背徳の姫君。山辺志穂-その後。2

　「背徳」番外の山辺志穂視点のその後の続き、第二回。
　草稿なので、続くかどうかは私の気分次第です。アハハ！
　書いてるうちに、この二人って確かくっついてたよね？　と、ふと心配になったくらいですが……まあ、気にしない方向で。
　後ろ向き彼女なので、しばらくシッカリ者の手厳しい彼にビシバシとスパルタ教育されるんだわ（笑）、と思ってください。
　季節は、秋。十月初旬の頃かと思います。

　現在の執筆、「Ｏパーツ」を書こうとしながら……なかなか筆が進まなかったりしますよ（遠い目）。
　テンションをあの位置まで持ち上げるのが、難しい。文章を考えながら、テンションが合ってないんだよなー……で、また消し。
　一人称の難しいところですねえ。
　ココで合わせていかないと、前に進めないので妥協点まで合わせていくつもりですが……なかなか前に進みません！
　いましばらく、お待ちください（べそべそ）。

　以下、「背徳の姫君」番外、「山辺志穂-その後」2。
　そうそう性格は治りません。

――　背徳の姫君。～山辺志穂-その後2～　――

　ガラリ、と教室の扉を開けるといつものクラスの喧騒があって、志穂はいつものように自分の席へとつく。彼女が登校してきたことにクラスのほとんどの人間が大して気にとめなかったが、彼女の一番仲良くしている友人である澤嶺祥子〔さわみね　しょうこ〕はやってくるとニヤニヤと笑った。
「おはよ。なにか、あった？」
「べつに、なにも」
　志穂は俯いて、首を振る。
「そーお？　「おとなり」の王子様とアイ・コンタクトしてなかった？」
　ニヤニヤ笑いを続けたまま、覗きこむ。と、ちょっぴり同情的に微笑んで、よしよしと頭を撫でる。
「……してないもん」
　泣きそうな顔で志穂は唇を噛んだ。


　駅に近づいた頃、前触れもなく彼の手が離れて顔を上げれば広之は前を向いたまま「先に行くよ」と告げた。
「え？　……あの」
「俺さ、言わなかった？　おまえのそういう ウジウジ したとこ 嫌い だって」
「……わ、かってるもん」
　チラリ、と見下ろされる広之の眼差しにいたたまれなくなって、俯く。こんなんじゃダメだと思うものの、どうにもできなかった。
　ため息とともに降ってくる言葉は、いつだって容赦がない。
「あっそ。もう、いい――今日は先に行くから。あとから来れば？」
「………」
　しばらくの沈黙、のあとに遠ざかっていく彼を追って顔を上げると、離れていく背中があった。
　見慣れた背中。ようやく、並んで歩けると思っても、志穂にはなかなか上手くできなかった。
　追いかけたいと思うのに、すくんだ足はちぢとして動かずに取り残される。
　胸が痛くて、苦しかった。

　　>>>メモ終了。