背徳の姫君。山辺志穂-その後。3（完）

　「背徳」番外、後ろ向き彼女のその後、最終話です。
　最終、という割りには微妙な感じですが（笑）。続きを書くというお約束はしない方向で頑張っているのです（←こらこら）。
　手厳しい彼視点の方はある、ハズですが……だって、そっちが一番楽しいから(^^ゞ。
　はは、寄り道してる場合かと！
　ちょっと気分転換だもーん。サボってるワケじゃないのよ～（←怪しい……）。

　コチラのその後話は――HTMLにして、再アップする予定ですが、ちょっと再録場所が現在の「陽だまり」ページとは違ったりするカモです。
　「その後」を入れると、なんか長ーくなりそうな話なので（遠い目）。「50万HIT企画」の隠れたメインスペースにて、こじんまりと置こうかと思っています。
　「背徳」番外のこの二人の「さらにその後」な話は、そちらで展開予定なのです。今、メモで書いてるのは、それより少し前の二人なのですが……普通、ここから始めるだろう？　と思いつつ、思いつかなかったので先に進んじゃったのね（大笑）。
　「企画」便乗の隠しページなので、「企画」開催中の期間限定でリンクを張る予定です。←単に、難しい隠しリンクを張るのが面倒とも言う。
　よろしければ、「50万HIT企画」開催の際に探してみてくださいね★

　以下、「背徳」番外、「山辺志穂-その後」3。
　彼なりに、ちょっと苛めすぎたかと反省……している模様です。
　私からも、ちょっと叱りつけておきました（笑）。

――　背徳の姫君。～山辺志穂-その後3～　――


　嫌われたのだろうか……と思うと、ずっと好かれているとは思ってなかった頃にそう考えた時よりもつらかった。
（わたしが……こんな、だからダメなんだよね。わかってる、けど）
　それでも、志穂にはどうしようもない。
　ウジウジするな、と言われてもすぐに変われるワケもなく、広之に話しかける勇気さえなかった。これでは、付き合う以前と同じだ。
　というより――。
　昨日のことが 自分の 妄想なのかもしれないとさえ思えてくる。
（……そんなの、やだな）
　ぼんやりとカーテンに包まって、放課後の教室に佇んでいると「志穂」と名前を呼ばれた。

「鳴海、くん？」

　カーテン越しに抱きしめられたぬくもりに、戸惑う。
　彼は息をつくと呆れたように言った。
「おまえ、俺を誘ってるの？」
「え？」
　意味がわからなくて、身じろぐと後ろから広之が強く抱きすくめた。
「こんなカーテンに包まってさ……前みたいに体を弄〔いじ〕ってほしいとか？」
「　……ッ！　」
　真っ赤になって、志穂は息を呑んだ。
「ちがっ……うもん……ッ」
「そう？」
「　ヤッ！！　」
　彼の腕が怪しく動いたのを知って、恐慌状態に陥る。
「や、やだよ……昨日のことが、嘘だなんてヤダ……イヤ、なんだもん！」
　彼の腕の中で、カーテンに包まった志穂は訴えた。

「　嘘じゃないよ　」

　カーテンから泣きじゃくる志穂を出し、広之は答えた。その嗚咽の洩れる唇に唇を重ねて、深く口づけるとようやく彼女の涙は止まった。


　　　　　***　***


　手を差し出されて、困惑した。すぐに応えることはできないけれど……おずおずと重ねると、力強く握られて腕を引かれる。
「仕方ないから。志穂に合わせて、しばらくは裏門から帰ろう」
　と、彼は（志穂には手厳しい） 彼 らしからぬ譲歩をみせて、彼女をふり返った。

　　>>>おわり。