裏表一体、日々のこと。
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「不安定近隣系図」三話目。
そうこうしている間に11月に突入してしまい――ハロウィーンとかネタにしている場合ではなくなっております(苦笑)。
が。
とりあえず、こちらのネタが文化祭ネタなので(←苦し紛れじゃないのよ、一応)大丈夫と踏んでいます。むしろ、このあとのネタがクリスマスに間に合うのかが微妙な感じ(^^ゞ
文化祭だけで年越ししたらどうしよう……うん、できるだけ書くスピードを上げていきます。ふふふ、昔一日一話書いてたんだから間に合う……よね(遠い目)。
以下、「不安定近隣系図」微笑みの猛獣使い。
義兄妹の兄視点です。
当初、猛獣使いではなく牧師さまでサブタイトルを決めていたのですが……後半部を書いているとなくとなく猛獣使いな気分になり、変えてみました。
なので、前半部牧師さまで後半部猛獣使い仕様です。
そうこうしている間に11月に突入してしまい――ハロウィーンとかネタにしている場合ではなくなっております(苦笑)。
が。
とりあえず、こちらのネタが文化祭ネタなので(←苦し紛れじゃないのよ、一応)大丈夫と踏んでいます。むしろ、このあとのネタがクリスマスに間に合うのかが微妙な感じ(^^ゞ
文化祭だけで年越ししたらどうしよう……うん、できるだけ書くスピードを上げていきます。ふふふ、昔一日一話書いてたんだから間に合う……よね(遠い目)。
以下、「不安定近隣系図」微笑みの猛獣使い。
義兄妹の兄視点です。
当初、猛獣使いではなく牧師さまでサブタイトルを決めていたのですが……後半部を書いているとなくとなく猛獣使いな気分になり、変えてみました。
なので、前半部牧師さまで後半部猛獣使い仕様です。
―― 不安定近隣系図 ~微笑みの猛獣使い~ ――
「おかえり」
玄関まで出迎えると、彼女は挙動不審に目を泳がせて「ただいま」とボソリと答える。
怯えるくらいなら、最初から逃げなきゃいいのに……と栗石要〔くりいし かなめ〕は明らかにこちらの出方をうかがっている妹、美晴を眺めて微笑んだ。
(まあ、そういうところが美晴らしいけど)
と、本当のところ怒ってはいないけれど、少し可愛いのでこのまま付き合ってもらおうと敢えて何も言わなかった。
当たらず、障らず。
ほんのちょっと冷たく感じる程度に距離を置く。
「な、なんだよ。怒ってんのか!」
勝手に想像をめぐらしたらしい美晴は、キッと睨んでくる。
「怒ってないよ」
にっこり、本当のことを口にする。が、相手は納得いかないと唇を尖らせた。
「ウソだ」
「嘘じゃないよ。なんなら 証明 して、あげようか?」
存外に隙だらけの彼女の体を壁際に拘束して、その尖ったまま固まった唇に親指を頬を四本の指で捉えてほくそ笑む。逃げる士気を削ぐには下半身の動きも制さなければならないので、彼女の足の間に膝を入れて間近に顔を合わせた。
こつん、と額同士がぶつかる。
「ひっ!」
と、目の前で表情を強ばらせた美晴は左右を確かめた。
肩と頬、足下を拘束された格好で壁にへばりついた彼女に逃げられる術はない。
「どうする?」
睨みをきかせた上目遣い、真っ赤に染まった彼女の警戒心も露わな野性的な表情は魅力的だ。
「い、いらねぇっ!」
「そう? 残念だね」
ゆっくりと拘束を解いて、リビングに続く廊下を歩く。
後ろから「ばか要」と小さく罵ってくる美晴にブッと吹き出して、手を差し伸べる。
「酷いな。君――ほどじゃないと思うよ、美晴」
差し伸べた手を叩〔はた〕かれる予想をして、要は愛おしさに美晴を抱きしめそうになる衝動を抑え込む。抱きしめれば暴走するだろうから……と 兄 が懸念してようとは、きっと 妹 は考えもしていないだろう。
( 好きだ、我慢できない )
その義妹への想いはたまに暴走する。
暴走した時、彼女に対して「ごめんね」とは謝るものの悪いことをしている感覚はない。大体、煽るのはいつだって彼女の方なのだから……責任は五分五分〔フィフティフィフティ〕といったところか。
「フザケんな!」
と、美晴なら怒号しそうな言い分だろうが、要は真剣にそう思っている。
今の二人の関係〔カタチ〕を、後悔したことはない。
二人っきりの食卓で、向かい合って食事をする。朝も、夜も……そして、学校がないときは昼も。
機会はあまりないけれど、両親が揃うこともある。そういう時は、ごく普通の家族みたいでなんとなくくすぐったい。美晴は父と母から見破られているとは考えもしていないだろうけれど、彼女の態度は分かりやすいから――じつは、結構前(中学卒業の春休み前、だったかな?)に二人にはバレている。
その際、要に「美晴の気持ちに応えるつもりなら、ちゃんとしなさい」と強く窘〔たしな〕められたのだ。特に義母からは「避妊はちゃんとするように!」と箱まで手渡されたし……父はそんな様子にギョッとしていた(中学生に渡すには抵抗があったのだろう)が、要には様々な意味で考えさせられた助言だった。
「馬鹿な子だよね」
と、向かい合って夕食を咀嚼しながら、要は「うるせぇっ」と唸る妹に微笑んだ。
今日の夕食は、兄手製のハンバーグと大根サラダ、ご飯にお味噌汁というごく一般的なメニューである。が、それは 美晴の 好物でもある。
胃袋を捕まれた野生の獣というのは、存外に扱いやすいもの(餌付け、とも言う)。
唸りながらも、様子をうかがい見る眼差しは大人しいものだった。
「来んのかよ……文化祭」
「行くよ、志野原さんも来るんでしょ? だったら、春日とも会えるかな」
高校が違ってからは、なかなか顔も会わせないかってのクラスメートを思い出して、久しぶりに かの二人 の近況を聞くのも楽しそうだなとニヤニヤする。
「うっ、あー……そう、なるよなぁ」
さらに顔を歪め、美晴は「恥だ、恥」と低く呻いてテーブル(その前に食べ終わったお皿)に頭をぶつけそうになっていた。
>>>おわり。
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