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裏表一体、日々のこと。
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 「背徳の姫君」真鍋耀視点の最終場面です。

 アンケート、投票ありがとうございます~。
 春企画がどうも優勢なので、アンケートの実施期間を三月いっぱいにしてみました。どっちにしても、ネタが浮かばないとダメなんですよねえ……どっかに落ちてないですか、ネタ。
 ネタが浮かばなくても、三月いっぱいでアンケートは変更します。
 春企画でも七夕企画でも公開時期は、似たようなモンかもしれませんが、気にするなー(←こらこら)。

 以下、「背徳の姫君」真鍋耀視点の最終話。
 制限が入った文章は極力カットしました。が、ちとシチュエーション的に教育上悪いような気がしますので、R12程度はつくかと思われます。
 「背徳の姫君」というタイトルから、この場面が浮かんだ……という、安直ですなー。三角関係はドロドロしていて、苦手です。





―― 背徳の姫君 ~4~ ――

 耀のすぐそばまで清乃はやってくると、首をかしげた。
 長い黒髪がさらりと肩をすべって、彼の目の前に落ちる。
「その逆よ」
 訝しく耀は、顔を上げた。
「あなたに 興味 があったから、名越くんを調べたの」
 赤い唇がさも清純そうに微笑んで、誘う。だから、耀は 誘い に乗ってやった。
 ぎりっ、と彼女の両手首を掴んで音楽室の弧を描いた机に押しつける。清乃の紺色をしたフレアスカートが膝までめくれて白い太腿を覗かせる。
 押し倒された格好の彼女の表情は苦悶に歪んで、少し苦しそうだった。
「痛い?」
「痛いわ」
 硬い机に背中を押しつけられた彼女は素直に答え、それでも間近に迫った彼に怯えていなかった。
 ブラウスの胸のボタンを外して開いても、その誰も触ったことがないようなふくらみへ手を突っこんでも微動だにしない。
 いや、違う。
 清乃は受け入れていた。こんな俺と知った上で――。
 黒い眼差しは艶を帯びて、机に流れている黒髪は少しずつ形を変えて広がった。
 足の太腿に手をすべらせると、一際高く声を洩らした。
 ギリギリと彼女の両手首を頭の上で締めあげながら、苦悶の表情の中に色を持つ。
「おまえが好きなのは、真希じゃないのか?」
 彼女は口に笑みを浮かべて否定した。
「わたしは――わたしを好きな人は好きにならない。人の感情は 怖い もの……だから、真鍋さんは好き。人の 感情 がないから」
「……そんなふうに言われるのは、初めてだな」
 と、こんなときにまで耀の中には何も生まれなかった。
 そうなのか、と思う程度。ある意味、納得さえして、幼馴染である真希に後ろめたさも感じない。

「 あなたなら、幼馴染の 彼女 だって抱けるでしょう? 」

 見透かされている……そう感じて、耀は薄い笑みを浮かべる。
「まあね」
 せめて、この 同じ 匂いのする女には手酷い抱き方をしてやろうと唇を舐めた。


     *** ***


 「どうした?」と、名越真希が顔をしかめた真鍋耀を覗きこむ。
「なんでもない」
 切れた舌の傷が沁みた だけ だ。
「真鍋さん、大丈夫ですか?」
 最近、常にこの汐宮清乃を加えた三人でつるんでいる生徒会室で耀はそ知らぬ顔で「平気」だと彼女の手を払う。
(おまえがつけたクセに、よく言う)
(コレで、ほかの女〔ひと〕にはキスできないでしょう?)
 あたかも清純そうな彼女はそうとでも取れそうな淡い微笑みを浮かべて、手を引いた。


 彼女の制服の下には耀のつけた標〔しるし〕が残っているのだから、どちらも 真っ当 な人間ではなかった――。

  >>>おわり。
 次は、汐宮清乃視点で連載予定です。
 あまり読まれている感じはしませんが……続いてます。「夕焼け」もそのうち番外を連載します。

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