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裏表一体、日々のこと。
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 「背徳」本編、続編「魔女の棲む家」真鍋耀視点の第三回です。
 汐宮家の方々が登場、しかし、男性陣はことごとく不在なのはどうしたことか(笑)。
 きっと、面倒だったのだわ(←他人事か?)。
 それはそうと、思考回路のどうしても理解できないメインの二人ですが……清乃さんの方は、なんとなーく解明しつつあります。
 いまだ、謎なのはこの書記殿だけです。
 いや、まあ……それが「背徳」だと思うのでいいかと思う。逆に解明したら、「背徳」じゃない!

 で、なんか忍者ブログの機能に絵日記が追加されていたので、ご報告程度に使ってみました。これから使うかは不明です。
 真剣に絵を描くのに使うよりは、何かの説明の補助として使う方がアリかと思います。例えば、制服の形とかこういう間取りなのーとか(笑)。
 一人でさみしく語り明かすにはいいツールかもしれません。しかし、放置されること請け合い……(遠い目)。

 以下、「背徳の姫君」本編、続編「魔女の棲む家」耀-3。
 一応、各視点で書くことに内定しました。ってコトで、話の数え方も変更です。



―― 背徳の姫君。~魔女の棲む家1-3~ ――

 玄関で二人を出迎えたのは、しっかりと着物を着こなした彼女だった。
 そして、後ろからやはり着物を着たキレイな立ち姿の女性が出迎える。二人とも、キレイだという意味では同じなのだが、重ねた年齢の違いか……あるいは、身に着ける着物の柄の違いなのかもしれない。

「ようこそおいでくださいました。名越様、それに真鍋様にございますね……清乃の母、君枝と申します」

 長い黒髪を後ろできっちりと纏めたしっとりとした美人だった。
 とても、清乃を産んだ母とは思えないほどに、若く、けれども 確かに 彼女の 母 だろうと思わせる妖艶さが清純な微笑みに漂う。
「はじめまして、名越真希です。で、こっちが友人の真鍋耀」
「どうも、真鍋です」
 母親は、目を細めて「可愛らしいこと」と真希の様子に至極、ご満悦そうだった。
「この娘に彼氏ができるなんて、初めてのことですのよ……お話は、時々ございましたのに全部断ってしまって……母として心配していたところですの。よかったわ、名越様のようなお優しそうな方で――扱いにくい娘ですが、どうぞ可愛がってくださいね」
「はあ……いえ、はい」
「真鍋様、このたびは娘が大変にお世話になったそうで、遅ればせながらお礼を申し上げたいと……逆に、ご足労いただいて恐縮しておりますの」
「いえ、べつに」
 まったくだ、とは心で返しながら、ここまで来たのは自分の意思だ。
 相手に畏〔かしこ〕まられても鬱陶しいだけだった。
「用が済めば、すぐに帰りますのでお構いなく」
 ゆっくりと顔を上げた母親は、「まぁ」と目を見開いて「正直な方ね」とコロコロと笑った。
「どうりで清乃が気に入るわけだわ。貴方がたのこと、わたくしに紹介したくないって渋っていましたの……ええ、口では 絶対 そのようなことは言わないんですのよ。お解かりになるかしら?」
 そっと、手を握られそうになって耀は虫唾が走った。
 清乃に感じるものよりも、ずっとねっとりとした視線がまとわりついてくる。
(なるほど、ね)

「 さあ、俺には サッパリ 解かりませんね 」

 清乃の祖母、君枝の母という女性とも面通ししてその前に座った。
 祖母という女性は、華道汐宮流の 家元 らしい。元来、華道の家元は男性であることの方が多いのだが、どうした理由か汐宮の家ではあまり男性の家元は長続きしないのだという。先代の家元、つまりは現・家元の夫も早逝した。
 まっすぐに伸びた背筋をピンと張って、白髪も美しい彼女は正座をしたまま二人に頭を下げた。
「お待ちしておりました、静〔しずか〕と申します……先の短い婆ですが、お見知りおきを」
 その背中には、鮮やかな花が花器に生けられて、静かに彼女の微笑を彩る。
(まるで、魔女の家だな)
 耀はふと、口の端を上げてそんなことを思った。

  >>>続きます。

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