裏表一体、日々のこと。
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ご無沙汰しております。
今年に入って、二回目? のブログ投稿ですが……あまり気になさらず(^^ゞ
なんだろー、ちまちまと何かを書いてはいるんですがフロッピー内止まり(←モノログちっく)という。
書いているのはもっぱら「近隣系図」「陽だまり」関係です。
春日家の姉の入籍、結婚あたりの小話。なので、弟君は高校三年生~大学入学あたりの雰囲気です。
ここ最近の近況というと、転職を目論みながらボーッとしてます。
あと、ゲームで3DS『ポポロクロイス牧場物語』なるものがこの6月に発売されると聞きつけて、予約しちゃいました!
話の時間軸としては「1」のあと、「2」の前あたりの話っぽい。
私としては「2」のあとこそがトキメキ要素満載だとは思うのですが、ほのぼのRPGとして微妙な兼ね合いもあると思うので、脳内補完で満足させておきます。
宣伝CMの感じから、森の魔女っ子ナルシアとのほんのりラブもあるっぽい。へたれ王子ガンバレ!
以下、「不安定近隣系図」ある門出の春日家にて。
前のお姉さん小話の対になる、弟君小話です。
お姉さん小話と同じ頃に書いていた話なのですが……「小説家になろう」のページに載せるかどうかで悩んでいて、そのまま放置してました。
―― 不安定近隣系図 ~ある門出の春日家にて~ ――
その日の春日家は、静かだった。
「おじさん、魂抜けてるね」
「まあ、姉ちゃんが命の人だから……まさか、こんなに早く嫁ぐとは思ってなかったんだろうな」
俺もちょっとビックリした、と春日真〔かすが しん〕は頭を掻き、チラリと庭を見て黄昏れている父親に目を向ける。
昨日、真の姉である春日唯子〔かすが ゆいこ〕が高校時代から付き合っている彼氏を連れて家に帰ってきた。前々から何か話があるらしい、と打診しての訪問であったから何か重要な用件なのだろうとは思っていたが。
『唯子さんと結婚させてください』
座る両親の前で深々と頭を下げた彼、三崎純也〔みさき じゅんや〕は間違いなくいい男で、見た目がいいだけにぐうの音も出ない。
姉などは隣で目をキラキラさせて見惚れていたくらいだ(ついでに母も「あら、まあ」と頬を染めていた)。
一つ難があるとすれば、美大生という学生の身分だがそれも近々解消する。ちょうど唯子も短大卒業とあって、結婚して海外にも連れて行きたいらしい。
娘が惚れ込んでいるのに加えて、すでに名前の知られている若き画家(普通、画家って大器晩成じゃないのかよ! と父は思っているに違いない)で誠実で、付き合い方にも乱れたところは一つもない。
夜遅くなれば家まで送り、泊まりの旅行も最近になってようやく一回(渋々、父親も認めた)だけという節度をわきまえたものなだけに反対すれば、娘からの手痛い報復は目に見えている。
ただでさえ、『純也さんと一緒にいたい』と帰りが遅い娘に対する親心に反抗しがちな姉なのだ。
父親は肩を落とした。
許した父親に、「ありがとう、お父さん!」と唯子が抱きついたのは恋人改め婚約者になった純也だった。
(そこは、父さんに抱きついてあげなよ……姉ちゃん)
と、真は取り残されたように座っている父親を不憫に思った。
「そっかあ、お姉さんお嫁にいっちゃうんだー寂しいねぇ」
志野原愛美〔しのはら いつみ〕は俯いて、「ここは一つ、売り込んでおこう!」と一大決心のごとく握り拳。
「は?」
何を? と真が訝しむ間に彼女は駆けていき「おじさん、おじさん」と声をかける。
「唯子お姉さんのかわりに、わたしが遊びに来るよ! 毎日来る! っていうか、もう毎日来てるしっ」
「………」
「真ちゃんのお父さんなんだから、わたしにもお父さんみたいなものだよ。ううん、お父さん以上だよ! ホントだよ!」
「……そうか」
寂しい背中が少しだけ伸びて、父親の手が愛美の頭を撫でた。
「愛美ちゃんはいい娘だなあ」
「えへへ、そう? あのね、わたし真ちゃんの部屋で寝泊まりしたいな……ダメかな?」
「真の部屋で?」
少しギョッとする父に、愛美は畳みかけるように言った。
「うん。自分の家じゃ寂しくて、よく眠れないし、わたし 一人 だもん」
「そうか、そうだったな……君は……」
「真ちゃんとだったらよく眠れる――」
「ダメだぞ、志野」
仁王立ちする真が背後から低く告げる。
「えーっ?」
「えーじゃないっ、何を父さんに強請ってるんだ! しかも、弱り目につけこんで」
「だって、真ちゃんに強請っても断られると思ってぇ」
「あ・た・り・ま・え・だ、馬鹿っ!」
「ホラ、ねぇ、おじさん? ダメ?」
小刻みに肩を揺らしていた父親は、笑っていた。
「ははっ、愛美ちゃんは面白いな。そんなに真が好きなのか?」
「うん、好きー大好きー」
ギュゥと抱きついた愛美に真は呆れたようにため息を吐いて、頭を撫でる。
「そうか、真の部屋での寝泊まりは流石に許可できないが、たまになら泊まりに来なさい」
「やったー!」
バンザーイと手を上げた愛美に、真は呆気にとられる。
「父さん、どうしたの?」
「すぐに唯子の部屋が空くだろう? そこでなら泊まっても問題ない。節度は守れよ、真」
「えーっ?!」
と、不平をこぼしたのは勿論、真ではなく 愛美 の方だった。
>>>おわり。
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