるね、春日も」
「え?」
気づいていないらしい(首筋のマフラーに埋もれる境目だしね)愛美は、目を瞬くと不思議そうに要を見つめた。
トントンと自分の首筋を叩いて、「志野原さんのココに、ついてるよ?」と親切心で教えてあげる。
「ココ?」
マフラーに隠れたソコを撫で、彼女は「何がついてるの?」と訊いてくる。
「キスマークでしょ? 春日のつけた」
「うえっ?! 嘘っ!!」
自分では見れない場所にあるらしいソレに、俄然彼女は食いついた。
「真ちゃん、真ちゃん! つけたの? ついてる? ホントに??」
「げっ」という顔をして、春日真〔かすが しん〕が余計なことを教えるなと目で訴えてくるが気にしない。
嬉しそうに跳ね回る愛美に、真の鬱陶しそうな声が返事を渋る。
「べ、べつにどっちでもいいだろっ!」
「全然よくない! 真ちゃんからのキスマークなんて、ちゃんと鏡で確認しとかなきゃ……家に戻るまでに消えちゃわないかなぁ?」
「……消えねぇだろ、フツー」
心底、心配という彼女に彼はつい素直に答えている。
「ほ、ホントに? 絶対? じゃあ消えてたら、真ちゃんもっかいつけてくれる?」
「 ! 」
至極真面目に要求するとんでもない内容に真は絶句したようだ。要からすれば、ここまで積極的な「彼女」なんて「彼氏」としては幸運だと思うが――彼らの様子からはそう単純な話でもないらしい。
一人、浮き足たった彼女がルンルンと上機嫌で、前を行く美晴を追いかけ腕にしがみついている。
天の邪鬼の不機嫌と天然の上機嫌が争えば、勝敗は自ずと知れてくる。
「見て見てっ美晴ちゃん! ココ」
「はぁっ!?」
「真ちゃんがつけてくれたんだって、キスマーク! 見える?」
真っ赤になった天の邪鬼こと美晴が不機嫌に怒りを露わにして、「見せんな! 恥じらえ!」と吠えた。が、エヘヘとにやけた天然の愛美にはほとんど効力が得られず、というか逆ににやけが増幅したのだから唸るしかない。
そのまま、四人で神社に赴き、初詣を堪能した。
それぞれに願い事を神に熱心に祈って、おみくじをひいた。
『 難多し。耐えれば来る。 』
悲壮な顔をして美晴が要を見上げた。
大丈夫。そんな顔をしないで僕を信用しなよ。
ちゃんと君を大事にするし、安全日にしかしてないの……気づいてないのかな?
気づいてないんだろうな、と微笑んで、彼女の「小吉」と自分の「中吉」を交換する。内容にそれほどの大差はないものの恋愛運においては要がひいたものの方がいくらかマシのように思う。
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主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
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恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
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