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裏表一体、日々のこと。
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 「魔喰いの森のお人好し」彼視点、の最終話です。
 続き、書くつもりはあるのですが……どうなるかわからないので、とりあえずここまで。
 突発的に書いた小話は、近々載せます。そのあとの魔王子との絡みは(少しだけ書き始めていますが)ブログで載せてから時期を見て「なろう」様に投稿するか考えます。
 魔王子との絡みの話は、ちょっと派生する話が長くなりそうなので出すと、自分の首をしめかねない(^^;)
 派生する話、そんなに長くなる予定はないですが、チマチマっと小っちゃいエピソードを考えているので……話数は多め。で、字数は少なめ(苦笑)だと思います。

 その「魔喰い~」の話は置いておいて、二月からは(←久しぶりに季節に合わせて小話放出する気です)「近隣系図」でバレンタインデーネタを書くつもりです。
 と、言っても小話の中でも字数少なめの話になる気がします。考えている場面だけ書くつもりなので!
 本編とは別物の、イレギュラー的話になるので視点もいつも以上にハチャメチャかもしれません。どうぞ、寛容に読んでやってください。
 とか、言いながらまだ書いていないので投稿時期は不明です。
 気長にお待ちくださいね~!

 以下、「魔喰いの森のお人好し」side.魔-3。
 彼から見た、彼女視点の後半部。
 朝チュン程度の場面を含みます。苦手な方は、ご注意ください。グネグネが苦手な方もご注意……言うほど、描写はありませんが!



―― 魔喰いの森のお人好し。side.魔-3 ――

 彼女の胸に薬草の湿布を貼る時(何故か、僕が貼ることになった。裸の胸、全部見えてますけどいいんですか? あ、暗いからいいのか……)や、食事を一緒にする時(僕しかいない、なんて殺し文句ですよね。まあ、事実ここには 僕 しか棲んでないので選択の余地が……)に勘違いしそうになるけれど、安易に自惚れないよう戒めてますよ。ちゃんと。()部分要参照。

 彼女の怪我が治るまで、と耐えていると掴まれた腕を思いっきり引き落とされていた。

「ひっわぁぁぁっ!」

 不意をついた衝撃に出た声は、とても情けないものだった。し、仕方ないじゃないかっ!
「な、何を……なさるのです?」
 押し倒される、なんて思ってもみない。しかも、相手は「番い」と定めた雌……いや。いやいやいや! あり得ないよっ。
 「契って欲しい」と請われても、白昼夢としか思えない。じつはよく見るんだ、僕!
 一人でいると、見ちゃうよねっ。
 あわあわしていると、番いに恫喝された。あっ、番いって勝手に呼んじゃった!

(うっ、浮かれるな、浮かれちゃダメだっ、浮かれたら死ぬ!! 突き落とされたら死んでしまうっっ)

「え、エリル様?」
「何じゃ」
「僕は、魔族ですよ?」

 覆い被さる彼女はきょとんとする。可愛い、可愛すぎますっ。甘やかしたい……!
「だから? 妾では不満かの?」
「いえ。伴侶は欲しい……正直、飢えています」
 勝手に番いとか、呼んでて引きますよ。きっと。
「ならば、好都合じゃ。妾もお主がいいのだ、お主しかおらぬ――とさえ思うておる。今ではの」
 それは。
「僕が、どんな、姿でも?」
 ふっ、と彼女は覆い被さっていた体を持ち上げて、シエンの不安を祓うかのように、ホホホと妖艶に笑ってみせた。

「心配なら、見せてみれば良い。それで妾の気が変われば、いいがの?」



 その日(じつは昼過ぎだった)から三日三晩、僕は彼女を抱き続けた。
 僕らの種族では、これが当たり前なんだ。

 流石にぐったりとなったシエンの上に乗ったエリルが、彼の両頬を包んで白い前髪を撫で分ける。
 露わになった額と髪に口づけられ、頬が熱く火照る。
 彼の白い髪も赤い瞳も、彼女にとっては嫌うべき特徴ではなく、愛でる対象であるらしい(信じられないけど、嬉しい誤算だ)。シエンの種族が白蛇の姿でもその言葉は翻らず、本性で愛しても嫌がらなかった(ちょっと驚いてはいたけれど逆にすごく喜んでたな。なんでだろう?)。
「エリル、さま」
 唇を塞いでいた彼女の唇〔それ〕が離れ、シエンは正式な番いとなった雌の名前を呼ぶ。
 素肌を這う番いの白い手は官能的に動いて、体の線をなぞるみたいに爪を滑らせた。
 そうされると、なんだか変な気分になるんだけど……さすがに今は 少し 辛い。
「シエン、腹が空いたの」
 それは人間の彼女も同じだったようで、ポツリと呟く。
「 ! 」
 合間に水分補給はしたけれど、食べ物らしい食べ物はほとんど口にしていなかった。番いに無理を強いるなんて……本来、あってはならないことだ。
 でも、お互いに初めてだったし、夢中になってしまったんだ。僕の馬鹿!!
「すぐ、ご用意します。エリル様」
「うむ」
 満足そうに微笑むエリルに、ホッとする。
 まだ、呆れられたわけではないようだ。
 ガバリと寝台から起き上がった彼に、スルリと彼女の腕が後ろから巻きつく。

「まだじゃ、まだ……足りぬ」

 脱ぎ捨てていた服を掻き集めて身につけ始めたシエンに、その声は届かなかった。というか、意味がよく理解できていなかった。
 「え?」と振り返った彼に、シーツの波間に寝そべった裸の彼女は興がいったようにコロコロと笑って、うっそりと口元に美しい笑みを浮かべる。

「何でもないわ。お主は有能よの、シエン?」

 食事のあと、まさか「番い」である彼女に再び押し倒されるとは露とも知らない彼は素直に喜び(どうせなら押し倒したいんだよ! 僕だって)、跳ねる足取りで部屋を出て行った。

  >>>終わり。

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