裏表一体、日々のこと。
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「魔喰いの森のお人好し」彼視点、の第二話です。
彼女視点側の冒頭と同じ場面です。
……いや、何も言うまい。そういうコトです。ははっ!
前の投稿の時に、魔王子が登場する小話を書こうかな? とか言っていたと思いますが、それより先に思いつきで別の小話を書いてしまいました。
つい、今の季節アレだよね。うん。
という、ネタが閃いたので(^^ゞ
バレンタインではないですよ。それは「近隣系図」の方でやりたいし(笑)。
で、そんな小話を書いていて思うことは、コレって「なろう」様に載せるよりは「ムーン」じゃね? ってコトです。うーん、どうなんだろ……ギリでセーフだと思ってるんだけどなあ。
異種族婚なせいか、結構際どい描写が入りました(←小話の方で)!
大丈夫、だとは思いますが、イロイロな意味で注意が必要です。苦手な方は苦手かも、なので。
以下、「魔喰いの森のお人好し」side.魔-2。
彼から見た、彼女との初めての会話。
彼が彼女に世話焼きだったのには理由があります。
彼女視点側の冒頭と同じ場面です。
……いや、何も言うまい。そういうコトです。ははっ!
前の投稿の時に、魔王子が登場する小話を書こうかな? とか言っていたと思いますが、それより先に思いつきで別の小話を書いてしまいました。
つい、今の季節アレだよね。うん。
という、ネタが閃いたので(^^ゞ
バレンタインではないですよ。それは「近隣系図」の方でやりたいし(笑)。
で、そんな小話を書いていて思うことは、コレって「なろう」様に載せるよりは「ムーン」じゃね? ってコトです。うーん、どうなんだろ……ギリでセーフだと思ってるんだけどなあ。
異種族婚なせいか、結構際どい描写が入りました(←小話の方で)!
大丈夫、だとは思いますが、イロイロな意味で注意が必要です。苦手な方は苦手かも、なので。
以下、「魔喰いの森のお人好し」side.魔-2。
彼から見た、彼女との初めての会話。
彼が彼女に世話焼きだったのには理由があります。
―― 魔喰いの森のお人好し。side.魔-2 ――
傷に薬を塗り、部屋の出入りを繰り返して何度目かの時――聞こえた声に心の臓が飛び上がった。
「誰、じゃ?」
聞いたことのない涼やかな響き。
(これが、声? 小鳥の囀りみたいだ……)
初めて耳にする、人間の雌の声に戸惑う。
何か気の利いたことを答えなくては、と思うのに、まるで思い浮かばない。人間どころか同族相手にも経験が少なすぎるのだ。
息を止め、ジリジリと下がり……それではダメだと、足踏みしていると彼女がまた話してくれた。
「妾〔わらわ〕を助けてくれたのか? それとも喰らうつもりか? どちらでも、好きにするがよい」
暗い中でも、綺麗に微笑む彼女の顔が見えた。妖しく、透きとおる氷を思わせる潔さ。
長くツヤリとした黒髪に、力のある石のような黒の瞳。肌は白く輝いて、細いのにしなやかな曲線を持っている。
気の利いた言葉を探していた唇が、勝手に動いた。
「喰らう、しない。助けた、わけでも……運んだ、だけ」
誰かと会話をするなんて、いつぶりだろう?
錆び付いた機械のように、発した言葉は片言でひどく掠れている。
フッ、寝台で横になっている彼女が嬉しそうに笑った気がした。気のせい、だと思うけど。
「そうか。では、礼は言わぬ。世話をかけたな……もうしばらく世話になっても、よいかの?」
「……はい」
「妾はエリル。解っておろうが、魔族ではない。向こうではもう少し長い名を持つが、ここでは意味がなかろう? 好きに呼べ」
エリル。
それが、この美しい雌の名前。
「エリル、さま」
シエンにとっては当たり前だった呼び方だけど、エリルにはひどく意表をついた呼び名だったらしく笑われてしまった。
そして、どうやら無傷だと思っていた胸のあたりを少々打っているのか、痛みを訴えた。
(大変だ! あとで薬草を持ってこよう)
と、思案しているとエリルが部屋が暗いと言い出したから、息ができない。体が震えた。
「明かりをつけて、くれぬか?」
「………」
「イヤ、か。まあ、よいわ……名は?」
「 シエン 」
魔族の中でも忌み嫌われる姿を見たら、また一人になるかもしれない。
(やっと来た、貴女は……僕の「番い」? 「番い」、だよね――)
大事にして、ここを好きになってもらうんだ! 再び眠りについたエリルを眺めて、シエンは秘やかに彼女の待遇を心に決める。
甘やかして、大事に、大事にする。
そう、最初から、多分、そういう運命だったんだ――。
>>>続きます。
何気に彼は、執着属性。
傷に薬を塗り、部屋の出入りを繰り返して何度目かの時――聞こえた声に心の臓が飛び上がった。
「誰、じゃ?」
聞いたことのない涼やかな響き。
(これが、声? 小鳥の囀りみたいだ……)
初めて耳にする、人間の雌の声に戸惑う。
何か気の利いたことを答えなくては、と思うのに、まるで思い浮かばない。人間どころか同族相手にも経験が少なすぎるのだ。
息を止め、ジリジリと下がり……それではダメだと、足踏みしていると彼女がまた話してくれた。
「妾〔わらわ〕を助けてくれたのか? それとも喰らうつもりか? どちらでも、好きにするがよい」
暗い中でも、綺麗に微笑む彼女の顔が見えた。妖しく、透きとおる氷を思わせる潔さ。
長くツヤリとした黒髪に、力のある石のような黒の瞳。肌は白く輝いて、細いのにしなやかな曲線を持っている。
気の利いた言葉を探していた唇が、勝手に動いた。
「喰らう、しない。助けた、わけでも……運んだ、だけ」
誰かと会話をするなんて、いつぶりだろう?
錆び付いた機械のように、発した言葉は片言でひどく掠れている。
フッ、寝台で横になっている彼女が嬉しそうに笑った気がした。気のせい、だと思うけど。
「そうか。では、礼は言わぬ。世話をかけたな……もうしばらく世話になっても、よいかの?」
「……はい」
「妾はエリル。解っておろうが、魔族ではない。向こうではもう少し長い名を持つが、ここでは意味がなかろう? 好きに呼べ」
エリル。
それが、この美しい雌の名前。
「エリル、さま」
シエンにとっては当たり前だった呼び方だけど、エリルにはひどく意表をついた呼び名だったらしく笑われてしまった。
そして、どうやら無傷だと思っていた胸のあたりを少々打っているのか、痛みを訴えた。
(大変だ! あとで薬草を持ってこよう)
と、思案しているとエリルが部屋が暗いと言い出したから、息ができない。体が震えた。
「明かりをつけて、くれぬか?」
「………」
「イヤ、か。まあ、よいわ……名は?」
「 シエン 」
魔族の中でも忌み嫌われる姿を見たら、また一人になるかもしれない。
(やっと来た、貴女は……僕の「番い」? 「番い」、だよね――)
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主に恋愛小説の執筆ととめどない落書き。あと、HP運営。
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恋愛小説やら絵やら書いて、裏と表のHPを運営中。ココでは日々のこと、本編の番外か先行掲載を目的にツラツラ生息していこうかと思っています。
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