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裏表一体、日々のこと。
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 またまた思いつき、メモ作品です。
 今回は、帝都浦川高校の新一年生設定で……ボケボケ理系少女(たぶん)と裏表あるんじゃないの文系美少女(謎)のお話です。
 理系と文系に分けてのは、あまり意味がないんですが……たぶん、この二人は学年トップクラスで頭がいい二人になる予定です。
 主人公のボケボケ少女が頭いい設定なのは、なんとなくです。理系頭の女の子なので、理論的に合理性があればかなりの範囲で許容する懐の深さがあります。
 逆に、文系美少女はとっぷり自分の世界に陶酔してます。なんか、理系少女のボケボケっぷりが気に入っているらしいです。
 という、二人の話です。
 月刊、とか言ってますが、特に予定しているワケではありません。

 以下、「月刊スーパー☆ガール」四月号です。
 こんなんしてるから、他のヤツも中途半端になるんですよ。まずは、明日「夕焼け(番外・年末年始編)」彼女視点か「みちつくの庭」の更新のいずれか一方をやりたいです。
 その前に、病院行くんだけどね。定期健診? みたいなの??



―― 月刊スーパー☆ガール 四月号 ――

 受験直前のお正月に、神社まで初詣に行ったらおみくじで「凶」を引いた。
 ちょっとヘコんだけれど、よくあることだった。
 受験当日に風邪をひいたり、事故に遭ったり、近所の犬にじゃれつかれたり……それでも、合格したんだからおみくじもいい加減なモノだ。
 わたしは、よくタイミングの悪い人間だと言われる。

 高校の入学式で入場直前に階段から落ちて気を失っても、「凶」のおみくじを引いたことなんて思い出しもしなかったくらいにその程度は 日常的 なことだった。



「手島愛子〔てしま あいこ〕さん、大丈夫?」
 入学式の翌日、一日遅れで自分の教室に入ったら第一歩目でこけた。
 何もないところでこけること、は かなり 得意だ。
 だから、こんな時に初対面に近いクラスメートたちが見て見ぬフリをするだろうことは予測できた。
「いたたたた」
 むくり、と起きて、汚れた制服の前を払う。
 無視されるのは、慣れている。
 だから、不意に背後でクスクスと笑って、手を差し出してきた彼女にビックリした。
 その顔を見て、さらに心臓を鷲づかみにされる。
(わぁ、こんなキレイな子がいるんだあ)
 和倉南〔わくら みなみ〕の第一印象はそんな感じだった。
 サラサラの長い髪に、優しい微笑み。曇り空でも、今日の天気は快晴じゃないかと勘違いしそうな空気をまとっている。
「ダイジョブです。あの……ありがとう」
 彼女のほっそりと長い指を借りて立ち上がり、ペコリと頭を下げる。
「いいえ。手島さんって昨日はいなかったよね?」
「うん。入学式が始まる前に階段から落ちてたから」
「……そういえば、前の方騒がしかったな」
「そう、でしょ? わたしは気を失ったから覚えてないんだけど……悪いことしちゃった」
「? どうして?」
「だって、列整備の先輩にちょっとぶつかっただけだったの。落ちたのは、わたしの不注意だし、全然悪くなかったのにあとですっごく謝ってくれたんだよ」
 ちょっと自己嫌悪になる。
「わたしって、こけることが特技みたいなものだから気にしなくていいのにね? 失敗しちゃった」
「ふーん」
 まじまじとわたしの顔を見て、クスクスとまたキレイに笑った。
「手島さんって面白いね。あ、アイちゃんって呼んでいい?」
「うん、いいよ。じゃあ、ええと……あれ?」
 その時。
 ようやく、わたしは彼女の名前を聞いてないことに気づいた。



 それから、和倉南とは自然に仲良くなった。
 最初の出だしをくじいているわたしの場合は、ごく当たり前のことではあったけれど……南の場合は、どうしてだったんだろう?
 美人な女の子が敬遠される、というのはあるかもしれない。
 けれど、周囲の南に対する態度はそれとも少し違っていた。一目を置かれているのは確かだが、よそよそしいというか、どこか好奇の目に近い。
 時々、クラスの違う男子生徒に呼び出されて、告白らしいことも受けているようだ。
 しかし、戻ってくると決まって「アイちゃん以上に面白い人っていないよね」とちょっとドキリとする顔で笑う。
 女の子なのに、野性的なのよ。すっごく!
 焦って、思わず「そーかな~?」と照れてしまう。
 褒められているのかも、怪しいのにね。

 そんなある日のことだった。

 いつものように、階段を踏み外したわたしを受け止めてくれたのは南だった。
 ついつい、前を行くクラスメートの話を聞き入っていた(生徒会の誰それがカッコいいだの、二年の誰先輩が可愛いだの……そんな情報知らない!)のが敗因だった。
「み、なみ? あれ?」
 もともと女の子にしては背が高くて、スレンダーな体つきをしていたから、胸があるとは思ってなかった(←失礼!)けれど。
(……それにしても、固くない? 気のせい?)
 思わず、手をわきわきさせてわたしは確認してしまった。
「なにしてるの?」
「え? あの……胸がまな板?」
 わたしが呆然と訊くと、ぷっと彼女は吹き出した。
「うん。男だからね」

「……え? えーっ!?」

 そんなカミングアウト、アリですかっ。

「えっ? うそっ、ホント? うわーうわー、スゴイ!」
 言うと、南が「なにが?」と訊いてくる。
「だって! 絶対、わたしが勘違いしてたとかの次元じゃないでしょ? さすがに女の子と男の子の違いくらいわかるしっ……なのに、南の場合は完璧じゃない? スゴイ! カッコいいっ」
 興奮するわたしを南は、初めて会った時と同じようにまじまじと眺めて、クスクスと可笑しそうに笑った。
「やっぱ、アイちゃんって ツボ ついてくるよね。面白い」
「えー?」
 そうかなあ? と自分ではまったくわからないけれど、南が嬉しそうに言うから褒め言葉として受け取ることにした。

  >>>おわり。

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無題
う~ん、この南ちゃんはただ単に女装してるだけ?心理は男?気になります~。
mimana 2010/01/14(Thu)08:42:21 編集
そうですね。
mimanaさん、衝動的にメモった話にコメントくださりありがとうございます。南ちゃんの深層心理は謎です(←おいおい)。現段階では、私にもなんでそんなんなのか、サッパリです。書き始めたら、そのうち判明するかも?
衝動的なメモ話なので、転び方は無限大だと思っています。思えば、「夕焼け」も始まりはそんな感じだった気がします。
いつになるかは分かりませんが、続き書けたらなあと個人的には野望をもっています(もちろん、十二ヶ月でまとめるつもり!)。
【2010/01/19 23:08】
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