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裏表一体、日々のこと。
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 「不安定近隣系図」六話目。
 口は悪いけれど、反応はすこぶる女の子っぽいと思う彼女視点です。
 義理の兄妹モノというシチュエーションはよくありますが……実際問題として、恋愛関係とか結婚とかなったらイロイロ面倒なのかしらねー? と考えながら、書いてます。
 確か、結婚は可能だったと聞いたような気がしますが、確かな情報かは謎です。
 法的になんかややこしいのか、体面的なモノなのか……追々、調べてこようと思います。高校生編ではいらない知識ですが、社会人編になったら必要だもの~(^^ゞ

 ここ数日、なんとなく風邪っぽいのでPC使用時間を自粛中です。
 今日も早めに切り上げます!
 「小さき姫~」の投稿作業もしなくちゃー、と思いながら。

 以下、「不安定近隣系図」動揺。
 地味にイロイロしてそうな二人、という想像力を発動ください。




―― 不安定近隣系図 ~動揺~ ――

 全力疾走したっていうのに、簡単に捕まってしまうのは屈辱だった。いや、その前フリからイロイロ屈辱だったんだけどっ!

(くそっ! まんまと引っかかっちまった……クヤシイ)


 出迎えるのは本意ではなかったけれど、来るという要達を無視するワケにもいかない。なんつーか、後でものすごくイヤな予感がする。
 渋々、校門の方角へ出向いた美晴はすぐに、目的の人物を見つけた。
 文化祭の学校内は、常よりも人に溢れていたが……そこには、色めきたった売り子たちがわらわらと集まり、黄色い声でキャワキャワと騒いでいたのだ。
 軽く不機嫌だった美晴の心情は、さらに悪化した。
(なんだよ、迎えになんて来るんじゃなかった……)
 そう思い、踵を返そうとした瞬間。
 黄色い声がさらに高く、ざわめいた。
 それと言うのも、春日真〔かすが しん〕が志野原愛美〔しのはら いつみ〕を招き寄せて彼女宣言をしたためだ。さらに、要も追随するように微笑んで言ったのだ。

「いるよ。可愛い彼女がね」

 つんざく女の子たちの悲鳴と一緒に、思わず呻いた。
 予想以上に、ショックだった。もちろん、そんな可能性(要に自分ではない「思い人」がいる)なんて当たり前で想像が簡単に出来る。
 自分は、女らしくもないし、可愛げもなくて、素直さもない。
 意地っ張りの、粗野な乱暴者。
 グッと修道女(全然似合ってないって、わかってる!)の紺色のスカートを握って、嗚咽を堪えた。
 要からすれば、保護者の延長線上の愛情を妹に注いでいるに過ぎないのだ!
 納得した。そうだ、何回彼に「好きだ」と言われても全然納得いかなかったのに、こんな簡単にこの事実は受け入れられる皮肉さに、笑いさえこみ上げる。
 笑ってやれ!
 そう思った。
 愛美に抱きつかれ、暴れているうちに立て直せる……そう安心したのに。
 名前を呼ばれ、それだけでまた動悸がした。
 しかも。
「誤解してる?」
 って、何だ?!
 要の綺麗な微笑みを目の当たりにして、頭に血が上る。
「してねぇっ!」
 ああ、もう! バカだ。
 胸を鷲掴みにした感情に、美晴は腕にあるものを振り払い逃げ出した。


「 はなせ! 」
 捕まれた腕をブンブンと振り回し、あがけば(これがホントの悪あがき、笑えねぇな!)力ずくで抱き寄せられた。
「俺が、美晴の、言うことを……きくと、思う?」
 素直じゃないクセに、と解かったふうに彼は耳元で囁くから。
「ひっ!」
 と、変な声が喉から出てしまう。
 やーめーろー! 耳を噛むなっ。こっんの、エロ兄貴っ!!
 笑いを堪えるみたいにくつくつと喉を震わせて、要は美晴を見つめた。
 兄ではない、どこか艶〔つや〕めいた微笑みだ。
「艶〔なま〕めかしいね、君は」
「てめぇ、にだけは……言われたくねぇ」
 自分よりもずっと、色気のある綺麗な顔に美晴は唸った。なのに、その義兄〔あに〕は色気のない義理の妹に欲情できることを、すでに何回か証明している。
 親指で美晴の下唇を撫で、人差し指で顎を持ち上げる。
 そっと重ねられる唇に、すぐに舌が這って開くように促した。下半身も密着して、足が震えて……立っていられない。くちゅくちゅするキス、ってなんかエロい。

「まったく……美晴の逃げこむ 場所 のセンスには、脱帽だよ」

 ハハッ、とか嬉しそうに笑うな! ドサクサ紛れに胸も揉むな!! 小さいよ、まだっ。「へぇ、そー?」とか呟いて確かめるんじゃねぇっ!
「わ、ワザとじゃねぇしっ!」
「だろうね」
 ここは、一般客は来ない棟の校舎ではあるが、一般生徒はパラパラと準備のために歩いている。
「要こそ、女子トイレに普通に入ってくんなよ。通報されるぞっ」
「それは困る。じゃあ……」
 爽やかに、個室を指す。

「とりあえず、入ろうか?」

 入るかぁっ!!!

  >>>おわり。

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